新しいコンセプトのSUVだと思う。虚飾を廃止、シンプルに使い勝手と走りを求めたところが新鮮だ。さすがにヨーロッパを意識して開発されただけあり、走りは上質。
ザックスのダンパーは初期から素早く減衰力が立ち上がるタイプ。それでいたハイスピード域では硬すぎず、乗り心地とハンドリングの両立に貢献しているのだ。SUV的な粗さはまったくなく、素直に走る。上体がグラグラすることも少なく、ダンピングが確実に働いている印象。切れ味をことさら強調したようなそぶりもない。これみよがしに際立たせたハンドリングではなく、使い込んでいるうちによさが実感できるタイプのセッティングなのだ。質実剛健だといえよう。
これまでの日本車のダンパーは、精度の甘いものが多かった。それが走りのレベルを下げていたように思う。だが、『デュアリス』にはそんな悲しさはなく、好感が持てるのだ。真面目に開発されたクロスオーバーSUV。そんな印象である。
2007.12.1
木下隆之| モータージャーナリスト
プロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。『ジェイズな奴ら』を上梓するなど、作家の肩書きも。
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