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オン・オフ問わずプレミアムな価値を提供するレクサスの本格オフローダー『GX550』を試乗

レクサス GX550 OVERTRAIL+

2024年6月に「OVERTRAIL+」を100台限定で先行販売したレクサスの新型オフロードSUV『GX550』のレギュラーモデルの販売が開始されました。

グレード構成は、オフロード性能を高めたOVERTRAIL+とVersion Lの2タイプで、乗車定員はOVERTRAIL+が5人乗り、バージョンLが7人乗りになります。

ここでは、5人乗りOVERTRAIL+の試乗レポートをお届けします。

Chapter
GXはOVERTRAIL+とVersion Lという2つのグレードを用意
レクサス車らしい安定した車両姿勢やすぐれた乗り心地
ボンネットの見切りの良さが運転のしやすさにつながっている
本格クロカンSUVというキャラクターを考えれば上々の実燃費

GXはOVERTRAIL+とVersion Lという2つのグレードを用意

2025年4月より正式販売が開始されたレクサス GX550は、過酷な悪路から街中の舗装路にいたるまで、ユーザーがクルマとともに過ごすさまざまなシーンで心高まる体験を提供するプレミアムオフローダーです。

デザインキーワードは、「HIGH END×PROFESSIONAL」。エクステリアは、スピンドルボディとオフロード機能に根ざしたプロテクター形状を融合したフロントデザインに、スクエアなサイドシルエットをあわせて、タフでモダンなプロポーションを実現しました。

全長4,970mm×全幅2,000mm×全高1,925mmに、最低地上高215mmという数値は、存在感だけでなく高い悪路走破性を主張しています。

車両本体価格は、OVERTRAIL+が1195万円Version Lが1270万円という設定。

室内は、OVERTRAIL+が5人乗り、Version Lが3列シートの7人乗りで、その他、ルーフレールの形状をはじめ、装着されるホイールもOVERTRAIL+が18インチ、バージョンLが22インチ。

さらにVersion Lには、プライバシー性と開放感を両立する調光パノラマルーフ&電動シェード、オート電動格納式ステップが装備されます。

レクサス車らしい安定した車両姿勢やすぐれた乗り心地

トヨタ ランドクルーザーやタンドラと共通となるボディオンフレーム構造のGA-Fプラットフォームを基本に、サイドレールやクロスメンバーの一部に板厚や材質が異なる材料を適材適所で接合(Tailor Welded Blank)することで、強度と剛性を確保しながら軽量化を実現。

さらにドア開口部とロッカー下端のスポット溶接打点を増やしつつ、板金合わせ部分やフロアなどに構造用接着剤を使用して、レクサスらしい走行時の安定した車両姿勢やすぐれた乗り心地を獲得しています。

サスペンション形式は、フロントがサスペンションジオメトリとスプリングばね定数を最適化したハイマウントダブルウィッシボーン式、リアは信頼性の高いトレーリングリンク車軸式の組み合わせ。

ショックアブソーバーには伸縮独立バルブとFCD(Friction Control Device)を設定するとともに、サスペンション周辺部品の締結トルクアップにより、締結部剛性を向上させて優れた車両安定性と乗り心地を両立しました。

レクサス GX550 OVERTRAIL+

搭載するパワートレインは、最高出力260kW(353PS)、最大トルク650Nmをそれぞれ発生する3.5L V6ガソリンツインターボエンジンに、発進時を除くほぼ全域でロックアップを作動させることでダイレクトなフィーリングを実現するDirect Shift-10ATを組み合わせます。

駆動方式はフルタイムAWDで、フロント、センター、リヤディファレンシャルの特性を最適化することで、オンロードの通常使用域でのレスポンスの良さとすぐれた操縦安定性を確保。6つのモードを選べるマルチテレインセレクトは、オフロードでの走破性を向上させます。

さらにOVERTRAIL+にはオンロード・オフロード問わず、走行性能を引き上げる電動式スタビライザー「E-KDSS」を採用します。

運転支援機能には、最新のLexus Safety System+を採用。運転状況に応じて、適切な操作サポートを行うプロアクティブアシストやドライバーモニターとの連携により、ドライバーの運転状況に応じた最適制御を行い安心・安全なドライブを提供します。

ボンネットの見切りの良さが運転のしやすさにつながっている

レクサス GX550 OVERTRAIL+

今回試乗したのは、車両本体価格1195万円のOVERTRAIL+です。

インテリアはクルマとドライバーが直感的につながり、より運転操作に集中できるコックピット思想「Tazuna Concept」のもと、視認性と操作性の良さを確保。

全幅2mという大きなボディのGXですが、運転席からは車幅がつかみやすい工夫が施されており、非常に運転しやすいのが特徴です。

とはいえ取り回しやすさの指標となる最小回転半径は6.0mなので、狭い場所での車庫入れなどは多少戸惑うことがあるかもしれません。

高出力な3.5L V6ツインターボエンジン+10速ATのパワートレインは、車両重量約2.5トンというヘビー級のボディをスムーズかつ静かに加速させます。

本格オフローダーに多い加速時の前後方向そしてコーナリング時の横方向の揺れは抑えられており、GXでは質感の高い乗り味を享受できます。

おおきな凹みがあるような荒れた路面でも、サスペンションはしっかりと路面を追従。オンロードでもオフロードでの走行性能の高さを体験することができました。

最近、レクサスのSUVであるRXにも乗る機会がありましたが、クロスオーバーSUVらしい乗用車然としたRXの乗り味に対し、GXはラダーフレームを基本としていることもあり懐かしいクロカン4WDのそれ。しかし、GXは足まわりに電子デバイスを搭載することで質感を上げてオフローダーらしさを上手に消しています。

もちろんオフロードに入れば、一流のクロカン性能を発揮。GXは、異なる方向性を持った高性能の2台のクルマが1台にまとめられた印象です。

試乗で気になったのは、高速走行時の風切り音。また、ドライブモードをスポーツSに切り替えたときのタコメーターの表示が回転数に合わせて赤くなること。レッドゾーンと同じ色なので、一瞬戸惑いました。

本格クロカンSUVというキャラクターを考えれば上々の実燃費

レクサス GX550 OVERTRAIL+

約200kmを走行した実燃費は6.6km/Lというもの。この数字だけを見ると驚くかもしれませんが、カタログ燃費は8.1km/Lなので及第点以上といえるでしょう。

UXからLX、BEVのRZまで、SUVを幅広くラインナップするレクサスが、プレミアムオフローダーのGXで、メルセデス・ベンツ Gクラスやランドローバー ディフェンダーのマーケットに割って入ることで、どれだけシェアを奪うことができるのか?いまから興味が尽きません。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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