2016年で生産終了したホンダ CR-Z|現在のCR-Zの中古価格は?

更新日:2017/01/11

ホンダのハイブリッドスポーツクーペ、ホンダ CR-Zがついに2016年をもって生産終了する事が発表されました。「国産唯一のハイブリッドスポーツカー」(2代目NSXはアメリカ製)が約7年の歴史を閉じる事になりますが、それに伴い特別仕様車「α・Final label(アルファ・ファイナルレーベル)」が設定されます。

ホンダ 新型CR-Zへマイナーチェンジ

ホンダCR-Zは2015年にマイナーチェンジし、第三世代となる新型CR-Zへと生まれ変わりました。

また2016年6月には、初代から続くCR-Zの魅力である走りと環境性能をさらに高め、心躍らせるようなデザインを目指して創られた特別仕様車種「αファイナルレーベル」を発表し、2016年内をもって生産終了することとなりました。

ホンダ CR-Zの官能的で流麗なフォルムは思わず触れたくなるようなデザインで、低・短・ワイドというCR-Zにしかない車体サイズが特徴です。

「低」は低い全高と重心、「短」は4,105mmと短い全長とホイールベース、「ワイド」は広いドレッドを表しています。全長は短いですが室内は広々としており、荷室は後部座席を立てたままでもトランクが2つ収納できるほどの広さがあります。

新車価格は、タイプやボディーカラーなどにより異なり、270万円から292万円に設定されています。また、無限とのコンプリートカーであるCR-Z MUGEN RZでは、450万円と走りも価格もスペシャルな仕様となっています。

CR-Zは2016年内に生産終了予定?

2010年にデビューしたホンダ CR-Zは、少なくとも国産車では初めてスポーツカーとしてデビューしたハイブリッド車です。

ホンダ独自の1モーター式ハイブリッドシステム「IMA」を搭載したモーター•アシスト車でしたが、それだけにモーターアシスト時は力強い走りを見せました。特にマイナーチェンジ後のモデルでは「PLUS SPORTボタン」を押せば、短時間ながら3リッターV6エンジン並の緊急加速が可能というサプライズもあったのです。

しかし、今やホンダのハイブリッドはほとんどが2モーター式ハイブリッド+7速DCTを組み合わせた「SPORT HYBRID i-DCD」など、本格ハイブリッドに移行しています。

ホンダで未だにIMAなのは、CR-Zとコンパクトミニバンのフリード、フリードスパイクのみ。フリードとフリードスパイクは2016年秋にモデルチェンジで統合され、i-DCDに移行します。

CR-Zの生産終了とどちらが先になるかわかりませんが、いずれにせよIMAは今年限りでしょう。

名車CR-Xの再来!? CR-Zの誕生とは

かつてホンダには復活となった第2世代ホンダ・ツインカム第1号であるZCを搭載した初代バラードスポーツCR-X(通称バラスポ)、さらに2代目インテグラや4代目シビックから採用されたB16A型VTECエンジンを搭載した2代目CR-X(通称サイバー)という、2代に渡ったスポーツハッチバッククーペがありました。

3代目のCR-Xデルソルがピュアスポーツ性を失い不人気車となった事でCR-Xの歴史は一旦閉じますが、初代・2代目は目を見張るほどのピュアスポーツぶりで現在でも人気があり、ジムカーナ競技では2代目のサイバーCR-Xが生産終了から24年を経た今でも現役でEK9シビックタイプRと対等に戦う走行性能を持っています。

1999年デビューの初代インサイトがCR-Xと似たようなフォルムの2シーター燃費スペシャルだったので「CR-Xの再来のようだ」と言われましたが、本命のハイブリッドスポーツは2010年、CR-Zという名で生まれました。

かつて新世代のスポーツユニットを搭載していたCR-Xの後継は、やはり1.5リッターi-VTEC+モーターという新しいパワーユニットを搭載していたのです。

唯一の日本製ハイブリッドスポーツ

そのスタイリングや、相変わらず卑屈な姿勢で居住性が最悪な「1マイルシート」と呼ばれた後席などのパッケージングにかつてのCR-Xの面影を残しつつ、低燃費とスポーツ性能を両立させるためホンダは大きなコストをかけました。

シートの着座位置は可能な限り低くされて重心低下に貢献しつつ、フロントウィンドウは左右に大きく回り込むようなデザインとした事で、コーナリング時に太いAピラーで視界が遮られる事の無いようデザインされて、CR-X同様のコーナリングマシンである事をその機能的な外観からアピールしたのです。

エンジンもシビックハイブリッドや2代目インサイト用のLDA型1.3リッターi-VTECではなく、より高出力のLEA型1.5リッタi-VTECを採用しましたが、面白い事にモーターは最大トルク103N・m(10.5kgf・m)を発揮するシビックハイブリッド用のMF5ではなく、最大トルク78N・m(8.0kgf・m)にとどまる、2代目インサイトと同様のMF6を採用しています。

ハイブリッドスポーツと言いつつ、実際には排気量アップしたエンジンの性能を生かし、最低限のモーターアシストを行うコーナリングマシンだったと言えます。

エンジン+2モーターの動力分割装置を無段変速機として使うため、MTの設定が無いトヨタのTHS搭載車と違い、構造がより単純で通常のミッションが使用可能ゆえにCVTだけでなく6速MTが設定されている事も、CR-Zを単なる燃費スペシャルではなく、スポーツカーとしても十分に魅力ある存在となりました。

最後の特別仕様車 α・Final label(アルファ・ファイナルレーベル)

CR-Zの年内生産終了の発表とともに、2016年6月10日には最後の特別仕様車、α・Final label(アルファ・ファイナルレーベル)が発売されました。

「CR-Z Final label」のロゴが入ったアルミコンソールプレートのほか、同じロゴの刺繍が入った専用ブラックコンビシートと、ドアアームレストにはレザー調素材の「プライムスムース」を採用、専用マット塗装の17インチ軽量アルミ、ピアノブラック調ステアリングガーニッシュ、ナビ装着用スペシャルパッケージ、プラミアムペダル、トノカバー、などの特別装備が施されています。

さらに特別色として2014年5月に発売された特別仕様車「α・Dressed label III」に設定されていたモノトーンの「ブリリアントスポーティブル・メタリック」が復活採用されたほか、少数生産モデルならではの「鈴鹿の専用工房で丹精込めて塗り分ける」ルーフやテールゲート、ドアミラーや各ピラーをブラックにした「2 Tone Color Style」も設定されています。

その歴史の中で輝いた時間は短かったものの、地道なマイナーチェンジで動力性能の向上やトレッド拡大によるコーナリング性能向上といったパフォーマンスアップが着実に図られたハイブリッドスポーツの最後を飾る華やかな特別仕様車の車両本体価格は280万円(税別)です。

初期型で動力性能にやや不満を持っていた方でも、CR-Zの魅力を再確認するいい機会かもしれません。

なお、ホンダ初のハイブリッドシステムでCR-Zにも採用されているホンダIMAは既に2モーター式の新型ハイブリッドシステム「i-DCD」に移行しており、同じくIMAを使い生産継続されているフリードハイブリッド/フリードスパイクハイブリッドが予定通り2016年中にモデルチェンジすれば、CR-Zの生産終了によってIMAも初代インサイト以来の歴史を閉じる事になります。

CR-Zの走行スペックについて

ハイブリッドスポーツとしてのCR-Zの性格は、改造範囲の限られたナンバー付き車両で競い合うジムカーナ競技での実績がよく表しています。

走行時間が短ければ1分程度、長くとも2分弱の超短距離のほとんどで激しい横Gを伴うコーナリングと全開加速、ブレーキングを繰り返すジムカーナ競技を走るにあたり、CR-Zはスタート前には可能な限り空ぶかしをしてバッテリーに充電する必要がありました。

それでもスタートから30秒ほどで電池切れにより失速、あとはパワー不足のエンジンで重い車体を引きずるように走らなければいけないという欠点をモロに露呈してしまったのです。

これは燃費優先でハイパワーエンジンを採用できなかった事や、1モーター式で駆動と充電を同時に行えない旧式のハイブリッドシステム、ホンダIMAの限界という意味でもありました。

後に2012年9月のマイナーチェンジでバッテリーを大容量で電圧も高いリチウムイオンバッテリーに交換した事で実質的にモーター出力を増強し、さらにボタン一つでスロットル開度とモーターアシストを最大にする「PLUS SPORTシステム」を使用すれば、瞬間的には3リッターV6並の加速が可能になっています。

しかし時既に遅しと言うべきで販売台数増加につながらず、その頃には月販目標台数が450台、やがて70台や100台と下方修正されてすらも、マイナーチェンジ直後を除けば達成できない月がほとんどだったのです。

結果的に、CR-Zの販売台数はデビューから7ヶ月の新車効果の間のみ1,500~3,700台で推移し、残りの期間は数百台、数十台といったレベルでした。2016年4月までの販売台数は、6年3ヶ月でわずか39,570台に留まっています。

つまり、CR-Zの初期型はアンダーパワー感が厳しく、後にパフォーマンスアップが図られました。

ホンダ CR-Zの中古価格は

ホンダ CR-Zはとても人気のある車種なので、中古車の取り扱い件数も多く、中古相場は54万円~462万円と幅広くなっています。(2016年7月現在)

中古車最安値54万円のCR-Zは、2010年の初代モデルで、走行距離も10万km前後のものが多いようです。一方で中古価格が高いものは、CR-Z MUGEN RZである場合がほとんどですので、CR-Z MUGEN RZでなければ新型モデルで230万円前後となっています。

年式や走行距離だけでなく、カラーや装着しているオプションなどで価格が変わることがありますので、中古のCR-Zの購入を考えている方は、幾つかの中古車販売サイトを確認したり、値引き交渉をしたりするようにしましょう。

走りと環境性能、さらにはデザインまでこだわって創られたホンダ CR-Zに乗れば、毎日のカーライフが変わるかも知れません。普段乗りにもドライブにも、シーンごとに異なる魅力を発揮するCR-Zを、是非検討してみてはいかがでしょうか。

どうなる次期CR-Z?揺れ動くコンセプト

そのCR-Zは、次期型のレンダリングスケッチが出回っており、CR-Zに次期型、あるいはコンセプトを受け継いだ後継モデルが望まれているのは確かです。

問題はその「コンセプト」が何かでしょう。

名車CR-Xのコンセプトを受け継ぐコンパクトなホットモデルという意味でのCR-Zなのか。あるいは、環境と走りを両立させたコンパクトなハイブリッドスポーツという意味でのCR-Zなのか。

オールドファンにとっては前者のようなクルマを希望するところでしょうが、後者のせっかく築き上げたコンセプトを捨てるのも惜しいところです。

ホットモデルならシビックタイプR同様、高価格化は避けられない

今のところ、シビックとプラットフォームを共用し、FK2型シビックタイプRと同じi-VTECターボ搭載という噂が有力です。

ただし、プラットフォームは2018年までの日本導入が決まっている北米版新型シビックの新グローバルスモールプラットフォームが使われるでしょう。

このプラットフォームは既に現行フィットやヴェゼルにも使われており、次期CR-Zに使われてもおかしくありませんが、FD2型シビックタイプRの後継として、新型シビックの日本導入時には4ドアセダンにタイプRが設定されるという話もあります。

この次期シビックセダンタイプRがある限り、CR-Zに同じエンジンを積む必要性は感じられません。

何よりFK2型シビックタイプRは日本での新車価格が428万円、中古市場ではプレミアがついて500万円オーバーの未使用車が販売されている状態です。

310馬力の2リッターi-VTECターボはそれなりに魅力ですが、CR-Zとはそのような高価なクルマであるべきでしょうか?

本命はハイブリッド?1リッターi-VTECも忘れずに

ここまで考えると、次期CR-Zはi-DCDを使ったハイブリッドスポーツと考えるのが自然です。

その場合のベースエンジンはステップワゴンやジェイドRSに採用されているL15B型1.5リッターi-VETCターボを望む声もあるようですが、車格を考えればNAで十分でしょう。ヴェゼルハイブリッドに搭載されているのLEB型1.5リッター直噴i-VTEC+i-DCDなら、システム出力は152馬力と現行CR-Zより30馬力もアップします。

また、次期フリードに採用が噂される新型の1リッター3気筒i-VTECターボも、クルマの性格を考えればCR-Zにこそふさわしいエンジンではないでしょうか?次期CR-Zは1.5リッターハイブリッドと、1リッターターボの2本立てだったりすると、価格もそれほど上がらずに済みます。

高性能でも高価すぎて限られた人しか買えないスポーツカーはNSXやシビックタイプRで間に合っていますから、次期CR-Zは手が届くスポーツカーとしてデビューしてほしいものですね。


情報提供元: CarMe[カーミー]