アメ車はなぜ日本で人気を失ったのか?

更新日:2017/02/22

ドイツ車を中心とする輸入車販売が日本市場でも大変好調です。しかし、アメリカ車となると惨憺たるものです。2016年は、フォード撤退といった衝撃的で寂しいニュースもありましたね。日本市場でアメリカ車はなぜ人気がないのでしょうか?

2016年に日本で売れたアメリカ車は13,541台

日本自動車輸入組合の調べによると、2016年1〜12月に販売された主なアメリカ車の台数は13,541台です。(並行輸入含む)

ジープ 9,392台
フォード 2,225台
キャデラック 635台
シボレー 593台
ダッジ 340台
クライスラー 283台
GMC 51台
ハマー 12台
ビュイック 10台 

これに対して、ドイツ車はどれくらい売れたかというと…

メルセデス・ベンツ 67,386台
BMW 50,571台
VW 47,234台
アウディ 28,502台
ポルシェ 6,887台
スマート 4,508台
BMW アルピナ 342台
 
合計 205,430台!!なんと15倍強の台数です。同じ輸入車なのに、この違いは何なのでしょうか?

ちなみに日本で一番売れているアメリカ車はジープ。こちらは2015年が7,132台でしたので、前年比131.7%となかなか好調です。

アメリカ車が不人気の理由とは

トランプ大統領が日本に「もっとアメリカ車を輸入しろ!」と、息巻いていますが、なぜアメリカ車が支持されないのか?日本で人気がないのか?をまったくわかっていませんね。

一般的に考えられている、日本でアメリカ車が売れない理由は以下のようなことが挙げられるかと思います。

1、サイズが日本の道路に合っていない
2、ディーラーが少なく、メンテナンスが心配(アメリカ車は壊れやすいという先入観もあり)
3、アメリカ車は燃費が悪い
4、値段が高い
5、左ハンドル車しかなさそう
6、なんとなく悪るそうなイメージ
7、日本車が優秀すぎて、アメリカ車を買う理由がない 

過去、上記の不人気理由の1〜3に対応したというアメリカ車が、日本で販売されたことがありました。覚えている人も多いと思いますが、クライスラー ネオンという車です。

コンパクトなボディに、価格も初代は130万円~と日本のコンパクトカーと変わらないもので、2代目には右ハンドル車も設定されました。

しかし…ほとんど売れませんでした。あまりにもチープな作りでしたし、スタイル、走行性能、収納、使い勝手、運転のしやすさなど日本のコンパクトカーと比べて勝っている点が一つもなかったのです。

価格さえ安ければ売れる、右ハンドルがあれば売れる、サイズが小さければ売れる…というものでもないようです。

日本で人気があったアメリカ車から学べること

ジープ チェロキー、クライスラー PT クルーザー、ジープ レネゲード&ラングラー(現行)などは、日本で人気のあるアメリカ車です。

これらの車種に共通しているのは、どんなことでしょうか?それは”キャラクターがはっきりしている”ということです。特にジープは”タフでワイルド、豪快なアメリカ車”といったイメージが定着していますね。

1990年代前半に日本でも爆発的人気を誇ったジープ チェロキー(2代目)に関しては、以下のような要素が、販売台数増加を大きく後押ししました。

・戦後のアメリカ車として初めて右ハンドルを導入
・全国のホンダディーラーで販売&メンテナンスを行っていた
・モデル途中から価格が300万円を切った

日本仕様への対応が遅かったアメリカ車

日本でドイツ車が圧倒的人気を誇る人気の理由の一つに、早い時期から右ハンドル車を用意してきたということがあります。

フォルクスワーゲンは1950年代から右ハンドルの設定がありましたし、ポルシェも1991年には全車種に右ハンドル車の設定を完了しています。

これに対してアメリカ車は、ジープ チェロキーが戦後初の右ハンドルを導入したのが90年前半。それ以降もビッグスリーは、右ハンドル導入にあまり積極的ではありませんでした。

日本ではおなじみのドアミラーの格納についても同様です。欧州のメーカーは日本市場独特のドアミラーの格納に早くから対応しましたが、ビッグスリーは、「なぜ、日本ではドアミラーをたたむ必要があるのか?」と、理解がなかなか進まなかったといわれます。

さらに、ブランド力の差や、道路事情による車作りの方向性の違いが、アメリカ車が欧州車に大きく水を空けられてしまった理由ではないでしょうか。

日本でアメリカ車が人気を高めるためには、まずは”アメリカ車らしさ”を感じられることが大事なのかもしれませんね。