同時期に設立された最古の自動車メーカーが合併して誕生した自動車メーカーで、日本では高級車のイメージが強いですが、乗用車のみならず、商用車/トラックバスまでも製造する総合自動車メーカーです。あまりにも有名なスローガン「最善か無か」を掲げた車造りで、かつてはその過剰品質で他を圧倒していました。最近では比較的常識的なコスト意識も出てきて、かつてのような「法外な」見るだけでわかる高コストな車造りはされなくなったようですが、それでも今なお、標準に比べれば十二分に丁寧な車造りであるといえるでしょう。海外でも昔から、高級車としてのみならずタクシーの車両として選定されることが多く、このところコスト意識が強まってきたことでタクシー需要の落ち込みを重く受け止め、近年再び、耐久性を意識するような車造りも見え隠れしています。
日本においては、高級車志向が顕著であり、上級グレードのフルオプション車をラインナップしていることもあり、他のマーケットに比べ価格が1.5倍程度になっている傾向があるといいます。これはインポーター、ディーラーの戦略による面も大きいといえます。しかしながら、看板車種Eクラスなど、ボトムレンジの価格が600万円オーバーと、平均年収を大きく上回る状況ながら日本では売れ筋の車種となっています。現在は300万円を切るAクラスから3000万円レベルのクルマまで幅広いラインナップを取り揃え、既存のユーザーニーズもさることながら新規で輸入車に乗ってみようという人への訴求も抜かりありません。最近ではニッチな車種でも選択肢が充実、Eクラスカブリオレでも複数のエンジンが選べたり、久しぶりにSLKでMT車をカタログモデルに採用したり、マニアにはそのスペック表の字面だけで喜んでしまいそうなGクラスに待望のクリーンディーゼルエンジン車を日本に導入したり。車選びの際、実際に手が届くかどうか、購入するかはともかく、目を通していただきたい。車を選ぶときって楽しいねと、メルセデスベンツのラインナップを見て感じていただきたいそんな顔ぶれといえるでしょう。