300万円から狙える日独プレミアムSUV。メルセデス GLCとレクサス NXを徹底比較

多くの人が憧れるプレミアムSUV。なかでも、メルセデス・ベンツ GLCと、レクサス NXは、日本国内の道路事情でも扱いやすいサイズ感と、誰もが納得のブランド力で人気です。
とはいえ800万円オーバーという乗り出し価格は、庶民にはちょっとばかり高額。おいそれと手が出せません。
そこで提案したいのが、中古車という存在。なかでも狙い目となるのが、先代のメルセデス・ベンツ GLCとレクサス NX です。
- Chapter
- 新型がデビューして先代モデルが買いやすくなったGLCとNX
- じつは2台のボディサイズはほぼ同じ
- 落ち着いた雰囲気のGLCとスポーティなNX
- 税金関連もほぼ同じだが、NXハイブリッドは自動車税が高い
- 普段使いならNXハイブリッド、ロングドライブやレジャーを楽しむならGLCディーゼルがおすすめ
新型がデビューして先代モデルが買いやすくなったGLCとNX

先代のメルセデス・ベンツ GLC(X253)は、2016年のデビューで2023年まで販売されました。
プラットフォームはCクラス(W205)と共通で、曲線をたくみに組み合わせたエクステリアデザインに仕立て上げられています。
また2017年にはGLCクーペ(C253)を追加するなど、老舗プレミアムブランドの底力を感じさせます。

対するレクサス NX(AZ10)は、「Premium Urban Sports Gear」をコンセプトに掲げ、2014年にレクサス初のコンパクトSUVとしてデビュー。2021年に2代目(AZ20)へと進化しています。
初代NXのエクステリアデザインは、レクサスのアイデンティティでもあるスピンドルグリルにシャープな LEDヘッドライトを組み合わせるなど、全体的に若々しいデザインでまとまっているのが特徴です。
じつは2台のボディサイズはほぼ同じ
気になるボディサイズは、GLCが全長4,660mm×全幅1,890mm×全高1,645mm、NXは全長4,630mm×全幅1,845mm×全高1,645mmで、全幅以外はほぼ同じサイズ。最小回転半径はGLCが5.6〜5.7m、NXは5.3m〜5.7mです。
気になるラゲッジ容量は、GLCが550リットルでNXが520L。数値上ではGLCに劣るNXですが、ゴルフバックの積載ではリアシートを使用した状態でいずれも3個と変わりがないなど、普段使いではそれほど気にならないでしょう。
ガソリン、ディーゼル、PHEVを用意するGLC、ガソリンとハイブリッドのNX

パワートレインは、GLCはデュー当初が2種類の2.0Lガソリンターボと2.2Lディーゼルターボ、2019年1月にはプラグインハイブリッドを追加するとともに、同年秋のマイナーチェンジでは、ディーゼルエンジンが新開発の2.0Lディーゼルターボに置き換わるとともに、2.0Lガソリンターボも刷新されています。
駆動方式は2.0LガソリンターボのGLC200が2輪駆動(FR)、その他はフルタイム4WDの4MATICです。
燃費は、GLC唯一の2輪駆動(FR)であるGLC200が13.6km/Lで、2.2LディーゼルターボのGLC220d 4MATICが16.2km/L(いずれもJC08モード)。後期は、ガソリンのGLC300 4MATICが10.9km/L、2.0LディーゼルターボのGLC220d 4MATICが18.0km/L(WLTCモード)、プラグインハイブリッドの350eは12.4km/Lですが、モーターのみで最大118kmの走行を可能としています。

いっぽうNXは、デビューから2.0Lガソリンターボと、2.5Lハイブリッドの2つ。駆動方式は、2輪駆動(FF)とフルタイム4WDが用意されます。
WLTCモード燃費は、ガソリンターボのNX300(NX200t)が12.0〜12.6km/L、ハイブリッドのNX300hは16.2〜17.8km/Lとなっています。
落ち着いた雰囲気のGLCとスポーティなNX

内装は、GLCはウッド、アルミ、レザーを上手に使い分けているのが特徴で、曲線を活かしたデザインが高級感を引き立てています。インフォテイメントシステムは、前期がCOMANDシステムと7インチもしくは8.4インチのモニターの組み合わせ。
2019年以降の後期モデルでは、MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)が導入されています。

対するNXは、金属を削り出したような質感のセンターフレームに囲まれたインストルメントパネルを中心に、コクピットはドライバーを包み込むようなスポーティな雰囲気で仕立て上げられています。
ナビ画面は、前期モデルが7インチで後期モデルは10.3インチになるので使いやすさを考えると後期モデルがおすすめです。
税金関連もほぼ同じだが、NXハイブリッドは自動車税が高い

購入後に掛かる自動車税は、GLC、NXともにガソリン車の排気量は2.0Lなので3万9500円(令和元年10月1日以降に初回新規登録をした車両は3万6000円)、プラグインハイブリッドのGLC350eも2.0Lの排気量なのでガソリン車と同じ、NXのハイブリッド300hは2.5Lの排気量で4万5000円(令和元年10月1日以降に初回新規登録をした車両は4万3500円)、ディーゼルのGLC220d は4万5000円(令和元年10月1日以降に初回新規登録をした車両は4万3500円)です。
ガソリン車は13年、ディーゼル車は11年を経過すると15%の重課となるので、GLC、NXともに初期モデルを購入する際には注意が必要です。
いっぽう車両重量で税率が代わる自動車重量税は、GLC、NXともに2年で3万2800円、プラグインハイブリッドのGLC300eはエコカー減税が適用されて初回車検は0円、以降は4万1000円、ハイブリッドのNX300hは2万円。こちらも13年を超えると重課の対象となります。
普段使いならNXハイブリッド、ロングドライブやレジャーを楽しむならGLCディーゼルがおすすめ

先代モデルであれば、中古市場での平均価格はメルセデスGLC、レクサス NXとも300万円〜350万円に収まっていて、走行距離も5万キロ前後で探すことができます。
タマ数は、当然レクサス NXが多くて、ガソリンとハイブリッドは半々。メルセデス GLCは、ガソリンとディーゼルがほぼ同じで、プラグインハイブリッドは少なくなっています。
そのなかからあえておすすめを探すのであれば、普段の燃費が気になる方はNXのハイブリッドモデルである300hのFF車。
普段使いからロングドライブ、アウトドアレジャーまで、すべてにおいて及第点を求める方は、GLCのディーゼルモデル220d 4MATICがおすすめとなります。