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【プロ解説】MTも選べる!? レクサス LBXにモリゾウエディションが登場!!

レクサス LBX "MORIZO RR"

東京オートサロン2024でコンセプトカーとして初公開されたレクサス LBX MORIZO RRが、2024年7月より市販化されました。

レクサスでもっとも小さいSUVに、GR ヤリス Rally2にも搭載されている300馬力オーバーのG16E-GTS型1.6L直列3気筒ターボエンジンを搭載したハイパフォーマンスモデルのLBX MORIZO RRは、はたしてどんな走りを魅せてくれるのでしょうか?

インプレッションを中心に解説します。

Chapter
コンセプトカーがそのまま市販化された!LBX “MORIZO RR”
上質さと洗練されたデザインをまとったハイパフォーマンスSUV
クルマの基本素性を徹底的に鍛え上げ実現した非日常の高揚感を味わえる走りを実現
スポーツ走行性能と力強い加速による走る楽しさ
高いパフォーマンスに裏付けられたデザイン
オリジナルの1台を選べるビスポークビルド
クルマとの一体感にもこだわった各部のチューニングにも注目
あらゆるドライバーが運転を楽しいと思える絶妙なパランス
作り手の想いが強く反映されたMORIZO RR

コンセプトカーがそのまま市販化された!LBX “MORIZO RR”

レクサス LBX MORIZO RR CONCEPT

前年の2023年11月にデビューしたレクサス LBXに、GR ヤリスやGRカローラに搭載されている1.6L直列3気筒ターボエンジンを搭載したLBX MORIZO RR CONCEPTが公開されたのは、2024年1月に開催された東京オートサロン2024でした。

ただし、それはあくまでもプロトタイプであり、もし発売されたとしても生産台数が決められた限定モデルになるだろうと考えた人も多かったはずです。

ところが、2024年7月18日に国内仕様のレクサス LBX MORIZO RRを発表。通常のカタログモデルとして販売されることになりました。

上質さと洗練されたデザインをまとったハイパフォーマンスSUV

LBX MORIZO RRは、レクサスらしい上質な走りと洗練されたデザインはそのままに、非日常の高揚感を味わえるハイパフォーマンスモデルとして開発されました。

全長約4.2mのボディに最高出力224kW(304ps)を発生する1.6 L直3ターボエンジンを搭載し、そのパワーを惜しみなく活かしきれるように素性中心に徹底的に鍛え上げられています。

そのおもな特徴は

①クルマの基本素性を徹底的に鍛え上げ実現した非日常の高揚感を味わえる走り

②モータースポーツで培われたスポーツ走行性能と力強い加速による走る楽しさを提供

③コンパクトでありながらも存在感のあるプロポーションはそのままに、高いパフォーマンスに裏付けられたデザインを実現

④豊富なバリエーションからオリジナルの1台を選べるオーダーメイドシステム(Bespoke Build)

の4つです。

クルマの基本素性を徹底的に鍛え上げ実現した非日常の高揚感を味わえる走りを実現

まず「レーシングドライバーとともにクルマの基本素性を徹底的に鍛え上げ実現した非日常の高揚感を味わえる走り」の実現のため、エンジニアはスポーツAWDを前提とした専用プラットフォームを開発しました。

フロントに軽量・高剛性が特長のプラットフォームを採用し、リアにはディファレンシャルギア・サスペンションのサイズや形、剛性、取り付け位置を確保した、ひとまわり大きなプラットフォームを組み合わせています。

ボディには短ピッチ打点を車両全体で469箇所追加するとともに、構造用接着剤の塗布範囲を延長することで振動低減を図ってます。

フロントにマクファーソンストラット、リアにダブルウイッシュボーンというサスペンション構成は、ベース車のLBXと同じですが、フロントはロワアームに熱硬化樹脂を塗布し焼き付けることによって、剛性と減衰を狙った世界初のレスポンス向上減衰構造REDS(Response-Enhancing Damping Structure)を採用。

リアは、ピロボールジョイントを採用することでタイヤのグリップを引き出し、さまざまな路面状況での高いコントロール性を実現しています。

またドライビングポジションは、“ドライバーとクルマとの一体感”にこだわり、ベース車のLBXからヒップポイントを10mmダウン。加えて、ブレーキ・クラッチペダルの踏面角を調整し、スムーズなペダル操作をサポートします。

走行性能だけでなく、室内の静粛性も追求しています。

エンジンマウントの最適配置による起動時のショック低減や、ルーフパネルのマスチックシーラーの一部に高減衰タイプを採用し走行時の車内静粛性を向上。

さらにリアボディサイドには塗布型制振材を設定、フェンダーライナー、エンジンアンダーカバーにも吸音材や制振材を追加することで高い静粛性を実現しています。

くわえて車両の走行状態やドライブモードに応じたスポーツ走行サウンドを演出するアクティブサウンドコントロール機能を搭載。ドライバーは、耳に届くサウンドからも車両の状態を把握できるようになっています。

スポーツ走行性能と力強い加速による走る楽しさ

「モータースポーツで培われたスポーツ走行性能と力強い加速による走る楽しさを提供」には、GRヤリスのために開発された300PSオーバーの1.6L直3ターボエンジンを搭載。

高トルク、高出力に進化したエンジンがスポーツ走行性能を極限まで高めるだけでなく、レクサスならではのチューニングを施し、誰もが伸びやかで気持ちの良い加速を感じられるようになっています。

トランスミッションは、Direct Shift-8ATとレクサスとして初となる6速iMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)を選べます。

マニュアルモードも搭載されたDirect Shift-8ATは、最高回転数まで使い切ることを可能とするギヤ段ホールド制御のほか、素早い変速を実現する高応答アップシフト制御・ブリッピングダウンシフト制御を採用。

通常のAT/スポーツモードでは、リズミカルでテンポの良い変速により、シフト操作に気を取られずステアリング、アクセル、ブレーキの操作に集中したドライビングが可能です。

いっぽうiMTは、車両が変速動作(クラッチ操作、シフト操作)を検出すると、変速後のエンジン回転数を自動で合わせスムーズな変速をアシストします。

駆動方式は電子制御4WDで、トルセンLSDをフロント&リアディファレンシャルに設定し、シーンに応じて前後駆動トルク配分を最適化。滑りやすい路面では、前後配分50:50に固定することもできます。

高いパフォーマンスに裏付けられたデザイン

「コンパクトでありながらも存在感のあるプロポーションはそのままに、高いパフォーマンスに裏付けられたデザインを実現」するためには、エクステリアはもちろんインテリアにもこだわっています。

ワイドトレッド化されたタイヤの張り出しなどにより、タイヤコンシャスでダイナミックでプロポーションのボディは、サーキットなど限界走行時に求められる空力・冷却・運動性能を実現する専用フロントバンパーとフロントグリルを採用

リアは、整流効果をより高めた縦フィンのコーナー形状を持つ専用バンパーと、デュアル化された大口径マフラーバッフルによって、走りのテイストが強調されています。

いっぽうインテリアは、スポーツ走行時にしっかりと身体をサポートする専用フロントシートを採用。表皮一体発泡構造により、ドライバーが身を預けられるホールド感をもたらします。

さらに足もとのアルミペダルやシート表皮のレッドステッチ、カップホルダー周辺のマイクロジオメトリックパターンフィルムなどによって、スポーティさを高めています。

オリジナルの1台を選べるビスポークビルド

レクサス LBX Bespoke Build

「豊富なバリエーションからオリジナルの1台を選べるオーダーメイドシステム(Bespoke Build)」は、装備や装飾をカスタマイズした自分だけの1台に組み上げることが可能。

MORIZO RR専用アイテムとして、イエローのブレーキキャリパーも用意されます。

クルマとの一体感にもこだわった各部のチューニングにも注目

レクサス LBX "MORIZO RR"

今回試乗したLBX MORIZO RR(6MT)は、レッドスピネル&ブラックのバイトーンカラーを纏った標準的な仕様です。

ボディサイズは、全長4,190mm×全幅1,840mm×全高1,535mmで、ノーマルのLBXよりも全幅が15mm広く、全高は10mm低いワイド&ローフォルムを実践。

実車に対峙してみると、数字以上にワイドに見えますし、ブラックに塗装された19インチホイールの効果もあって低さも強調されています。

室内は、ウルトラスエードと本革を組み合わせたインテリアは上質感とスポーティさを絶妙なバランスで両立。

表皮一体発砲構造を採用してホールド性の高いフロントシート、踏面の形状や角度にもこだわったペダル、カチッカチッとショートストロークでリズムよくシフトチェンジが可能なシフトレバーなどは特筆に値します。

アクセルやクラッチペダルの重さも軽すぎず、重すぎずちょうど良い感覚です。

クルマとの一体感は、こういった細々としたことも重要なポイントですが、MORIZO RRでは抜かりなく行われている印象です。

あらゆるドライバーが運転を楽しいと思える絶妙なパランス

レクサス LBX "MORIZO RR"

1.6L直3ターボは、パワフルそのもの。大径ホイールと絶妙な味付けのサスペンション、そして電子制御の4WDによってどんな運転スキルの人でもその力量にあったドライブを楽しむことができます。

今回は高速や一般道に加えて、ワインディングも走行しました。

前後の駆動力配分は状況に応じて最適化されますが、50:50固定のモードではより思い通りのライン取りができるようになり、コーナリング時の加速もシャープさが加わります。

エンジンは、回転数が3,500回転を超えるとサウンドが変わり、ドライバーを高揚させる演出がなされています。LBX MORIZO RRに乗ると、本当にクルマが好きな人が作ったのだと実感できます。

と同時に、ただ速いだけじゃなく、乗り心地の良さや高い静粛性も両立され、プレミアムブランド、レクサスの目指すスポーツカーなのだと理解できます。

作り手の想いが強く反映されたMORIZO RR

レクサス LBX "MORIZO RR"

コンパクトSUVに300PSオーバーのエンジンを積んだ市販モデルは、世界でも稀です。そのなかで、あえてライバルとしてあげるならVWのゴルフRがありますが、作り手の想いはLBX MORIZO RRのほうが強く反映されているように感じられました。

今回は、約200kmを走行して燃費はリッター当たり9.6km/Lというものでした。

これは現代のコンパクトSUVの基準からすれば、かなり悪いほうの数字ですが、平凡な日常に彩りや高揚感を味わうには、十分すぎるパフォーマンスと高い質感を兼ね備えた新しいスポーツカーとして見れば妥当です。

各部にほどこされた入念なチューニングと完成されたクルマをみれば、650万円という価格はバーゲンプライスといえるのではないでしょうか?

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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