エブリイワゴン(スズキ)解説

スズキ エブリイワゴンは、スズキのキャブオーバータイプの軽ワンボックスカーです。商用バンのエブリイをベースにした乗用ワゴンとなっています。
エンジンをフロントシート下に置き、軽自動車とは思えない広い室内空間を特徴とするエブリイワゴンは、現行モデルが3代目にあたります。
ここでは初代(1999年〜2005年)から3代目(2015年〜)までの外観・エンジン・インテリア、装備、マイナーチェンジ情報。グレード別スペックやライバル車などを解説します。
- Chapter
- エブリイワゴンのモデルチェンジの歴史・略年表
- 初代(1999〜2005年) 解説
- 2代目(2005〜2015年) 解説
- 3代目(2015年〜) 解説
- ライバル車との比較
- 今後のフルモデルチェンジ予定
- まとめ
エブリイワゴンのモデルチェンジの歴史・略年表

1999年 | 初代発売 |
---|---|
2005年 | フルモデルチェンジ 2代目発売 |
2015年 | フルモデルチェンジ 3代目発売 |
初代(1999〜2005年) 解説

外観
セミキャブデザインのボディを採用し、エンジン搭載位置は運転席下でした。構造上はキャブオーバーとなっています。
全長 | 全幅 | 全高 |
---|---|---|
3,395mm | 1,475mm | 1,870mm |
室内長 | 室内幅 | 室内高 |
---|---|---|
1,730mm | 1,270mm | 1,330mm |
走行性能/燃費性能
4WDシステムはドライブセレクト4WDと呼ばれるタイプで、車内のスイッチによって走行中でも2WDと4WDの切り替えが可能です。
最高出力は44Kw、最大トルクは83Nm、燃費性能は16.6m/Lとなっています。
マイナーチェンジ(前/後の変化について)
初代エブリイにおいては、マイナーチェンジは行われませんでした。
特別仕様車
・エブリイワゴン 80周年記念車 ジョイポップターボEX(2000年)
スズキ創立80周年を記念し「エブリイワゴン」の「ジョイポップターボ」をベースに外観の質感を高め、上級オーディオ、専用シート表皮を装備した特別仕様車です。
各グレードについて
・ジョイポップターボ
ベーシックグレードです。
・ジョイポップエアロターボ
エアロパーツやアルミホイールはもちろん、チルトアップ機構付きの電動サンルーフも標準装備のグレードです。
後に「ジョイポップターボS」に名称が変更され、新たに「ジョイポップターボL」が追加されました。
初代エブリイワゴンのグレード一覧・カタログ
車選びドットコムのエブリイワゴン(スズキ)の自動車カタログはこちら
1999〜2005年式のエブリイワゴンの中古車一覧
2代目(2005〜2015年) 解説

外観

外装は、開放的な大きな窓を表現するためにピラーの一部をブラックアウト化しました。
『軽のミニバン』をコンセプトに開発され、軽自動車では初となる後席パワースライドドアを「PZターボ(左側のみ)」、「PZターボスペシャル(両側)」に装備しています。
全長 | 全幅 | 全高 |
---|---|---|
3,395mm | 1,475mm | 1,795mm |
インテリア/装備

ドアハンドルにはメッキ塗装を施し、スライドドアのレール部分もスライドドアレールガーニッシュで覆うことで、すっきりとしたデザインとなりました。
室内長 | 室内幅 | 室内高 |
---|---|---|
1,980mm | 1,305mm | 1,300mm |
走行性能/燃費性能
エンジンは、K6A型の660cc直3DOHCです。
最高出力は36Kw、最大トルクは62Nmとややパワーが落ちましたが、燃費性能は先代とほぼ横ばいの16.8Km/Lです。
マイナーチェンジ(前/後の変化について)
2代目エブリイワゴンでは、マイナーチェンジは行われませんでした。
特別仕様車
・JPターボリミテッド(2009年)
「JPターボ(標準ルーフ車)」をベースに、フロントメッキグリル、アンダースポイラー(フロント・サイド・リア)、13インチアルミホイール、フロントフォグランプ、LEDサイドターンランプ付ドアミラーを装備し、ベージュのファブリックシート表皮とドアトリムクロスを採用した特別仕様車です。
各グレードについて
・JP
ベーシックグレードです。
・JPターボ
JPにターボエンジンを搭載したグレードです。
・PZターボ
専用スポーツ外装のグレードです。
・PZターボスペシャル
専用スポーツ外装のグレードで、さらに電動オートステップや14インチアルミを装着しています。
2代目エブリイワゴンのグレード一覧・カタログ
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2005〜2015年式のエブリイワゴンの中古車一覧
3代目(2015年〜) 解説

外観
基本的には先代のコンセプトを継承しています。全長・全幅は先代から変わらず、全高のみ20mmプラスとなりました。
全長 | 全幅 | 全高 |
---|---|---|
3,395mm | 1,475mm | 1,815mm |
インテリア/装備

室内長・室内高を拡大し、フロントシートをベンチシートに変更しました。また、前席のシートスライド量が拡大しました。
また、ロングホイールベース化とリアシートスライド量の拡大により、前後乗員間距離を1,080mmに拡大しています。
室内長 | 室内幅 | 室内高 |
---|---|---|
2,240mm | 1,355mm | 1,315mm |
走行性能/燃費性能
エンジンはインタークーラーターボ仕様のR06A型エンジンに置換し、トランスミッションのトルク容量を最適化したことで燃費を向上しました。
最高出力は47Kw、最大トルクは95Nm、燃費性能は16.2Km/Lです。
マイナーチェンジ(前/後の変化について)
3代目エブリイワゴンのマイナーチェンジは行われていません。
特別仕様車
特別仕様車は販売されていません。
各グレードについて
・JPターボ
ベーシックグレードです。
・PZターボ
14インチアルミホイールが標準搭載されている上級グレードです。
・PZターボスペシャル
最上級グレードです。後席右側ワンアクションパワースライドドアが搭載されています。
3代目エブリイワゴンのグレード一覧・カタログ
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2015年式〜のエブリイワゴンの中古車一覧
ライバル車との比較
スズキ エブリイワゴンのライバル車としてよく名前があがるのが、同じくキャブオーバータイプのダイハツ アトレーワゴンです。
そこで両車種のスペックを比較してみます。
ダイハツ アトレーワゴン

ボディサイズは、全高がアトレーワゴンのほうが若干高く、室内空間は室内長、室内幅でエブリイワゴンのほうが広くなっています。
エンジン性能はトルクの大きさ、燃費性能でエブリイワゴンが勝ります。
両車種にそれほど大きな差異があるとは言えませんが、価格重視ならアトレーワゴン、室内空間やエンジン性能、燃費性能を重視するならエブリイワゴンを選ぶということになるでしょう。
スズキ・エブリイワゴン | ダイハツ・アトレーワゴン | |
---|---|---|
全長×全幅×全高 | 3,395×1,475×1,815mm | 3,395×1,475×1,875mm |
室内長×室内幅×室内高 | 2,240×1,355×1,315mm | 1,970×1,310×1,350mm |
最高出力 | 47kW | 47kW |
最大トルク | 95Nm | 91Nm |
燃費性能 | 16.2km/L | 14.8km/L |
今後のフルモデルチェンジ予定
初代の発売以来10年周期でフルモデルチェンジをおこなってきているエブリイワゴン。
最新モデルである3代目は2015年発売なので、2024年柱にフルモデルチェンジが発表されるかもしれません。
まとめ
軽自動車規格のボディサイズでありながら室内空間が非常に広く、収納部分の広さや居住性が高いことから車中泊にも向いており、キャンパーとしてもよく使われる車となっているエブリイワゴン。
また乗用車にも関わらず、収納の広さから荷物を運ぶことの多い自営業者にも人気の車となっています。
惜しむらくは、現代の軽自動車としては燃費性能が物足りないところです。このあたりは次のモデルチェンジに期待したいところです。