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【プロ解説】改良を受けたマツダ CX-60。2025年モデルを試乗

マツダ CX-60 XD SP

世界各国の電動化ロードマップに対応し、さまざまな電動化パワートレインを用意するマツダのラージ商品群

その第1弾として2022年9月に登場したCX-60が、2024年12月に改良を行いました。

ポイントは、CX-60の魅力であるハンドリングの良さを維持しながら、乗り心地を向上させたこと。あわせて新グレード「XD SP」と特別仕様車「XD-HYBRID Trekker」が追加設定されました。

Chapter
2022年に登場したばかりのCX-60が改良で走りを進化
Sパッケージに変わる新グレード「SP]はスポーティな外観がポイント
改良によって大きく進化した乗り味
上位グレード「XD Lパッケージ」との価格差は9.9万円
国産SUVのなかでも秀でたハンドリングがXD SPの魅力

2022年に登場したばかりのCX-60が改良で走りを進化

マツダ CX-60 XD SP

マツダのラージ商品群のなかでもっともスポーティな走りを実現しているミドルサイズSUVのCX-60が、2024年末に早くも商品改良を敢行しました。

改良のポイントは「CX-60の魅力であるハンドリングの良さを維持しながら、より幅広いシーンで快適に移動を楽しめるよう乗り心地を向上」したこと。

足まわりはスプリング&ダンパーを中心にサスペンションのセッティングを見直し、同時に電動パワーステアリングやAWDの制御の最適化。

また走行中のさまざまな騒音・振動への対策を織り込み、静粛性もアップしています。

Sパッケージに変わる新グレード「SP]はスポーティな外観がポイント

今回の改良にあわせて、ディーゼルモデルのXD系に新グレードの「XD SP」、ハイブリッドのXD-HYBRID系に特別仕様車の「XD-HYBRID Trekker(トレッカー)」をそれぞれ追加しました。あわせてディーゼルモデルのエントリーグレード「XD」が廃止されました。

まず特別仕様車の「XD-HYBRID Trekker」ですが、こちらは「XD-HYBRID Exclusive Sports(エクスクルーシブスポーツ)」をベースに、よりアクティブなライフスタイルに彩りを加えるアイテムを装着した特別仕様車。

パノラマサンルーフと、急ブレーキや事故等の際、後方から2列目や前席への荷物の侵入を防止するパーティションネットを標準装備しています。

いっぽう「XD SP」は、従来の「Sパッケージ」に変わるグレードで、スポーティさを際立たせた外観が特徴

ハニカムタイプのフロントグリルにはじまり、グリル下側から左右のヘッドランプへとつながるシグネチャーウィング、サイドのシグネチャーガーニッシュをブラッククロームに変更、ドラミラーをグロスブラック塗装とし、足もとにはブラックメタリック塗装の20インチホイールを標準装備。

その他、IRカットガラス+スーパーUVカットガラスと、ハンズフリー機能付きパワーリフトゲートを標準装備しました。今回は、この「XD SP」を試乗しました。

改良によって大きく進化した乗り味

マツダ CX-60 XD SP

今回の改良にあわせて追加設定されたCX-60(XD SP)は、乗り味が大きく進化しています。

従来のCX-60は、走行安定性を高めるためサスペンションを硬めに設定したことで、乗り心地の悪さが目立ちました。またトルコンレスの8ATから発生する異音も気になりました。

しかし、今回の一部改良でCX-60はサスペンションのセッティングを見直した結果、人馬一体を味わえる高いハンドリング性能はそのままに、乗り心地はソフトになっています。ソフトといってもロールなどは抑えられており、走りの質感が向上しています。

また、走行中のさまざまな騒音・振動への対策を行ったことで、車内へのノイズの侵入も大きく減少しています。

さらに改良前のモデルに乗った際には感じられなかった最大500Nmというトルクがしっかりと伝わり、重量級のボディをディーゼルターボらしいトルク特性でスムーズに加速させるあたりは好印象でした。

上位グレード「XD Lパッケージ」との価格差は9.9万円

新しくXD系のエントリーグレードに位置づけられることとなった「XD SP」の車両価格は412.5万円です。

ひとつ上位の「XD Lパッケージ」が422.4万円なので、購入で迷う方も少なくないと思います。

そこで以下では、その「XD SP」と「XD Lパッケージ」を比較します。ちなみに「XD Lパッケージ」の画像は改良前のものです

まず両グレードの運転支援機能ですが、「SP」ではオプション設定となっているスマート・ブレーキ・サポート(SBS)の右直事故回避アシスト機能、交差点事故回避アシスト機能、クルージング&トラフィックサポート機能、360°ビューモニターのシースルービュー機能、ドライバーモニタリング機能が「Lパッケージ」は標準装備です。

また、ドライバー異常時対応システムは「Lパッケージ」に標準装備。「SP」では設定がありません。

室内のディスプレイ系は、「SP」が7インチマルチスピードメーターと10.25インチのセンターディスプレイが標準なのに対し、「Lパッケージ」は12.3インチのフル液晶メーターと12.3インチセンターディスプレイの組み合わせです。

ステアリングのチルト&テレスコピック操作は、「SP」がマニュアル式で「Lパッケージ」は電動。

運転席のシート調整は、両グレードともに10wayのパワーシートで、ステアリングヒーター、運転席&助手席シートヒーターも標準ですが、助手席側は「SP」がマニュアル式、「Lパッケージ」の8wayパワーシートです。

シートとドアトリムの素材は「SP」はクロス、「Lパッケージ」が本革と合成皮革と質感が高められた印象。リアのシートヒーターは「Lパッケージ」以上に標準装備されます。

さらにリアコンソールのAC150W電源、ハンズフリー機能付パワーリフトゲートは「Lパッケージ」に標準装備など差があります。

ただし「XD-HYBRID Exclusive Sports」に準じたスポーティなエクステリアは、XD系では「SP」のみ。またほかのメーカーの同じ価格帯のモデルと比べると、「SP」が装備面で見劣りするということもありません。

国産SUVのなかでも秀でたハンドリングがXD SPの魅力

マツダ CX-60 XD SP

今回の一部改良で追加されたXD SPは、CX-60のもつFRレイアウトだから実現できた、走行性能の高さをユーザーがリーズナブルな価格で味わえるように。という思いで設定されたグレード。

走行安定性の高さやハンドリングの良さをダイレクトに感じることができるXD SPは、国産SUVのなかでも貴重なモデルと言えるでしょう。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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