タコメーターすらない車が普通なのに、追加でメーターを付ける意味ってあるの?

更新日:2017/03/11

装着されていればスポーティといわれるタコメーター。以前ならスポーツモデルだけではなく、高級車にも装備されていましたが、最近は純正でも装備されない車が増えました。しかし、追加で付けている車をたまに見かけます。そこまでしてエンジン回転数を見る必要はあるのでしょうか?

タコメーター以外にも、昔はいっぱいあったメーター類

スピードメーター(速度計)の隣でドライバーにエンジン回転数を伝えるタコメーター(回転計)。 以前はそれだけではなく、油温、油圧、電流、電圧、燃料、ターボ車の場合はブーストなど、数多くのメーターがドライバーの前に並んでいました。

特に各メーカーでライバル車との販売合戦を繰り広げているような状況、さらにデラックス路線でユーザーが見た目でわかる差別化を求めるようになると、メーターひとつの有無、それもちゃんとしたメーターに見えるかどうかまでこだわるようになります。

それが今では、スピードメーターはさすがについていますが、その他のメーターはほとんど姿を消し、燃料計さえ残量が少なくなると点灯する警告灯しか無い場合も。

省かれたメーターに代わって登場したのが、燃費計やシフトインジケーター(オートマ車でのギア選択表示)、あるいはエコドライブアシスタントなどです。燃費計が一番気になるというユーザーの声がありました。

現在の車では不安を呼ぶかもしれない?

スポーツモデルや上級グレード、高級車には当たり前のようについていたタコメーターが物議をかもしたのは、1990年代中盤のことです。

「なんでこの車は加速していくのにタコメーターが下がっていくの?」
「アクセルを踏んでいるのに回転数が下がっていく。気持ち悪い!」

という声が、相次いで起こりました。原因は、その当時から普及し始めたCVT(無段変速機)です。

従来から存在し、今でもあるAT(自動変速機)であれば、基本的には車が加速状態であればギアをキープして、加速が終わって巡航に移ればギアチェンジをします。その時のタコメーターの動きは、加速すれば回転数が上がり、ひとつ上のギアになれば回転数が下がるという、MT(手動変速機)と基本的に変わりません。

しかし、CVTはその性格上、手動モードを設定しない限り「段」(1速や2速など)が存在せず、ギアは常にシームレスで変化していきます。

おまけに、その速度やアクセルの踏み具合に応じて、もっとも最適となるギア比を選択するようプログラムされているため、場合によっては”エンジン回転数を下げても、滑らかに効率よく加速して燃費もいい”ということが起きました。

もともとタコメーターが付いていなければ、そんなことは気にならないのですが、タコメーターによって回転数がリアルにわかるばかりに、ドライバーに違和感を与えてしまいます。

「半自動運転」では必要性が薄い?

その後、走りを重視するモデルでは、ドライバーに違和感を与えないようエンジン回転をキープする設定が多くなる一方、燃費重視または廉価モデルではタコメーターが消滅していきました。

実際問題として、以前から安い車にはタコメーターなど付いておらず、それでも普通に走っていましたし、なにかエンジンの回転で判断したければ、低い、高い程度なら音でも見当はつきます。

そもそも、現在の車はエンジンの操作はコンピューターが行っているものがほとんどで、ドライバーは単にコンピューターに意思を伝えるためにアクセルを操作しているに過ぎません。

いわば簡単な半自動運転ですね。つまり、アクセル操作は”車をどう走らせたいのか”を車に伝えるための動作であって、それを受けたコンピューターがドライバーの意志に応えるようエンジンを制御しているので、アクセル操作とエンジンの回転数には、直接関係が無くなりました。

要は、ドライバーが加速したいと思ってアクセルを踏み込んだら加速すればいいのであって、それと無関係に上下するタコメーターはドライバーに不要な情報を与えるだけといえます。

現在は燃費やカーナビなど他にチェックするものもありますし、不要な情報を表示するくらいなら最初から無い方がいいのかもしれません。

ただ、昔からタコメーターがあった方が高級、あるいは自分で車の調子が見られるということもあり、タコメーターが標準でなくともオプションで用意されている車種は結構あるのです。

それでも必要な時もあるタコメーター

現在でも、タコメーターが必要な車種があります。 それはもちろんスポーツモデルで、特にMTやセミAT(クラッチは無いのですが、機械的には手動変速車)の場合は、商品性を高めるため、そして速さを追求するためにも重要です。

厳密に言えば、これもコンピューターがエンジンを操作していますが、こうした車で速く走るためにはエンジンがその能力をもっとも発揮する回転数をドライバー自身が判断してそこに合わせる必要があるため、タコメーターは不可欠な計器となります。

また、何かトラブルの際には、その元凶がエンジンであるのか、またはそれ以外にあるのかが、ざっくりながらわかります。 そうした情報は、コンピューターの診断によってドライバーに警告を出せば良いのですが、タコメーターの回転数とその動きのほうが、ドライバーが素早く直感的に事態を察せます。

そうしたことまで考える必要がある車種、あるいは用途の場合は、今でもタコメーターがあった方がいいですね。