【プロ解説】最高速290km/h!! 速くて美しいラグジュアリーSUV、レンジローバースポーツSVに試乗
ラグジュアリーSUVのパイオニア的存在のレンジローバーに、ハイパフォーマンス性能をプラスしたモデルがレンジローバースポーツです。
3代目にあたる現行型は、先進的なサスペンションシステムをはじめ、数々のテクノロジーを搭載し、先進技術と走破性に長けた魅力的なラグジュアリーSUVとして登場しました。
その頂点に位置するレンジローバースポーツ SV エディション2の試乗レポートをお届けします。
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- ラグジュアリーパフォーマンスSUVという新しいカテゴリー
- 最新プラットフォームに数々の電子制御システムを搭載した3代目
- 最上級グレード「SV」にオプションパーツを組み込んだ限定モデル
- V8エンジンの重低音サウンドがドライバーを刺激する
- 究極のラグジュアリーとスポーティが融合した最高のクロスオーバーSUV
ラグジュアリーパフォーマンスSUVという新しいカテゴリー
高い悪路走破性と高級車にふさわしい極上の乗り心地を両立させ、人気のカテゴリーとなっているのが、プレミアムブランドの手掛けるラグジュアリーSUVです。
そのパイオニア的存在と言えば、英国王室と関係の深いランドローバーの上位ブランドに位置づけられるレンジローバーが挙げられます。
1970年に初代が登場し、高級クロカンSUVといえば、レンジローバーという時代がしばらく続きました。
ところが2000年代になると、世界のプレミアムブランドがクロスオーバーSUV市場へ参入するようになり、レンジローバーの地位を脅かすようになります。
なかでも2002年にポルシェがリリースしたカイエンが大ヒットを記録。それを受けてランドローバー社は、2005年にレンジローバーの運動性能を高めた『レンジローバースポーツ』を市場に投入。現在では、ベントレーやフェラーリといったブランドも同カテゴリーに参入しています。
最新プラットフォームに数々の電子制御システムを搭載した3代目
初代レンジローバースポーツは、ラダーフレームをモノコックボディに組み合わせたインテグレーテッドボディフレームを採用していましたが、2代目からは他のクロスオーバーSUV同様にモノコックボディへ進化しました。
2022年に発売された現行型レンジローバースポーツは、基本骨格に最新の「MLA-Flex」プラットフォームを採用。
シャシーには、48V駆動の電子制御アクティブロールコントロールシステムである「ダイナミックレスポンスプロ」、サスペンションの帯域幅を広げてダイナミックなハンドリングを可能とするスイッチャブルボリュームエアスプリングを採用した「ダイナミックエアサスサスペンション」、電子制御ディファレンシャルとトルクベクタリングバイブレーキシステムなどを統合制御する「インテグレーテッドシャシーコントロール(ICC)」システムにより、優れたコーナリング性能に高い走破能力、快適な乗り心地を実現しています。
車両デザインは、モダニスト的なアプローチを全面的に取り入れながら、スポーティさと確固たるキャラクターを実現しました。
新しいフロントグリルやライトの形状、美しく仕上げたフラッシュサーフェスウインドウとドアハンドル、控えめなウエストレールフィニッシャー、レーザー溶接ルーフなど、緻密で美しく、無駄を排したデザインは、エアロダイナミクスにも貢献し、空気抵抗係数(Cd 値)はわずか 0.29となっています。
エクステリアと同様の思想によってデザインされたインテリアは、物理ボタンやスイッチ類を極力排除しながら、高級レザーに加えて高品質のウルトラファブリックといったサステナブルな素材により、モダニティにあふれた空間に仕上がっています。
くわえて人間工学に基づいて設計されたシート、ハプティック(触覚)フィードバック機能付きの新開発 13.1 インチのフローティング式フル HD タッチスクリーンを装備した最新のインフォテインメントシステム「Pivi Pro」、静かでクリーンな環境を支える MERIDIANシグネチャーサウンドシステム(第3世代アクティブノイズキャンセレーション搭載)、空気清浄システムプロ(ナノイーX 搭載、PM2.5 フィルター付)などにより、利便性と快適性が追求されています。
運転支援機能は、エマージェンシーブレーキをはじめ、クルーズコントロール、ドライバーコンディションモニター、レーンキープアシスト、トラフィックサインレコグニションなど充実の一語。
グレードは、下から「S」「Dynamic SE」「Dynamic HSE」「Autobiography(オートバイオグラフィ)」「SV」という構成。そのなかから、最高峰に位置する「SV」に設定された限定モデル、エディション2に試乗しました。
最上級グレード「SV」にオプションパーツを組み込んだ限定モデル
レンジローバースポーツ SV エディション2は、最上級グレード「SV」にオプションパーツを組み込んだ限定モデルで、新車販売価格はSVよりも34万円高の2474万円。
外観は、空力性能を向上させるSV専用パーツにより、強い存在感と美しいスタイルを両立。「RANGE ROVER」のレタリング、フロントバンパーブレード、グリルサラウンド、ボンネットベント、サイドベントはカーボンファイバー製です。
室内のフロントにセットされたヘッドレスト一体型のSVパフォーマンスシートは、サウンドを全身で感じることができ、ウェルネス効果を備えたボディ&ソウルシート(BASS)を装備します。
試乗車には、それにカーボンセラミックブレーキシステム(146万1000円)、23インチカーボンホイール(112万円)、ディプロイアブルサイドステップキット(72万1270円)などが追加され、合計2936万550円という仕様。
23インチカーボンホイールと、カーボンセラミックブレーキは、バネ下重量を最小限に抑えることで、ハンドリング、加速性能、乗り心地を向上します。
搭載されるパワートレインは、レンジローバー史上もっともパワフルな最高出力467kW(635PS)、最大トルク750Nmを発生する4.4L V8ツインスクロールターボ+48Vマイルドハイブリッドユニット。
トランスミッションは8速ATで、駆動には最新世代のインテリジェントオールホイールドライブ(iAWD)システムを搭載しています。
走行状況に応じて最適な設定を選択できるテレインレスポンスには「コンフォート」「オート」「オフロード」「ダイナミック」の4モードにくわえ、スポーティな走りを可能にする「SVモード」、ドライバーが任意で設定可能な「コンフィギュラブルモード」が用意されます。
油圧連動式の6Dダイナミクスサスペンションシステムは「SVモード」を選択すると、車高を15mm下げるとともにシャシーシステムとシームレスに連携して、もっともダイナミックで直感的なドライビングエクスペリエンスを提供します。
V8エンジンの重低音サウンドがドライバーを刺激する
運転席に乗り込み4.4L V8ターボエンジンをスタートさせると、重低音サウンドによりアドレナリンが分泌されます。BEVに乗る機会が増えた昨今、エンジンを掛けただけで興奮するというのは久しぶりの感覚です。
アクセルに足を載せると、約2.6tという重量級ボディをスムーズに加速させます。
走行モードを切り替えるテレインレスポンスをコンフォートまたはオートにセットしておけば、レンジローバースポーツ SVは無駄な揺れの少ないラグジュアリーSUVらしい極上の乗り味を終始提供してくれますが、専用のSVモードを選択するとキャラクターは一変し、少々目線の高いスポーツカーに豹変します。
その実力は、0-100km/hを3.8秒でこなし、最高速度は290km/hとアナウンスされています。
ワインディングを走行すると、全長4,970mm、全幅2,025mmという日本の道路事情では持て余しそうなサイズながら、思いどおりのライントレースが可能です。
その走りを支えているひとつが、高速走行時の優れた安定性と低速走行時の回頭性を両立するオールホイールステアリング(AWS)の存在です。
AWSは、低速ではリアに搭載したアクチュエーターで、後輪のトー角を前輪とは逆方向に操舵させ(最大 7.3 度)、最小回転半径5.3mを実現。低速走行時やオフロード走行時に障害物を回避したり、都市部での限られたスペースへ駐車したりする際に役立ちます。
6Dダイナミクスサスペンションシステムは、カーブの進入で強いブレーキを踏んでもフロントが過剰に沈み込むことなく、フラットな姿勢をキープします。
カーボンブレーキの効きも抜群で、しっかりと減速してくれるので、重量級のSUVを操っていることを忘れてしまいそうになるほど、スポーツカーのような走りを披露します。
究極のラグジュアリーとスポーティが融合した最高のクロスオーバーSUV
レンジローバーのDNAといえる渡河性能(最大0.82m)はそのままに、数々の電子制御システムによって究極のラグジュアリーとスポーティが融合したレンジローバースポーツ SV エディション2。
ランドローバー史上、もっとも先進的なシャシーテクノロジーを採用し、人目を惹く存在感と直感的なドライビングレスポンスを兼ね備えたラグジュアリーパフォーマンスSUVです。




























