NSXはホンダの第2期F1参戦を機に「世界に通用するHondaの顔を持ちたい」との願いから開発された車でバブル景気絶頂期の1989年に発表されました。翌1990年から2005年までの15年間の長きにわたってフルモデルチェンジを行うことなく製造されて2006年まで販売がされていた車種です。価格は販売当初は1グレードのみの800万円で、当時の日本のメーカーの乗用車の中では最高額でした。その後、改良や装備の追加などにより徐々に値上がりし900万-1,300万円台となっていきました。販売した15年間は当時のスポーツカーの新車価格では日本車最高額を誇りました。このような特色と価格帯から日本車で唯一のスーパーカーとも評されてとても人気のある車種でした。
新車発売終了から既に5年以上が経過していますので中古車で低年式になるものしか入手ができないのは予測がつくと思いますが、残念ながら車齢10年以内の状態のものがほとんど流通しないというのが現実となっています。そしてこの在庫薄の状態も一因ではあると考えられますが、やはりこだわりの一台である車種ですから出てきても価格が下がるということがほとんどないとも言える車種です。中古車価格の平均は503万円というデータもありますが、前述の新車販売価格から考慮しても高く感じるのではないでしょうか。しかしこれは一部の低価格のものが平均を下げているだけで実際は1000万円前後であるのが現実となっています。夢のスーパーカーの価格はいつまでも同じであるようです。