よく聞く、車高調の機能の減衰力調整って何?

更新日:2017/03/22

車高調(車高調整式サスペンション)のなかに、減衰力調整機構を持ったものがありますが、そもそもこの「減衰力」とは何でしょう?変更する必要があるものなのでしょうか?

車高調に限らず調整可能なことも多い「減衰力」とは

車のアフターパーツとして、広く一般販売されているサスペンション(ダンパー&スプリング)パーツ。その多くに車高調整機能がついていることから、車高調と呼ばれることもあります。

そんなサスペンションパーツを眺めていると、しばしば「減衰力調整機構付き」や「◯◯段階の減衰力調整可能」という文字を目にすることがあるかと思います。

この減衰力とは、サスペンションの根幹をなすショックアブソーバー(伸縮する本体の部分)が伸び縮みする速度を抑える力です。減衰力が弱ければ、伸び縮みの際にスコスコと抵抗も少なく動きますし、減衰力が強ければ、伸び縮みに抵抗が発生してジワジワと動きます。

これは、車高の調整とはまったく異なる仕組みなので、車高調整機能の無いショックアブソーバーでも、減衰力調整機構がついていることがあります。

減衰力調整を行うことで、何が変わる?

この減衰力を調整することには、どんな意味があるのでしょうか?

一般論になりますが、ハイパワーを路面に伝えたり、あるいはカーブを曲がる時などに、路面へ向かって押し付けられるような力が車体に働く自動車では、ショックブソーバーの減衰力が強い方が、よりスポーティに走れると言われます。

減衰力が弱い場合だと、車体を路面に押し付ける力でショックアブソーバーが完全に縮み切ると、それ以上はスプリングが効かない状態、つまり衝撃も力も何も吸収しない状態になってしまいます。 

それを避けるため、普段からの乗り心地は固くなるものの、高い減衰力でジワジワとショックアブソーバーが縮むような動きをすれば、その分だけタイヤやボディの負担が減り、高速走行時の乗り心地は向上します。

しかし、そこまで激しい走りをしないのであれば、普段の乗り心地を重視した方が良いので、減衰力が弱い方が良いでしょう。 そのため、普段は減衰力が弱い状態で走り、本気でスポーツ走行を行う時には減衰力を上げたりといった調整を行います。

ほかにも天候その他の理由で路面温度が低かったり濡れていたりで、サスペンションがあまり硬いとタイヤが滑ってしまう場合や、逆に路面温度が高く、タイヤが普段より路面に食いつく(摩擦力が高い)状態など、状況に応じた変更を行うわけです。

伸び側、縮み側で異なる減衰力

この減衰力調整にも2種類あり、伸びも縮みも一緒くたに調整してしまうものと、別々に調整するものがあります。

ショックアブソーバー内部の構造によってどちらかが選択され、単筒式という構造は単純ながら、それゆえ容量の大きい方式では伸び縮み一緒に、複筒式という複雑な構造を持つものは別々に調整可能なことが多いです。

伸び側と縮み側を別々に調整する意味としては、舗装路を走る車の場合はカーブを曲がる時に縮み側 (外側の車輪) 減衰力を下げて積極的にロール(傾ける)させる一方、伸び側(内側の車輪)減衰力を上げて、ショックが伸び切らないようして踏ん張らせるなどの効果を狙う場合などがあります。

これが悪路を走る車ですとその逆で、縮み側減衰力を上げて激しい悪路でもショックが縮みきらないようにする一方、伸び側減衰力を上げて凹凸の激しい路面に対する追従力を上げ、車体をなるべく水平に保たせるのです。

そうした効果が狙えるのであれば、すべて別々に調整できた方が良いのではないかと思うかもしれませんが、複筒式は十分な性能を持つものなら高価(1台分で100万円以上する場合もある)なため、用途によっては安価かつ容量も大きい単筒式で十分とも言えます。

車高調でも減衰力調整が無いものもある

車高調だからすべて減衰力調整式かと言えば、そうでもありません。 ビルシュタイン系の車高調などで、元から減衰力調整機能を持たないものもあります。

減衰力調整機能付きのサスペンションを使ったことがある人なら覚えがあると思いますが、実際にはそうそう減衰力のセッティングは行いません。

場合によってはタイヤの空気圧で細かいセッティングを済ませてしまう場合もありますし、車高と同様、ある程度セッティングが煮詰まると、そこから必要以上に変更しても迷うだけで大きな効果は見込めないからです。

あくまで「自分にとっての好みで微調整するための機能」と割り切って、無ければ無いなりにスプリングやタイヤで調整してしまうのもひとつの手ですね。

情報提供元: CarMe[カーミー]
ファブリカ