車選びドットコム買取相場分析：2024年6月
車の買取相場を形成するのは、つねに需要と供給のバランスですが、ここ数年の車の買取相場は、国内の需要にくわえて円安要因によって海外の需要が高まっていることで、需要に対して供給が追いついていない状態。
買取価格は、じわじわと上昇を続けています。
ここでは、車選びドットコムが収集したオークション相場や蓄積した独自データを基に、2024年6月の最新買取相場を分析してレポートします。
円安による海外需要が国内の相場を押し上げる
前月のレポートで”例年通り3月にいったん落ち着きを見せた2024年の買取相場ですが、現在は上昇機運に入っており、このまま過去最高値を記録した昨年を上回る傾向がしばらく続きそう”とお伝えしたとおり、5月に入っても買取相場は高値が続いています。
要因は、国内新車の納期遅れで、新車が届くのを待てないユーザーが、新古車や低走行車を購入していることと、国内経済の停滞によって下取りや買取に出される車両が減っているということ。
下取りや買取に出される車両が減ると、店頭の在庫が減ってしまい商売ができない中古車販売店では、そこそこ高くても仕入れをするので、全体的に相場が押し上げられるという結果になっています。
また日銀が介入しても安定こそすれ、円高に転換できないドル円市場も相場に影響を与えています。諸外国から安い日本車の需要が高まっており、とくに高年式車を中心に積極的に輸出が行われています。
余談ですが、かつて円高の時代には空冷ポルシェや初代BMW M3といったモデルをアメリカから輸入して販売するとそれなりの商売になったので、当時はかなりの台数が輸入されたと記憶しています。
ところが現在は、それらの中古車は国内で販売するよりも海外のマニアに買ってもらったほうが高値になるので、ふたたび海外に戻ってます。
こういった傾向は、現行車にも少なからず現れており、海外で人気のあるモデルは正規輸入車であっても、登録から数年で輸出されるケースが増えています。
つまり、いまや日本の中古車は国内だけでなくワールドワイドな市場で取引されているということ。それは輸入車に限りません。この影響により買取相場が全体で上がっています。
さらに今後追い打ちをかけるであろうことが、5月末に発表された自動車メーカー5社の型式指定における不正発覚です。とくにトヨタ、マツダは現行車種が含まれており、新車の供給がストップすることで買取市場にも影響が出そうです。
場が高値のいまは売却にはベストな時期
前述したように、現在の買取相場は高値傾向が続いています。
とくに高年式、低走行車にその傾向は顕著ですが、ある程度年式や走行距離を重ねた個体であっても、高年式車に引っ張られるカタチで、高値になるケースが多くなっています。
コロナ禍以前であれば、夏場を境に年末に向けて下落していましたが、ここ数年は安定した相場になっていますし、今年は好調だった昨年をうわ回る相場感で推移中。
愛車の売却や乗り換えを考えている方は、積極的に行動に移してみることをおすすめします。
その際は、複数の業者に査定を依頼すると、より高額の見積もりが期待できます。業者にもよりますが、得意とする車種や販路によって買取価格が上下することが考えられますので、最低でも3、4社の見積もりは欲しいところです。
ここ数年、トヨタ アルファードやハリアーなどの高年式車の中古車価格が落ちないのは、国内にくわえて海外からの需要も高まっているためです。
皆さんの知らないあいだに、新型のアルファードやランクル、ハリアーなどは、海外向けに輸出され国内の絶対数が減っています。
その他の年式、モデルでも、それらに引っ張られるように相場が上がっているので、迷っている方はぜひ買取査定に出してみることをおすすめします。
2024年6月以降の中古車買取の動向
中古車情報サイト「車選びドットコム」が提供する中古車管理システムから、買取・下取りデータを抽出して2024年5月の車買取相場の速報データをもとに今後の相場を分析してみましょう。
買取・下取りの速報データを見ると、例年通り3月で一度を下がったもののその後は上昇傾向に転換。予測データでは夏まで上昇することが予想されており、このままいけば過去4年間をうわ回る高値を記録するでしょう。
愛車の売却はここ数ヶ月は絶好のタイミングになりそうです。
ネットの一括査定を使えば、相見積も取れますし、高値の買取店が一目瞭然。高値での売却を考えている方は、ネットの一括査定がおすすめです。
