【プロ解説】レクサス LC vs ポルシェ 911、日独オープンカー対決!

国産車では唯一といえる存在のレクサス LC500コンバーチブルですが、海外に目を向けると、メルセデス・ベンツをはじめ、あらゆる高級カーブランドからライバル車がリリースされています。
そのなかからLC500コンバーチブルのライバルとして、ポルシェ 911カレラ カブリオレをピックアップし、全方位で比較してみたいと思います。
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- 4座として使えるのはLCコンバーチブルのほう
- 最高出力、排気量ともにうわ回るLCコンバーチブル
- 50km/h以下で開閉が可能なソフトトップ
- 目指す方向性の違う2台のオープンモデル
- LCコンバーチブルの価格設定はまさにバーゲンプライス!?
4座として使えるのはLCコンバーチブルのほう

レクサスのフラッグシップスポーツカー、LCをベースにオープンモデル化したLC500コンバーチブル。
日本国内での車両本体価格は1550万円。同じ価格帯には、1769万円のメルセデス・ベンツ AMG SLをはじめ、ポルシェ 911カレラ カブリオレ、BMW 8シリーズ カブリオレ、シボレー コルベット コンバーチブルといったライバルが、ひしめきあっています。
そのなかから、ここでは日本でも人気の高いポルシェ911カレラ カブリオレ(2110万円)をピックアップしました。
それぞれのボディサイズは、レクサス LC500コンバーチブルが全長4,770mm×全幅1,920mm×全高1,350mm、ホイールベース2,870mm。
ポルシェ 911カレラ カブリオレは、全長4,542mm×全幅1,852mm×全高1,292mmにホイールベース2,450mmというもので、キャビンスペース(とくにリアシート)に余裕があるのは、サイズがひと回り大きいLC500コンバーチブルになります。
車両重量は、LC500コンバーチブルが2,050kgと2トンを超えるのに対して、911カレラ カブリオレは1,675kgと、欧州のDセグメントセダン並です。

*画像はすべて911ターボ カブリオレ
最高出力、排気量ともにうわ回るLCコンバーチブル
搭載するパワートレインは、LC500コンバーチブルが最高出力351kW(477PS)、最大トルク540Nmをそれぞれ発生する5.0L V型8気筒DOHCエンジンと10速ATの組み合わせで、駆動方式はFR。
911カレラ カブリオレは、最高出力290kW(394PS)、最大トルク450Nmを発生する3.0L水平対向6気筒ツインターボエンジンにデュアルクラッチの8速PDKの組み合わせで、駆動方式はRRです。
ラゲッジスペースは、レクサス LC500コンバーチブルが147L、ポルシェ 911カレラ カブリオレは128Lというミニマムサイズ。
数値的にはそれほど変わりがないように見えますが、911系のラゲッジスペースはフロントにある関係で、幅が狭く縦に深い形状。
対してFRレイアウトのLC500は、ボディ後方に慣れ親しんだ形状のラゲッジスペースが用意されているので、使いやすさという点ではLCが上になります。
50km/h以下で開閉が可能なソフトトップ


ソフトトップの開閉時間は、レクサス LCコンバーチブルが約15秒(オープン時15秒/クローズ時16秒)で、時速50km以下なら走行中でも開閉可能。
対してポルシェ 911カレラ カブリオレの開閉時間は約12秒で、こちらも時速50km以下なら走行中でも開閉可能。約3秒を長いと感じるか、感じないかは、シュチエーションによるかもしれません。
目指す方向性の違う2台のオープンモデル

LC500コンバーチブル、911カレラ カブリオレ、どちらも運転する楽しさを味わえることに違いはないものの、その方向性が大きく異なっています。
レクサス LC500コンバーチブルは、大型クルーザーのような緩やかな波形の走りが特徴。路面からの入力はタイヤとサスペンションで吸収し、不快な振動は皆無です。

対して、ポルシェ 911カレラ カブリオレは、タイヤがころがり出した瞬間から、ボディ剛性の高さを感じます。クローズドボディに匹敵するボディ剛性により、一般道で可能な速度域では目立ったネガもありません。
くわえてスポーティに味付けされたサスペンションが、路面からの入力を即座に収束させ、アグレッシブな走りを可能にしています。
LCコンバーチブルの価格設定はまさにバーゲンプライス!?

誤解を恐れずに言ってしまえまば、レクサス LC500コンバーチブルは、高い静粛性と滑らかな加速性能が特徴のラグジュアリーオープンカー。
ポルシェ 911カレラ カブリオレは、アスリートのような生粋のスポーツオープンカーと、まったくキャラクターが異なっています。
それぞれ好みもあると思いますが、約500万円という2台の価格差を考えると、レクサス LC500コンバーチブルの1550万円というプライスはかなり割安と言えるでしょう。