レーシングカーからのフィードバック多め。GT-R NISMOのインテリア

各部にレーシングカーからフィードバックを受けて完成された歴代最高との呼び声も高い24年モデルの日産GT-R NISMO。
そのフィードバックは、インテリアにもおよんでいます。ここでは、日産 GT-R NISMO 24年モデルのインテリアについて解説します。
現在のインテリアデザインは17年モデルがベース

日産 GT-R NISMOのインテリアは、コックピットには安定感を演出する水平基調の流れを採用しつつもメーターからコンソールまでドライバーを包みこむようなレイアウトを採用することで、ドライバー中心の空間を演出しています。
全体のデザインは13年モデルから受け継いだもので、NISMOレーシングドライバーからアドバイスを受けたというステアリングホイールは、レッドセンターマークとレッドステッチ付きのアルカンターラ巻3本スポークタイプ。グリップ、フィードバック、快適性を最高のバランスで実現しているのが特徴です。
またNISMO専用カーボン調コンビメーターのタコメーターはレッドリング付き。メーターリッドにもアルカンターラを採用することで、クルマ全体にレーシーな雰囲気が漂っています。
17年モデルでコクピットまわりが刷新され、ダッシュボードの上層部をはじめ、ステアリングホイール、センターアームレストが高品質のアルカンターラレザーになりました。

またパドルシフトは、コラム固定タイプからステアリングホイール固定タイプに変更。
操作力やストローク量、操作時のクリック感も最適化され、ドライバーがステアリングから手を離すことなくシフトチェンジできる操舵角領域も広げています。

カーボン製のセンターコンソールには、スイッチとダイヤルで構成されるディスプレーコマンドコントロールを装備。ドライバーは、運転中でもモニターにタッチすることなく車両設定の変更操作を可能としました。

センターダッシュボードのナビやオーディオのスイッチは、従来の27個から11個へと簡略化。くわえてタッチパネルモニターを8インチに拡大するとともに、大型のアイコンを採用することで、操作性と視認性を向上させています。
細かなところでは、エアコンベントのノブやハウジングの操作性も見直し、心地良い操作感を提供しています。
たかがシート、されどシート。クルマの操作性に影響するシート性能

GT-R NISMOのインテリアでもっとも進化しているのがフロントシートです。24年モデルでは、シート剛性とホールド性を高めた専用レカロ製カーボンバックバケットシートを採用しています。
20年モデルから採用しているシートバックシェルのコアフレーム構造にくわえ、24年モデルではフレームを閉断面化して剛性を向上させています。
その結果、ブレーキングではシートバックの前後剛性の向上により踏力を余すことなくブレーキペダルに伝えることが可能となりました。
またコーナリングから全開タイミングにかけては、横剛性を向上したシートバックにより高い旋回Gにも身体が振られないホールド性で身体を支え、コーナリング時の操作性を向上させています。
表面のウレタンパッドは部位ごとに硬度を変える凝りようで、ステアリング操作時にも肩の動きをか妨げず適確な操作を可能としました。
リアはあくまでも緊急用と割り切るべき

リアシートは存在しているものの、他の4座スポーツカーと同様、あくまでも2+2といった居住性しかありません。
リアシートはエマージェンシー的なもので、普段使いでは荷物置き場と割り切るべきでしょう。身長170cm以上の大人が乗ると、足元も狭く、頭上もかなり圧迫感があるため、長時間の移動ではストレスを感じるかもしれません。

いっぽうトランクルームは、標準車同様にゴルフバッグなら2セット、スーツケースは特AサイズとCサイズを各1個積み込めるスペースが確保されていますから、2名で3泊4日程度の旅行ならば、まったく問題ありません。

速さだけでなく実用性も兼ね備えている日産 GT-R NISMOは、これまでさまざまなスポーツカーを乗り継いできたという豊富な経験のある大人のオーナーにこそ、おすすめしたいグランドツアラーなのです。