吉田由美が解説!白ルーフが日本一似合う車~「スズキ・アルトラパン」

女性向けに開発されたクルマといえば、筆頭に挙げられる車種の一つが「スズキ・アルトラパン」。
本記事では、女性に嬉しい機能や内装、使い心地、デザインを備えたアルトラパンの魅力やおすすめモデルについて、日本自動車ジャーナリスト協会理事、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務めるカーライフ・エッセイストの吉田由美さんが解説します!
女性向けで作られた「ラパン」。意外にもオジサン人気も高い!?

スズキの軽自動車「アルト」の派生モデル「アルトラパン」。しかし「アルト」とはまったく違うキャラ。うっかりアルトファミリーだと忘れてしまうぐらい別モノです。
「ラパン」とは、フランス語でウサギの意味で、ウサギのモチーフやロゴがたっぷり。
ウサギのネーミングが付いているぐらいなので、とにかく可愛い軽自動車界の‘キャラクター商品’的存在です。
ターゲットはズバリ女性で、女性を意識したものになっています。と言いつつ、この手の車、意外にもオジサンが乗っているケースも多いのですが。

背が低めで「弁当箱をモチーフにした」というように、丸みがかった四角いボディスタイルは独特で、そこにヘッドライトなどは丸型を採用。その優しいルックスも存在も、唯一無二の存在。ある意味、「MINI」や「FIAT500」のような存在ともいえるかもしれません。
現在販売されている現行型は3代目のモデルですが、今回はスズキ社内の女性スタッフが商品開発を行ったことでも注目を集めました。
それでもそこそこ売れているのは、やはりデザイン力の高さ。先進安全装備より「ラパン」そのものに魅了され、まさに‘指名買い’されています。

また、エンタテイメント性も高く、「ウォーリーを探せ」ならぬ「ラパンを探せ」をはじめると、お子さんはもちろん、大人でも車内を夢中で探すため、いいコミュニケーションツールにもなります。
ちなみに私が見つけたウサギは14個ですが、ウサギの数は公表されていないので、隠れウサギいくつ存在するかもわからず、永遠に探すことになるかも!?(笑)
‘大人可愛い’「ラパンモード」

さらに大人女子にも嬉しいおしゃれ度アップの「ラパンモード」。
今回試乗したのは「ラパンモード」ですが、ノクターンブルーパールという濃紺のボディカラーにホワイトのルーフの2トーンカラーは、甘すぎない絶品カラー。そこにメッキのグリルにもパチンコ玉のような丸形のモノがあしらわれ、近くで見ると自分がいっぱい映ってる!(笑)それを線でつないだ菱形のデザイン。
真ん中にはスズキのエンブレムではなくウサギのエンブレム。
ちなみにボディカラーはモノトーン5色、ホワイト2トーンルーフが3パターン、全8パターンで大人っぽくシックな色味をラインアップ。2トーンの場合は、ルーフ以外にもサイドミラーやタイヤホイールにも白が選べるので、可愛さ倍増!
ちなみに、ホイールにもウサギの姿がありますが、ホイール自体のデザインも秀逸で、吉田由美史上最も掃除が簡単なホイールです。

インテリアもボディカラーとコーディネートした紺色×オフホワイトのコンビネーションで、明るく清潔感があります。ドアパネルの内側の真ん中部分にも紺色があしらわれ、このコントラストがイイ!
そして、私は白ハンドル派ではありませんが、この組み合わせなら白ハンドルもアリ。しかも真っ白ではなく、オフホワイトなのも柔らかい感じでいいですね。
シートはフェルトのような素材で、紺色のキルティング加工された部分とオフホワイトのコンビネーション。
前席のシートは助手席と運転席は分割されていますが、位置を合わせればベンチシートのようにつながるので、荷物を自分の近くに置くことも可能ですし、シートと同じ柄が施されたアームレストをおろして使うことも。

インパネ上部分は木目調が使われていて、‘お家感’と高級感、さらに温もり演出にもなっています。
このスペースは運転時には厳しいかもしれませんが、ちょっとしたものを置くのに便利。さらに助手席側にはその下に引き出し型の収納ボックスと、さらにカップホルダーまで収納式。
センターコンソールは小物入れとシートヒータースイッチ。嬉しいことに運転席と助手席に設定があります。
これ、私的には最高に好印象。自分の愛車にはシートヒーターは必須アイテムなので。USB充電口も1つ。エアコンはフルオートエアコンで、「ナノイー」が搭載されているのも嬉しいポイントです。
メーターパネルもアナログでシンプルなものですが、小窓部分がポイント。
エンジンを掛けるとそこに「HELLO」の文字と共にウサギがお出迎え。エンジンを止めると「運転お疲れ様でした」とねぎらいの言葉もかけてくれる。さらに信号待ちなどのアイドリングストップ中は5匹のウサギがお知らせしてくれます。
エンジンは660㏄のエネチャージ付き(VVT)のCVT。駆動方式は2WDと4WDがあります。

先進安全装備は、スズキの予防安全技術「スズキセーフティサポート」の衝突被害軽減ブレーキ「レーダーブレーキサポート」は標準装備されていますが、残念ながら最新ものではありません。
2015年に発売されているため、先進安全装備などはほぼ無し。特別仕様車「ラパンモード」にも「ACC」どころか、クルーズコントロールもありません。
それでも「やっぱりラパンがいい!」という「指名買い」が多いのは、ラパンのデザイン力、ラパン自体の魅力が高いということですね。
これで先進安全装備が充実したら、鬼に金棒なのですが。