フィアット版ロードスター「124スパイダー」のアバルト仕様はどんな車なのか?

更新日:2016/03/10

2016年スイスジュネーブモーターショーでマツダのロードスターをベースにしたフィアット”124スパイダー”の待望のアバルト版が発表されました。今回はそんなホットな”アバルト版”の124スパイダーについて紹介します。

フィアット124スパイダーとは?

フィアット124スパイダーは、昨年末に発表をされたマツダロードスターの兄弟車。"フィアット124スパイダー"という名前は1966年に発表され、20年近くも作り続けられた同名のスポーツカーから受け継いだものです。

エクステリアもよく見ると目頭に切れ込んだ丸目のヘッドライト、六角形のフロントグリルなど、随所にピニンファリーナが手がけた過去の124スパイダーのデザインを踏襲していることが見て取れます。

ベースとなる車は前述の通りマツダのロードスターでシャーシは共通ですが、ボディに関してはフィアットの"100%イタリアンデザイン”。全長はフィアットの124ロードスターの方がマツダのロードスターよりも140mm長いことが特徴です。

その他のボディサイズは、ホイールベースもロードスターと共通。全幅が5mm、全高が2.5mm程、124ロードスターの方が大きいのですが、全幅と全高に関しては数ミリの違いなので、目につく違いはデザインと長さであると言えます。

搭載されるエンジンは、マツダロードスターの自然吸気エンジンではなく、フィアットグループのアバルトやアルファロメオなどで採用されている1.4Lの直列4気筒ターボエンジンを採用している点も違いの一つです。

  • 出典:www.flickr.com/photos/8058098@N07/

アバルト(Abarth)

アバルト(Abarth)はかつてイタリアに存在していた自動車メーカーの一つ。1949年にイタリアのトリノにて設立され、主にフィアットの小排気量車をベースにエンジンチューンや、レース車の製作を行ったメーカーです。

1971年にフィアットに買収され、1990年以降にはフィアット車のモデルに名を残すいわゆる社内ブランドの位置付けです。メルセデスベンツのAMGや、BMWのM社と同様の存在と考えて良いでしょう。

特徴的なサソリのエンブレムは、創業者のカルロ・アバルトの誕生月の星座であり、「スコルピオーネ」と呼ばれるもの。同社のチューニング車であることの特徴の一つです。

近年では、フィアット社のもとにアバルト&C.社(Abarth & C. S.p.A.)が再結成されており、2007年に発表されたフィアット500に”アバルト”の名を冠するモデルが設定されて話題を呼びました。

“アバルト"の124ロードスター

噂されていた”アバルト版”の124ロードスター。誇らしくサソリのエンブレムを付けられたこの車は果たして通常の新型の124スパイダーと何が違うのでしょうか。

エンジンは、124スパイダーと同一の1.4L直列4気筒ターボエンジンを採用。”アバルト”エンジンのチューニングにより最大トルクこそ25.4kgmと変わらないものの、最高出力は10馬力パワーアップの170psまで引き上げられております。1060kgの軽量な車体も合わさって、0-100km/h加速6.8秒、最高速度230km/hとホットな仕上がりになっております。

ブレンボ製のブレーキ、ビルシュタイン製のショック、レコルト・モンツァのマフラーに機械式のLSDも装備。組み合わされるトランスミッションは6速MTもしくはパドルシフト付きの6速のATミッションの設定。フィアット500の"アバルト"版と同様にATミッションも設定されているので女性でも”アバルト”を楽しめます。

外観に関しては専用のフロントバンパー、LEDヘッドライト、17インチ専用ホイールを装備。かつての”アバルト”を彷彿とさせるボンネットやトランクリッドがマットブラックになるキットも用意される等なかなかニクいです。

更に過激!アバルト124ラリーとは

競技車両ではありますが、今回アバルト版の124ロードスターと同時にジュネーブモーターショーで発表されたプロトタイプモデルである「アバルト124ラリー」は、更に過激なスペックを有しております。

FIA R-GTカテゴリーに合わせてアバルト・レーシングチームが開発したこの車は170PSの1.4L直列4気筒ターボエンジンに置き換わって1.8Lの「ビアルベロ」直噴4気筒ターボエンジンを搭載。最高出力は驚異の300ps/6500rpmという強力なもの。組み合わされる6速のシーケンシャルミッションなどまさにレーシングカーそのものです。

124ロードスターとは違いソフトトップは採用されず、コンポジット製のハードトップルーフに内装はロールバーで武装、OZ製の軽量ホイールに、サスペンションやシャーシは各部補強されラリー競技に耐えうるスペックとなっています。

124ラリーは市販されるのか?

そんな過激な124ラリーですが、販売に関してはジュネーブモーターショーでの展示終了後に2017年度のラリー参加者向けのみに販売されるようです。先にも挙げた通り競技車両の為、恐らく公道での走行は不可能でしょう。市販化されるかは不透明ですが、是非ともフィアット500の"アバルト"の更にスペシャル版、695トリビュートフェラーリの様な形で市販化されたら面白いかと思います。

気になる値段は?

さて、そんなアバルト版の124ロードスターですが、気になるのはそのお値段….欧州での発売は今年の9月を予定しており、販売価格は約4万ユーロと発表されているので、日本円に換算して約500万円。※2016年3月時点における数値

マツダのロードスターが一番上のRSグレードで約320万円〜となっているので、その価格差は180万円。ロードスターと価格を比較するのも無粋ですが、同じベースの車と考えたら少々高いように感じます。

しかし、アバルトが施した数々の専用部品が奢られている点や、“アバルト“である事を考えると結果的にトントンくらいではないのか?と筆者は思います。街で颯爽に走ってく姿を見る日が楽しみですね。