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カクカクSUV対決。巷で人気のレクサス GXとランドローバー ディフェンダーを徹底比較

レクサス GX550 OVERTRAIL+

オンからオフまであらゆる道で上質な走りを実現する“ザ・プレミアム・オフローダー”として開発されたレクサス GX

プレミアムなオフローダーといえば、代表はメルセデス・ベンツGクラスですが、ここでは現在人気上昇中で新車の販売価格も近いランドローバー ディフェンダーをピックアップして徹底比較します。

Chapter
日英最新クロカン対決
ボディまわりはほぼ同じ。好みの分かれるエクステリアデザイン
最大トルク、燃費性能で優るディフェンダー
インテリアデザインは機能を優先
経済性を取るか、国内メーカーの信頼性を取るか、それが問題

日英最新クロカン対決

ランドローバー ディフェンダー 110 X-ダイナミックHSE

プレミアムオフローダーといえば、その代表はドイツのメルセデス・ベンツGクラスですが、販売価格は最廉価のG450dでも1844万円(※2025年7月現在)。

レクサス GXの、OVERTRAIL+(オーバートレイルプラス)の1195万円、Version L(バージョンエル)の1270万円と比べると、かなり高額。その差は500万円以上です。

そこで白羽の矢を立てたのが、2019年のデビュー以来、日本国内でジワジワと勢力を広げているランドローバー ディフェンダーです。

ディフェンダーは、ブランドのルーツにもなっているランドローバー シリーズⅠに端を発する由緒正しいヒストリーにくわえ、ショートホイールベースの“90”、ロングホイールベースの“110”、ロングホイールベースに後部を伸ばした“130”という3つのボディタイプに、さまざまなエンジンバリエーションを用意して人気を集めています。

価格も5ドアの“110”が855万円〜と、同ブランドのレンジローバーにくらべてリーズナブルです。といっても高額であることに変わりはありませんが…。

そんなディフェンダーのなかから、レクサス GX 550 OVERTRAIL+のライバルとしてピックアップしたのは、スライディングパノラミックルーフを標準装備するディフェンダー 110 X-ダイナミックHSE(車両本体価格1082万円)。撮影車はオプションのサードシートを追加した7人乗りで、車両本体価格は1164.4万円です。

ボディまわりはほぼ同じ。好みの分かれるエクステリアデザイン

ボディサイズは、レクサス GX 550 OVERTRAIL+が、全長4,970mm×全幅2,000mm×全高1,925mmに、ホイールベース2,850mm。

対してディフェンダー110 X-ダイナミックHSEは、全長4,945mm×全幅1,995mm×全高1,970mmで、ホイールベースは3,020mm。

レクサス GXのほうが若干おおきくなりますが、その差は数ミリから数センチで、存在感という点では変わりありません。ただし、ホイールベースはディフェンダー110のほうが170mmも長くなっています。

全長が同じでホイールベースが長くなれば、オフロードにおける走破性を図る目安となる“ランプブレークオーバーアングル”が小さく、反対に前後のアプローチ/ディーパーチャーアングルがおおきくなるということですが、ディフェンダー110は最低地上高を226~228mmとして(オプションのエアサスペンションに換装すると最大293mm)、ロングホイールベース化による欠点を補いながら、リアシートの居住性を高めています。

ちなみにレクサス GX 550 OVERTRAIL+の最低地上高は215mmで、こちらも十分なクリアランス確保しています。

取り回しの良さの指標となる最小回転半径は、レクサスGX 550 OVERTRAIL+が6m、ディフェンダー110 X-ダイナミックHSE D350は6.1mとボディサイズがほぼ同じこともあり、取り回しも互角です。

最大トルク、燃費性能で優るディフェンダー

搭載されるパワートレインは、レクサスGX550が最高出力260kW(353ps)と最大トルク650Nmをそれぞれ発生する、3.5L V型6気筒ガソリンツインターボ+10速AT

ディフェンダー110 X-ダイナミックHSEは、最高出力257kW(350ps)と最大トルク700Nmを発生する、マイルドハイブリッドシステム(MHEV)付き3.0L 直列6気筒ディーゼルターボ+8速AT

駆動方式は、ともにフルタイム4WD(ランドローバーはパーマネントAWD)を採用。

燃費性能(WLTCモード)は、レクサス GX 550 OVERTRAIL+が8.1km/L、ディフェンダー110 X-ダイナミックHSEは10.5km/L。ディーゼルエンジンを搭載するディフェンダーのほうが、数値でも経済性でもリードしています。

レクサス GX550 OVERTRAIL+

悪路走破性を支える特別なデバイスは、レクサスGX 550 OVERTRAIL+が、E-KDSSやマルチテレインセレクト、マルチテレインモニターを装備しています。

E-KDSSは、前後の電動式スタビライザーを路面状況や前後輪それぞれの状況に応じてきめ細かく制御する装備で、新開発のサスペションとの組み合わせにより、オンロードの操縦安定性とオフロードの走破性を両立させるデバイス。

マルチテレインセレクトは、6つのモード(オート/ダート/サンド/マッド/ディープスノー/ロック)でオフロードの走行支援を行うシステム。さらにマルチテレインモニターが車両周辺の状況確認を映し出し、オフロード走行に安心感をもたらします。

ランドローバー ディフェンダー 110 X-ダイナミックHSE

対してディフェンダー110は、パワートレイン、ステアリング、ディファレンシャル、トラクションコントロールの設定を個別に調整できるコンフィギュラブルテレインレスポンスを搭載。

ビギナーから経験豊富なドライバーまで、スキルに応じて高い悪路走破性を実現するほか、フロント下180度の視覚を確保するClearSight グラウンドビューでドライビングをサポートします。

またオプションのテレインレスポンス2や、オールテレインプログレスコントロール(ATPC)を選択することで、より高いパーフォマンスを発揮。オプションの電子制御サスペンションを合わせれば、900mmという最大渡河水深を実現します。

インテリアデザインは機能を優先

室内は、いずれも車両の水平を見極めやすいダッシュボードデザインを採用していますが、レクサス GXは大型の14インチタッチディスプレイを採用することで、操作性と視認性を高めています。

シートは、レクサス GX 550 OVERTRAIL+がL texとウルトラスウェードの組み合わせ。ディフェンダー110 X-ダイナミックHSEは、ウィンザーレザーシート。

フロントのシートヒーター&ベンチレーション(ランドローバーはクーラー)、リアのシートヒーターは、いずれも標準装備です。

リアシートの分割は、レクサス GXが6:4、ディフェンダー110は4:2:4。レクサスはシート前倒しにタンブル機構も持たせて、シートアレンジのバリエーションを増やしています。

それぞれのラゲッジ容量は、レクサス GXが1,063L、セカンドシートを格納すると最大2,225L。ディフェンダー110は972Lで、セカンドシートを畳むと最大で2,277Lと、ここでもほぼ互角です。

経済性を取るか、国内メーカーの信頼性を取るか、それが問題

レクサス GX550 OVERTRAIL+

プレミアムなオフローダーとして、オンロードでの上質な走りとオフロードでの圧倒的な走破性を両立したレクサス GX 550 とディフェンダー110。

マイルドハイブリッドの3.0Lディーゼルターボを搭載する関係で、ディフェンダー 110 X-ダイナミックHSEは、経済性でレクサス GXよりも優れています

ただし、その他の面ではほぼ互角、甲乙付けがたい2台となっていますから、どちらを選ぶかは非常に悩ましいものになるでしょう。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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