高級車に多いボンネットマスコット…なぜ最近減っているのか?

更新日:2017/07/26

最近、めっきり見かけなくなったパーツのひとつにボンネットマスコットがあります。かつては、高級メーカーの作るサルーンには、必ずといって良いほど光輝いていたボンネットマスコットは、どこに消えたのでしょうか。

ボンネットマスコットとは?

ボンネットマスコットは、ボンネットの中央先端に取り付けられているマスコットのことです。有名どころでいえば、メルセデス・ベンツのスリーポインテッドスターや、ジャガー、ロールスロイスなどです。

これらは、一目見てブランドがわかるのと同時に、ブランドが持つ威厳や格式を表すいわば「ブランドの象徴」というべき存在でした。

メーカーによっては、一部モデルにしか採用されなかったケースもありますが、バブル期にはもともと装着されていないモデルにも、あえてマスコットを装着するドレスアップが多く見られました。

ボンネットマスコットの現在

欧州車では、いまだに採用されているモデルも見受けられますが、以前に比べるとその数は少なくなりました。

理由は、安全性です。ボンネットマスコットは、ボンネット上の突起物ですから、たとえば歩行者がボンネット上に乗りあげてしまうような事故が起こった場合、凶器となる可能性があるのです。こうした事情から、メーカーが採用を取りやめるケースが増えています。

また、ボンネットマスコットがあることによって、押し出しが強くなってしまい、結果としてユーザーが敬遠するケースも…。そのため、意図的にボンネットマスコットを使用しないモデルも増えているようです。

特にメルセデス・ベンツの場合、以前ならほとんどの車種に採用されていたマスコットが、近年は一部車種のみとなっています。

ちなみに、ロールスロイスのマスコット(the Spirit of Ecstasy)は、盗ろうとするとボディ内部に逃げます。

日本におけるボンネットマスコット

日本でも以前は、日産 ローレルなどが採用していましたが、昨今は法律の関係もあり、取り入れている車種はありません。

高級車の歴史が浅い日本車では、海外メーカーと違って、ボンネットマスコットはあまり重視されていません。そのため、採用するメーカーやモデルはもともとそれほど多くありませんでした。

また近年は、高級車の性格が以前と比べ大きく異なってきています。ひとつは押し出しの強さや威厳ではなく、マイルドな高級感が求められていること。また、個性化もより一層進んでいることもあり、ボンネットマスコットの存在意義は薄れつつあるのです。

特に後者でいえばフロントグリルの個性化は良い例です。レクサスや日産のフーガやスカイラインなどのフロントグリルは、その典型例です。日本ではまだ馴染みの薄いインフィニティのバッジを付けたことで、従来の日産車とは別のイメージや高級感を演出することに成功しています。

いまや絶滅危惧種となったボンネットマスコット。しかし、古いメルセデスやジャガーのフロントノーズ先端で輝いているマスコットからは、威厳や歴史が感じられ、いまとなっては非常に新鮮に映りますね。