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シトロエンの頂点を見たり!!(シトロエンZXブレークを覗く)

シトロエンZXは、かつてシトロエンのCセグメントをになうクルマとして販売されていました。
伝統のハイドロニューマチック系サスペンションではなく、金属製のコイルスプリングをもつ
オーソドックスな成り立ちのコンパクトなハッチバックを中心とした車です。

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新車当時のメディアでの絶賛は今でも記憶に新しく、
一度乗ってみたかった車でした。
この週末、藤沢のガッティーナhttp://www.kurumaerabi.com/store/info/11371/
に遊びに行くと、お店の前に赤いZXのワゴン「ブレーク」が止まっているではありませんか!!
私の顔を見るなり代表の酒井さんは
「中込さん、これちょっと乗ってきたらどうですか?」
とうれしいお誘いをいただきましたので
当然お言葉に甘えることにして早速運転席に乗り込むことにしました。

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だいぶ秋めいてきて、日がくれるのも早くなりましたね。
鵠沼の住宅地の中を海の方へ海のほうへと走らせることに。
決して広くはない道に、このサイズは丁度いいですね。
ただ。外から見るとかなりスマートなボディのように見えるのですが
案外中はゆったりしているものです。
このあたりの仕上げは、このクルマの原案を造ったベルトーネの仕事に
ただただ感心させられます。
エンジンは1600ccそんなにパワフルではないのでしょうが、
当然のような顔をして低速トルクが十分に発揮されることと、
なかなかシフトアップしないローギヤードで
しかし、わりと回転数が上がったところでスムースに変速はするので
つい踏み込んでしまうセッティング、
「きびきび走る」というか「きびきび走ってしまう」という雰囲気の
色濃いセッティングはむしろそこそこ速めだと感じたほどでした。
経年変化は外観などに見落とすことはない程度に進んでいるものの
メーターを見ると25000キロを刻んでいない個体、
ここまで残ってきたということ自体が「示すアリバイ」
とでも言うべきか、都度都度の整備もされてきたのかもしれません。
外のアピアランスより、よほどしっかりとしたステアリングフィール、ブレーキの感触。
こういうところがコンディションがいいと、本当に街中でさえ運転が楽しいと思うものです。

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そんなひとしきり機関系の設計の味付けのよさと、
この個体の侮れないコンディションに感心したころには
とめどなく、いよいよこのクルマのシートのよさに
心酔している自分に気づくのでした。
肉厚で、もっちりした厚みのある感触は、
決してクラスを超えて「高級車のようだ」と表現するのとは違うと思うのですが
素朴ながら、しっかり煮含められた筑前煮かぶり大根でも食べているかのような
高級レストランのメニューよりも高いかどうかではなく
「とにかく無敵だ」という世界観を垣間見ることができるのです。
ヨーロッパの比較的ベーシックなクルマの醍醐味そのものでしょう。
快適そのもの、たちまち腰とお尻から根が降りそうなほどの快適さ。
「どこまでも走りたい」
この車も実にそう思わせてくれるものがあるのでした。
このクルマから降りることと走り続けることを選ぶなら
確実に「走り続けます」と即答するでしょう。
疲労感を感じにくいではなく、積極的に運転と向かい合えるシート。
小ざかしいギミックと数百キロの重量増と引き換えの仰々しい安全装備
煮お出ましいただかなくとも、立派な安全性能だというふうにも感じました。

そして、今たまたま自分でもシトロエンを所有し、比較的近い時期の
ハイドロニューマチックサスペンションのものに乗っているので、実に親近感を覚えたのですが
親近感を覚えるがあまり、うっかり「当然にハイドロ」のような感覚のまま運転していました。
しかし、このクルマ、冒頭でも言ったとおり「コイルスプリング」のクルマなのです。
ぽよんぽよんと大きなお船に乗ったようなピッチングこそないですが、
減衰の振る舞いは実にハイドロニューマチックサスペンションのようであり、そして、乗ってみてわかったのは
流体の動きで追従しきれない細かい段差はもろに振動で入力してくるハイドロニューマチックより
街中ではしっかりと金属ばねの弾性のほうが追従してくる分、
ハイドロ以上に角のないまろやかな乗り心地が味わえるのです!
しかも昔からある畑をよけるように、しかれた道のカーブでも
むしろ積極的にロールしてカーブを抜けていくような挙動も
むしろシトロエンの王道に通じると感じました。
仕組みが簡単でLHMのオイルレベルをチェックしなくてもこの乗り心地なら
こっちの方がいいのではないか。
みなが絶賛してくれるBX16TRS中期モデルの乗り心地と比べても
勝るとも劣らない金属サスのシトロエン。

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僕はこのクルマに、「シトロエンの頂点を見た」気がしました。
これ以降、一体何をしているのか。何がしたいのかわからないほど。
商品力というのは往々にして、きらびやかな機能的なもの以外の要素が重要であるから
難しいとも思うけれども、即刻すべての経営資源をこのクルマの再生産に
割いてもいいのではないか。自然とそう思うほどでした。

つい、街中でさえ、ダイナミックなグランドツーリングにでも出てきたかのような
「ダブルシェブロンに乗っている」という自覚は引き換えに
時が経つのを忘れさせまして、ついつい後戻りできないところまで
私を連れて行こうとするのでした。

もう少しで海、そんなところで向きを買え
酒井さんの待つガッティーナに引き返すことにしました。
状況が許すなら、是非所有し、普段の足にしてみたい。
そんなシトロエンZXでございました!!

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車検入庫のプジョー405ブレーク
これはピニンファリーナの仕事ですね。
この時代のフランス車、おしゃれすぎ!!

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