自動車保険の新車特約(車両新価特約)とはどんな特約?

新車を購入してすぐに事故に遭遇し、大きく損傷してしまったらとてもショックですよね。新車を購入してすぐに、車が損害を受けた場合、新車の購入額をサポートしてくれる新車特約という補償があるのをしっていますか?
この記事では、新車特約の詳細と、メリットデメリットについて解説しています。
- Chapter
- 新車特約(車両新価特約)とは?
- 新車特約のメリット・デメリット
- 新車特約は必要なのか?
- まとめ
新車特約(車両新価特約)とは?

新車特約(車両新価特約)とは、新しく買った車がすぐに事故などで損傷した場合、新車の再取得費用、または、修理費用を新車価格相当額(※1)を限度に支払う特約です。買い替え特約ともいわれます。
新車特約(車両新価特約)は、車が全損、または修理費用が新車価格相当額の50%以上となった場合に支払いの対象となります。
(※1)新車価格相当額とは?…該当する車と同一の用途車種・社名・型式・初度登録年月または初度検査年月の車を、新車で市場で購入するといくらかかるか?を表す一般的な価格のことです。
新車特約の事例
自動車の価値は年数を経るごとに減少していきます。新車を購入し500万円の車両保険を設定したとします。自動車の価値の減少にともない、車両保険の保険金額も下がっていきます。
仮に車両保険が1年目は500万円、2年目400万円、3年目320万円、4年目約260万円…と2割ずつ下がっていくとします。
2年目に事故があり、昨年購入した新車が全損となってしまった場合、まだ新車なので新しい車に買い替えたいと思うのではないでしょうか?
しかし、車両保険金額が2年目は400万円なので、400万円までしか本来は保険金は受け取れません。
このような時に新車特約で新車価格500万円を設定していれば、400万円ではなく、500万円を受け取ることができるようになります。
新車とされる期間
新車特約は新車のみに付保できる特約ですが、新車とみなされる期間は保険会社によってさまざまです。一例としては以下のような要件があります。
・保険開始日の月が契約車両の初度登録年月または初度検査年月の翌月から起算して25ヵ月以内の場合。
・保険開始日の月が契約車両の初度登録年月または初度検査年月の翌月から起算して11ヵ月以内の場合。
新車特約のメリット・デメリット

メリット
新車特約のメリットは、新車で大きな事故を起こしてもいざという時は同等の車を購入できるという安心感が持てるという点です。
新車に乗っている時は、特に事故を起こしたくない人が多いでしょう。また、万が一事故を起こしても車の時価が下がらないため、事故を起こしてもすぐに次の新車を購入できます。
デメリット
一方、新車特約のデメリットは、新車特約を使うと自動車保険の等級がダウンすることです。
また、修理費用が新車価格相当額の50%以上となった場合でも、車の主要構造部分(エンジンやフレーム)に損傷が生じていない場合は、支払いの対象になりません。(外装のみの損害の場合は支払いの対象になりません)
新車特約は必要なのか?

新車時1,000万円の車両保険が、毎年2割ずつ下がっていくと800万円、640万円、512万円と下がっていきます。
一方、新車時に300万円の車両保険の場合は、毎年2割下がっていくと240万円、約190万円、約150万円、120万円と下がっていきます。
このように、購入した車が高額で車両保険の設定額が大きいと、年数とともに下落幅も大きくなります。
車両保険の価格に限らず、加入していればありがたい特約ですが、車が高額で車両保険金額が高い時はメリットがより大きくなる特約です。
まとめ
- 新車特約は、新車を購入してすぐに事故を起こしてしまったような場合、新しく新車を購入しなおすための金額をサポートしてくれる特約です。
- 新車特約は車が全損または修理費用が新車価格相当額の50%以上となった場合に支払いの対象となります。
- 新車特約をつけると、新車で事故を起こしても新しく同等の自動車を買いなおせるという安心感が持てるメリットがあります。
- 新車特約のデメリットは、使うと3等級下がること。また、車の主要構造部に損害がなければ補償の対象にならないことが挙げられます。