中古でホンダ・ゼストを買うならこのモデルがおすすめ!

ゼストは、当時、軽の看板モデルであったライフと同じプラットフォームをベースとした軽ハイトワゴンです。
スクエアな2ボックスモデルであったザッツの後継的モデルとして2006年3月に発売されました。
ホンダ自慢の低床プラットフォームによる積載性の高さ、荷室スペースの広さも誇り、助手席リフトアップシート車、車いす仕様車も設定するなど、空間効率の高さが美点です。
現在のNシリーズに通じる、低床設計による空間効率の高さ

現在もホンダ車の軽自動車やコンパクトカー、コンパクトミニバンは、低床設計による空間効率の高さが自慢です。
小さめのクルマ向けのプラットフォームである「センタータンクレイアウト」は、良好な乗降性を実現し、フラットで広い後席足元空間、荷室の開口高(地面から開口部下側まで)を抑えることで、荷物の出し入れしやすい利点があります。
ゼストのテールゲート開口高は、当時の軽自動車でもトップクラスの低さ(530mm)で、自転車などの大きな荷物に対応。
また、全高を1635mmに抑えつつ、1340mmという室内高を実現し、これはステップワゴンに匹敵する広さでした。
同時に、エンジンコンパートメントを小さくすることで、広い室内と荷室に寄与しています。こうした低床設計による空間効率の高さは、現在のN-BOXなどにも受け継がれています。

リヤドアはヒンジ式ではあるものの、前後ドアともに開く角度を3段階用意することで、狭い駐車場などでの乗降に配慮。
また、前席のヒップポイントを少し高めにすることで、大きく屈むことなく乗り降りできました。
リヤには、地上から340mmの高さにステップを設けることで、子どもでも楽にアクセスできます。
また、後席の前倒し(格納方法)もヘッドレストを装着したまま床下にダイブダウンさせることで、荷室から低く、フラットのまま拡大できました。
後席の格納と戻す際は少し手間がかかるものの、積載性を重視したゼストらしい設計になっています。

パワートレーンは、「i-DSI」と呼ぶNAとターボエンジンを設定し、4速ATとの組み合わせ。
また、全タイプに生活四駆である4WDも用意していました。街乗り中心であればFF、高速道路も使うのであればターボが頼もしく感じるはず。
装備では、軽初のサイドカーテンエアバッグシステム(前後席)やHDDナビゲーション、アレルフリー高性能脱臭フィルター付エアコンなども採用しています。
2007年1月のマイナーチェンジで「スポーツ」中心の品揃えに

2007年1月にはマイナーチェンジを受け、「ゼスト」は、グレードを「D」の1タイプに縮小。「ゼスト・スポーツ」中心の品揃えになっています。
なお、2008年12月のマイナーチェンジで、新バリエーションのゼスト・スパークを追加。
このマイナーチェンジでは、エンジンの改良により燃費向上を図り、スマートキーシステムやAM/FMチューナー付CDプレイヤーを全車標準化するなど、利便性向上も盛り込まれました。
その後、2009年6月と11月、2011年2月に一部改良が行われたほか、特別仕様車などが追加されています。

ゼストは、NシリーズのN-ONEに引き継がれるカタチで2012年に販売を終えています。
また、時代的に衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備は未設定。販売終了から約10年が経っていますが、物件数は多く残っていて、走行距離の短い個体も少なくありません。
スポーティなスタイリングを重視するのならまさに「ゼスト・スポーツ」が適任で、道具として割り切るのであれば「ゼスト」の「D」で不足はないはず。
さらに、途中から追加された「ゼスト・スパーク」も合わせることで選択肢がグッと拡大します。
10年超のゼストだけに、価格もこなれていますが、各物件の状態のチェックは徹底したいところです。