全国で車検ミス、軽自動車64万台が再検査対象に。そもそも車検って、どういう検査なの?

更新日:2017/03/09

2017年3月2日、軽自動車検査協会福井事務所(福井市浅水町)の車検に使う機器に、検査基準値の設定ミスがあり、同協会が福井県内5万4千台超を対象に無料の再検査を呼び掛けていたことがわかりました。全国では64万台にも及んだというこの設定ミス。あらためて、車検ではどのような検査が行われているのか触れてみましょう。

ブレーキ検査機器の設定ミスが問題に…

出典:www.flickr/rlgnzlz

今回問題になったのは、車検の際の「ブレーキ検査」の機器だったそうです。この設定ミスは全国16事務所、21箇所に及んだために64万台が再検査対象になっていたとも報じられています。

軽自動車協会は”検査に対する信頼を著しく低下させるもので、重大なことと受け止めている”と声明を発表しています。

クルマのパーツのなかでも特に重要な制動装置=ブレーキ。どんな動力性能を持っていたとしても、安全に止まれるからこそ、その能力を発揮できるというものです。

またドライバーのみならず交通社会での安全性を担保するのも車検制度の意義。このような事態が二度と起きないよう対処してもらいたいところですね。

では、そもそも車検とはどのような検査がされているのでしょうか。見てみましょう。

車検のブレーキ検査、また他の検査はどのように行うの?

2017年3月現在、ユーザー車検なども盛んになっており、ご自身で検査場に愛車を持ち込んで車検に挑んでいる方が多くいます。

車検の流れを簡単に記すと、以下の通り。

・同一性の確認・外観検査
・サイドスリップ検査
・メーター精度検査
・ヘッドライトの照度と光軸検査
・前後ブレーキ検査
・パーキングブレーキ検査
・排ガス検査
・下廻り検査

まず同一性の確認、というのはその文字通り、車検証に記されている個体かどうかチェックする作業。車検証と車体の番号を確認します。

外観検査は、ホイールナットがきちんと締められているか、外装類が固定されているか、また灯火類、ホーン、ワイパー(ウォッシャー)などが機能するかといった検査になります。

サイドスリップ検査は、直進性を検査します。白線の引かれたゾーンを低速で、ハンドルを切らずに真っ直ぐ走れればOK。

次のメーター検査からは、テスター上での検査になります。ローラー状のマルチテスターの上に車両を乗せ、スピードメーターの誤差が許容範囲かチェック。

その後ヘッドライトの検査を行います。これはヘッドライトの光軸と照度が基準に合っているかという検査です。

そして次が、今回問題となったブレーキ検査となります。

ギアをニュートラルに入れ待機。テスターのローラーが回転し、走行時に近い状態を作ります。ここで電光掲示板に「ブレーキを踏む」という指示が出た際にフルブレーキングを行います。適正な制動力が出ていれば合格です。

制動能力のチェックなので、ここは全力でブレーキを踏まないとNGとなってしまいます。ブレーキ検査の後は同様にパーキングブレーキ検査で、後輪がしっかりロックされるかをテスターで計測。

今回問題となったのは、このマルチテスターのブレーキ検査の設定でしょう。この数値が規定よりも低く設定されていれば、効きが甘い車両でもブレーキ検査に通ってしまいかねない、というわけです。

次はマルチテスターから移動して、排ガス検査となります。排ガステスターから出ているプローブという細い管をマフラー内にしっかり挿入して数値を計測します。

最後は下回り検査。リフトか、下にもぐれる検査場で検査員が目視検査となります。オイル漏れや、ゴム製パッキンなどの劣化、ドライブシャフトブーツの破れなどがあると落ちてしまうので、事前にしっかり整備が必要です。

また、2017年2月より「警告灯のつきっぱなしの車両」は車検を受けられないように法改正がなされているため、少し古いクルマで警告灯つきっぱなし…という方はしっかり整備してくださいね。

車検制度のメリット

正直煩わしいし、お金や時間もかかることから車検に対してポジティブなイメージを持てない方も多いかもしれません。しかし、この厳しい車検制度があるからこそ、日本の円滑な交通社会が成立しているともいえます。

加えていえば、こうした厳しい車検制度があるため、海外では日本で使用されていた車は「USED IN JAPAN」として、その程度の良さから人気があるとされています。なにより、安全性を担保される結果になっているのは間違いありません。

現在各メーカーが安全装備の進化を進めていますが、そうした装備以前に、キッチリと整備された車両であることが安全性の大原則となるわけです。

車検はクルマ好きにとって関門ではありますが、安全にカーライフを楽しむためには必須の儀式。検査する側もされる側も、衿を正して安全な交通社会の一員となりたいですね。


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情報提供元: CarMe[カーミー]