なぜ市販車は、法定速度以上のスピードが出せるのか?

更新日:2017/02/26

皆さんもご存じのとおり、一般道路・高速道路には、法令で定められた最高速度があります。しかしメーカーが販売する車両は、それを超える速度で走ることが可能です。法定速度を守らせたいのであれば、それ以上の速度が出ないようにしてしまえば良いはず。なぜそうではないのでしょう?

日本国内の道路の法定速度

日本国内の道路で、出していい最高速度を「法定速度」と呼びます。

特に標識など指定がない限り、自動車の法定速度は一般道路で60km/h(緊急車両は80km/h)、高速道路では、100km/h(大型自動車は80km/h)と道路交通法施行令で定めています。

一般道は40~60km、高速道路では80~100kmとなっているのが一般的でしょう。

では、実際に市販される車が出せる速度はどれくらいでしょうか?

市販車が実際に出せる速度

皆さんご存知のとおり、法定速度以上の速度をほとんどの車が出せるようになっています。

法定速度というものが決まっていて、それ以上の速度を出してはいけないというのなら、最初からそれ以上の速度が出せないようになっていればいいはずなのですが、市販車が出せる速度は、ほぼスピードリミッター(速度抑制装置)が働くまでになっています。

国産の乗用車であれば、スピードリミッターによる規制速度はだいたい180km/h、軽自動車であれば140km/hに設定されたものが多いようです。

この機能により車両が設定された速度に達すると、電気的な制御によって燃料供給や点火をコントロールして、エンジン出力が抑制されます。これを受けて、スピードメーターの目盛りもスピードリミッターの働く速度までとなっています。

ただし、欧米では日本より法定速度が高いことから、スピードリミッターの設定速度も210km/h-250km/hと高くなっていますし、ポルシェなどはリミッターを装備していません。メーターもフルスケールで240~300km/hとなっています。

この他、日産GT-Rのように、GPSの位置情報によりサーキットなどのクローズドコース内にいると認識された場合には、サーキットモードを選択することでリミッター解除ができるような車もあります。

ということで、実際には車ごとの動力性能によって多少変わってはきますが、市販の普通車では160~180km/h、軽自動車でも120~140km/hくらいは出せてしまうのです。

国産メーカー各社の考え方はどうなっている?

各メーカーでは、緊急時の危険回避の可能性などを踏まえ、法定速度以上の性能を商品に与えているようですが、スピードリミッターを使えば、余裕のある性能を120〜140km/hでカットしてしまうことは可能なはずです。

では、メーカーがスピードリミッターの設定速度を下げない理由は何なのでしょうか?考えられるのは以下のようなものです。

・将来、高速道路の法定速度が引き上げになる可能性を考慮。
・高性能であるほうが、商品力が高まる。
・日本独自の規制を設けることで、海外から非関税障壁等の非難をされる可能性。
・一般道以外(モータースポーツ)の使用における必要性。(個人的には、これがもっとも重要です)

実際には、危険回避や余力よりも、こういった事柄が180km/hリミッターに影響していそうですね。