小型本格SUVという唯一無二の存在!ついに発売された5ドア版ジムニーの魅力を解説

スズキ ジムニーの5ドア版であるジムニー ノマドが、ついに日本国内でも発売されました。
普通車登録のジムニー シエラをベースに5ドア化したノマドは、ジムニーのボディを単に伸ばしただけでなく、ラダーフレームはもちろんデザインにまで手をくわえてロングボディ化されています。
市場の反応は上々で、発売直後にもかかわらず受注停止になっているジムニー ノマドをひも解いていきましょう。
- Chapter
- インドで生産されるジムニーノマド
- 3ドア版シエラとノマドの違いは?
- ヒップポイントを後方に50mm、上方に20mm移動して居住性をUP
- 基本部分はジムニーシエラと共用
- ファミリー層を中心にちょっとしたブームが来るかも!?
インドで生産されるジムニーノマド

以前から噂されていたスズキ ジムニーの5ドア版であるジムニー ノマドが2025年1月末に発売されました。
インドにあるマルチスズキのグルガオン工場で生産される輸入車です。
しかし、発売からわずか5日で受注が5万台に達し、受注停止に。これは、月間目標販売台数の1200台を大きく超えたためと説明されています。
5ドア版の日本導入を待っていた方が多いという証拠ですが、今後、中古車市場に大幅なプレミアが付いて出回ることは必至です。
3ドア版シエラとノマドの違いは?
スズキのジムニーシリーズは、190を超える国と地域で販売され、2024年10月には累計台数が350万台に達しています。
乗用はもちろん、はたらくクルマとして活躍していて、壊れても修理しやすいなどの利点を活かし、タフな砂漠や山岳路などのほか、イタリアでは警察車両としても採用されています。
今回、追加されたジムニー ノマドは、プロユースを想定した3ドアのジムニー シエラに対し、5ドア化とすることで4人家族でも現実的な乗降性、居住性を備えたモデルです。
なおシエラと同様、室内は4人乗りになります。

ボディは、シエラよりも全長とホイールベースを340mm延ばし、リヤドアを追加しただけでなく、フロントドアも新設計されています。
4枚ドアになったことで、フロントドアは短く、軽くなり、狭い場所でも開けやすくなっています。
左右2枚ドアのシエラの場合、ドア開口幅が大きく、乗降時に隣の駐車車両や障害物に気を使う必要がありますが、リヤドアが追加されたことで、前後席とも乗降性が改善されました。
ヒップポイントを後方に50mm、上方に20mm移動して居住性をUP
後席は、座面も背もたれも厚さを増し、シートサイズも拡大。スライドこそしないものの、背もたれはリクライニングが可能で、座り心地や姿勢の自由度も大きく向上しています。
またヒップポイントは50mm後方に下がり、膝まわりの余裕を生み出しています。
くわえてヒップポイントを20mm高めたことで、前席見晴らし性も改善されているなど、非常席の域を出ない印象のシエラの後席よりも、快適性が格段に高まっています。
さらに、車軸の上に後席が乗っているためシートの両サイドにタイヤハウスの張り出しがあるシエラにくらべて、ホイールベースの伸ばされたノマドでは、タイヤハウスの張り出しが荷室側に移動したことで、後席左右間の距離は+90mmとなり、横方向にも余裕が感じられます。

荷室も広くなっています。荷室長は590mmで、シエラよりも350mm長くなり、4人家族で2泊程度の荷物を積み込むには必要十分な広さが確保されています。
ただしシエラでは後席の背もたれを前方に倒せば大きくフラットな荷室を確保することができたのに対し、ノマドでは後席のデザインが変わったことで荷室床面とシート背面に段差が生まれるようになりました。フラット化は、純正アクセサリーで対応します。
またシエラにあったラゲッジアンダースペースはなくなり、その場所にはジャッキなどの工具類が収まるのみとなっています。
基本部分はジムニーシエラと共用

伝統のラダーフレームは、ロングホイールベース化に対応するため、センターを中心に延長。クロスメンバーを追加するとともに、サイドフレームリンフォースを追加して、必要な強度と剛性を確保しました。
足まわりの3リンクリジッドアクスル式サスペンションなどは踏襲。最小回転半径は、シエラの4.9mから5.7mになっています。

パワートレインの1,460ccの直列4気筒ガソリンエンジン、4ATまたは5MTのトランスミッション、駆動方式のパートタイム4WDもシエラと同じです。
5ドア化にともない車重が100kg重くなったことで、燃費が若干低くなったほか、足まわりのセッティングが異なり、ロングホイールベース化により走りのキャラも変わっているはずです。
ファミリー層を中心にちょっとしたブームが来るかも!?

発売直後の受注をみればスマッシュヒットが確実なジムニー ノマド。
ライバルは、街乗りSUVになりますが、ダイハツ ロッキー/トヨタ ライズ、軽自動車ではジムニー、スズキ ハスラー、ダイハツ タフト、かつての三菱パジェロ ミニなどになりますが、ラダーフレームを使ったコンパクトSUVはジムニー シエラくらいしか残っておらず、ほぼライバル不在という状況です。
これまで2ドアだったことから購入を躊躇していたファミリー層を中心にブームになるかもしれませんね。