【プロ解説】マツダ3ファストバックを歴史とともに徹底解説!!

更新日:2021/03/17

2019年5月に、マツダ3セダンと共にマツダの新世代商品第1弾として登場したマツダ3ファストバック。細かな年次改良を行うメーカーだけにその進化はとどまることがありません。

文・写真/萩原 文博

クルマを手足のように動かすために

ファミリアをルーツとし、Cセグメントに属するマツダ3ファストバックは、2019年5月にマツダの新世代商品第1弾として登場しました。これを機に、従来国内向けモデルはアクセラスポーツという名前で販売されていましたが、グローバルモデルと同じマツダ3に統一されました。

新世代商品となるマツダ3ファストバックのポイントですが、まず、走行性能については、理想の運転姿勢を「人間が歩いている時の姿勢」と定義し、人間の持つバランス能力を最大限に引き出すことを追求した新世代車両構造技術「スカイアクティブビークルアーキテクチャ」そして新世代車両運動制御技術「スカイアクティブビークル ダイナミクス」を搭載したことです。

スカイアクティブアーキテクチャは人間の理想の運転姿勢を「歩行状態」と定義して、人の座るシートからボディ、シャシー、タイヤまでを有機的に連携させることで、着座時に少ない筋負担で乗員の頭部の動きが安定させます。これにより、長距離移動でも疲れにくく、意図したとおりにクルマを動かせるような走りを実現させた技術です。

こだわり抜いたドライビングポジション

また、マツダがこだわる、適切なドライビングポジションをとることのできるコクピット設計も進化。多様な体格をカバーできるよう各調節機構の調整幅を拡大するとともに、大腿部を保持するためのチルト調節機構を新たに搭載。従来から採用しているオルガン式アクセルペダルも、より操作しやすく疲れにくい構造を新たに開発しています。

一方、新世代車両運動制御技術のスカイアクティブビークル ダイナミクスでは、すでに搭載されている「G-ベクタリングコントロール プラス」にブレーキによる車両姿勢安定化制御(直接ヨーモーメント制御)を追加することで、旋回中のドライバーのハンドル戻し操作に応じて外輪をわずかに制動し、車両を直進状態へ戻すための復元モーメントを与えることで、安定性を向上。素早いハンドル操作に対する車両の追従性、挙動の収束性を大幅に改善しています。

さらに深化した魂動デザイン

デザインについては、「Car as Art(アートとしてのクルマ)」というマツダデザインの哲学を追求し、世界で高い評価を受けている「魂動デザイン」をさらに深化させています。日本の美意識に基づく「引き算の美学」でクルマのフォルムから不要な要素を削ぎ落し、滑らかなボディの面を走る繊細な光の移ろいによって豊かな生命感を表現、独自の造形を創出しました。

またインテリアでも「引き算の美学」に基づいて、水平基調と要素を削ぎ落したシンプルな造形により、美しさ、上質感と運転に集中できる心地よい空間という機能性を融合。コックピットにある操作機器、情報などすべての要素をドライバー中心に左右対称に配置し、同時にそれらがドライバーに正対する造形とすることで、人とクルマの一体感を生み出しました。さらに、本物の革が持つ豊かな表情とぬくもり感を表現するため、内装シボを新開発。マツダのデザイナーと日本の革職人が共同で取り組み、画一的なパターンで冷たい印象の従来シボとは異なる、部位によりさまざまなパターンをもつ、本物ならではの不均一さを再現し、内装にも生命感と個性を創出しています。

パワートレインは4種類

マツダ3ファストバックに搭載されているパワートレインは4種類で、1.5L&2L直列4気筒直噴ガソリンエンジン、1.8L直列直噴クリーンディーゼルターボエンジン。そしてマツダ独自の燃焼方式「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」を実用化した世界初の内燃機関であるスカイアクティブXと呼ばれる2L直列4気筒ガソリンエンジンとなります。

スカイアクティブXはガソリンエンジンならではの伸びの良さに、ディーゼルエンジンの優れた燃費・トルク・応答性といった特長を融合。さらに、マイルドハイブリッドシステム「(M Hybridエムハイブリッド)」を組み合わせ、効率的なモーターアシストによって、燃費性能のさらなる向上させています。組み合わされるトランスミッションは6速ATを中心に一部のエンジンには6速MTを設定。駆動方式は2WDと4WDを用意しています。

運転環境から安全を考える

安全装備では、危険な状態に陥ってから対処するのではなく、危険自体を回避する「マツダ・プロアクティブ・セーフティ」の考え方に基づく運転環境づくりをさらに推進。先進安全技術「i-ACTIVESENSE」で使用しているセンサーやレーダー、カメラからの情報を連携させることで、各技術間の協調制御の精度や性能を向上させています。さらに、車内センターディスプレイ脇に設置した赤外線カメラによる「ドライバー・モニタリング」を新設定。ドライバーの表情の変化、視線の動きなどから居眠りやわき見などの状態を検知すると、危険をドライバーにいち早く伝えて衝突回避・被害軽減の効果を高めています。

コネクトシステムも充実

進化したマツダコネクトは、センターディスプレイを8.8インチ(ワイド)に拡大し情報量を増やすとともに、ドライバーの視線に対する配置を適正化し、刻々と変わる走行状況を瞬時に判別できる視認性も両立。またナビゲーション検索にフリーワード検索機能を追加、コマンダーの上面をタッチパッド化することで、さらに直感的な操作を実現しました。さらに、マツダ3には新たに車載通信機を搭載。今後サービスの提供を開始するコネクティッドサービスと今後配信予定のスマートフォンアプリ「マイ・マツダ」との連携による利便性の向上や緊急通報サービスの提供などにより、時間さまざまな場面でお客さまのカーライフをサポートし、と過ごす毎日をより快適、安全に、そして楽しくしてくれます。

細やかな改良

2019年12月に新世代ガソリンエンジン「スカイアクティブX」を搭載するマツダ3を販売開始しました。マツダ3ファストバックはXバーガンディセレクションをはじめ4グレードを設定し、それぞれトランスミッションは6速MT、6速AT。駆動方式は2WDと4WDを用意するという充実したラインアップとなっています。最高出力180ps、最大トルク224Nmを発生するスカイアクティブXの特長は、ガソリンの「圧縮着火」による燃焼でリーンバーン(希薄燃焼)を可能とし、少ない燃料で高効率な燃焼を実現していること。高応答エンジンの力を遅れなく伝える高剛性駆動力伝達システムの採用していることが挙げられます。

2020年2月には2L直列4気筒直噴ガソリンエンジンを搭載する20Sに4WD車を設定し、マツダ3ファストバックは4種類のエンジン全てで2WDと4WDを選ぶことが可能となりました。進化した四輪駆動システム「i-ACTIV AWD」は、さまざまな運転シーンで安心して人馬一体の走りを楽しむことができる先進の4WDシステム。タイヤの動きやGセンサー等の情報から車両の走行状態をリアルタイムに検知し、路面状況やタイヤの荷重状態の変化を素早く予測。状況に応じて前後輪へのトルク配分を自動的に最適化します。これにより雨や雪などの滑りやすい路面ではもちろん、ドライ路面においても輪のタイヤの力を効率的に引き出せるように適切にトルクを配分し、スムーズで安定した走りを実現しています。

そして2020年11月にマツダ3は走行性能と安全性の向上による走る歓びの進化を目指して、初の商品改良を行いました。走行性能では、従来はスカイアクティブXと呼ばれていた新生代ガソリンエンジンの名称をe-スカイアクティブXと改め、エンジンとトランスミッションを制御するソフトウェアをアップデートすることで最高出力を10ps、最大トルクは16Nmアップしています。さらに、アクセル操作に応答性とコントロール性をより高め、上質でしなやかな走りを実現しています。

また、1.8Lクリーンディーゼルエンジンも最高出力を14psアップさせると同時に幅広いシーンでトルクたっぷりの走りを強化しています。また安全性については、クルージング&トラフィック・サポート(CTS)作動上限速度を高速域まで拡大することで、高速道路での疲労や運転ストレスのさらなる低減を実現しました。また2L直列4気筒直噴ガソリンエンジンを搭載した20Sグレードに6速MTを追加しています。これにより、ガソリンエンジン搭載車はすべて6速MTが選べるようになりました。

新世代商品の第1弾としてマツダ3ファストバックが2020年5月に登場して、1年半。早くも注目度の高いスカイアクティブXのアップデートを行いました。その間2Lガソリン車に6 速MT、4WDの追加とラインアップの拡充も行っています。こうしたアップデートによって商品力に磨きを掛けるのがマツダの最も得意とするところであり特長と言えます。

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情報提供元: CarMe[カーミー]