【試乗レビュー】レクサス LCコンバーチブルの魅力とは?価格以上の価値を徹底検証

レクサスが誇るフラッグシップオープンモデルとして、2020年に登場したLCコンバーチブル。
5.0リッターV型8気筒エンジンの圧倒的なパフォーマンス、芸術的なエクステリアデザイン、そして高級感あふれるインテリアは、多くのクルマ好きを魅了しています。
この記事では、LCコンバーチブルの基本スペックから実際の試乗レビューまで徹底解説します。
レクサス LCコンバーチブルとは?概要と特徴

FR用のGA-Lプラットフォームをはじめ、マルチステージハイブリッド、ダイレクトシフト10速ATといった最先端技術を採用し、新世代レクサスの幕開けを象徴するフラッグシップクーペとして誕生したレクサス LCから3年後の2020年6月に発売されたオープンモデルが「LC500 コンバーチブル」です。
スタイリングは、LCゆずりの低重心かつ低い全高とワイドな全幅、ボディ四隅に配置された大径タイヤを強調するように張り出したフェンダーなどが、個性的でアグレッシブな印象。
同時にボディの表面の艶やかな曲面とシャープなラインが、ラグジュアリーモデルに相応しい優雅さをプラスしています。
ソフトトップの機能性と美しさの両立
造形美と空力特性、さらに慣性諸元といった機能美との両立を追求した結果、ソフトトップルーフを採用。
材質だけでなく質感も吟味したというソフトトップは、クローズ時の静粛性にもこだわり吸音材を組み合わせた4層構造を採用。
またトップが完全に格納される自動開閉式トノカバー付きフォールディング機構を採用することで、LCコンバーチブルは、ルーフを開いていてるときはもちろん、閉じていても美しいスタリングを形成しています。
同時に、室内のシートには肩口のキルティングや穴径の異なる3種類のパーフォレーション加工によるグラデーションや、ヘッドレストの後部にさりげなく主張するLマークのエンボスを採用するなど、車外からの見え方にもこだわっています。
パワートレインと走行性能の実力

フロントミッドシップに搭載されるパワートレインは、最高出力351kW(477PS)、最大トルク540Nmをそれぞれ発生する5.0L V型8気筒DOHCエンジンです。LCコンバーチブルは、ルーフを格納するスペースの関係で、クーペにある3.5Lハイブリッドの用意はありません。
トランスミッションの10速AT(Direct-Shift 10AT)は、アクセルやブレーキ操作、車両の重力加速度から、ドライバーの意図を読み取り、最適なギアを選択する制御を採用。駆動方式はFR(後輪駆動)のみです。
運転支援機能は、歩行者検出にも対応したプリクラッシュセーフティをはじめ、4つの予防安全システムをパッケージ化したLexus Safety System+(レクサスセーフティシステムプラス)を標準装備しています。
2023年改良モデルで追加された運転支援機能

2023年の改良では、エンジンマウント特性の変更、トンネルブレースの追加、床下ブレース補強などによりボディ剛性の向上。
足まわりは、コイルスプリング、スタビライザー、ショックアブソーバーを最適化。ホイールの締結にワッシャ付ハブボルトを採用することで締結力をアップするととともに、タイヤをランフラットからノーマルタイヤに変更ことで、快適な乗り心地とハンドリング性能を高次元で両立。
また10速ATの制御も見直しが図られ、それまで以上に気持ち良いドライブフィールを実現しました。
進化した安全装備とテクノロジー

運転支援機能のLexus Safety System+は、単眼カメラとミリ波レーダーの性能向上により、プリクラッシュセーフティの対応領域を拡大し、昼間の自転車運転者や夜間の歩行者、交差点右折時に前方から来る対向直進車や右左折時に前方から来る横断歩行者を検知するように進化。
さらに車線内で操舵をアシストする緊急時操舵支援や低速時加速抑制などを追加しています。
LCコンバーチブルの総合評価と魅力
LC500 コンバーチブルの魅力は、オープン時15秒、クローズ時16秒で作業が完了するソフトトップ抜きに語ることができません。
オープンエアによるドライブを楽しむ際には、ウインドディフレクターとオプションのウインドスクリーンにより、風の巻き込みを防ぎ、同時にエアコン、シートヒーター、ネックヒーター、ステアリングヒーターを自動制御するレクサスクライメイトコンシェルジュにより、四季を通じて快適なドライブを約束してくれます。
世界でも稀有な「本物のオープンGT」

いろいろと触れてきましたが、LC500コンバーチブルの醍醐味は、LC譲りのエンジンとハンドリングにあります。
500馬力近いハイパワーを発生するV8エンジンの奏でる官能的サウンドと、一流の馬術馬のように乗り手の意のままにコントロールできる高い操縦性をあわせもつオープンモデルは、世界でも数少ない存在です。
豪華さと高い走行性能そして国産車ならではのおもてなしを考えれば、1500万円という価格はバーゲンプライスと言っても過言ではありません。