長年連れ添って古くなったクルマ。まだ乗れるけど、乗り換えたほうがいいの?
「古いクルマは乗り換えた方がいい」という話はよく耳にしますが、長年家族に連れ添ったり、気に入って初めて購入したなど、思い入れが強くてなかなか乗り換えに踏み切ることができないという人もいるでしょう。
しかし金銭的なことを考えると、いまの日本では乗り換えたほうがベター。その理由を5つのパートに分けて解説します。
そろそろ買い替えを考えている方は必読です。
- Chapter
- 税金は新車登録13年目から高くなる
- ボディや内装表面は確実に劣化するもの
- 直したくても、補修部品が無い!
- 電装系の修理は高額出費を覚悟しよう
- 事故をもらったときに車両の評価額が低い
- 安全を優先するならできるだけ新しいモデルがいい
- 特別な思い入れや趣味を除けば、古いクルマは乗り換えたほうがイイ
税金は新車登録13年目から高くなる
クルマは、古くなると排気ガスなどが地球環境を悪化させるという理由から、税金が高くなります。
まずクルマの所有者が納める自動車税(種別割)は、ガソリン車は新規登録から13年、ディーゼル車は10年が経過すると自動的に税率が15%も上がります。
この税金の上昇に対する正しい根拠は示されていませんが、日本で使用する以上はこのような制度になっています。ただしハイブリッド車やEVは課税の対象外で、税率は維持されます。
また車検時に納めている重量税も、ガソリン車は13年、ディーゼル車は11年を経過すると増税され、さらにガソリン車は18年経過するもう一段階アップします。ただしここでもエコカーは対象外で、税率は維持されます。
分かりやすく2.0Lクラスのミニバン(ガソリン車:2019年9月30日以前初回新規登録)で解説すると、それまで年額3万9500円だった自動車税は、新規登録から13年が経過すると約4万5400円にアップします。
重量税は、年額1万6400円(4100円/t)が13年で2万2800円(5700円/t)、18年を超えてくると2万5200円(6300/t)にアップ。車検時には2年分を納めるので、「毎回、結構な負担」と思っているものがさらに大きく感じます。
ボディや内装表面は確実に劣化するもの
使用環境にもよりますが、長く乗り続けているとクルマのボディは強い紫外線や潮風、雪道などの塩害などで劣化などが進みます。いつも綺麗にクルマを乗りたい日本人としてはとても気になる部分ですよね。
ボディの美しさを取り戻すために全塗装をすると最低でも50万円程度の費用が必要ですし、補修などもそれなりに出費を覚悟しなければなりません。
また内装も、本革ステアリングがキズ付いたり、シートは乗り降りによる擦れ(とくに運転席!)が目立ったり。またシートは内部がヘタると本来の性能を発揮できず長時間快適に走ることが難しくなることもあります。
直したくても、補修部品が無い!
部品の集まりといわれるクルマは、長く乗れば乗るほど、経年劣化や摩耗などで修理箇所が増えてきます。
修理や補修には、メーカーのパーツを使うわけですが、車両の生産が終了されてから10年ぐらい経つと、メーカーもパーツの生産を止めていて、ユーザーが望んでも修理が出来ない事態におちいることもあります。
足まわりは、ショックアブソーバーの寿命やカバーやブッシュといったゴムパーツの劣化や破損。ハブベアリングの摩耗によるガタなど、なにかと修理が必要になります。
代表的な例では、経年劣化で光量不足になったヘッドライトユニットの交換をしようとメーカーに問い合わせたところ、欠品になっていたというのはよくある話です。
電装系の修理は高額出費を覚悟しよう
経年劣化は、電装系でも多く発生します。多いのが発電機であるオルタネーターやセルモーター関係のトラブル。アイドリングストップ機構の付いたクルマは、バッテリーにくわえてオルタネーターやセルモーターにも負担をかけています。
アイドリングストップが広がった2010年前後のクルマは、要注意です。使用頻度にもよりますが、おおむね交換が必要になってきます。
また古いエアコンも同様。コンプレッサーの故障やエバポレーター、ヒーターコアという熱変換しているラジエターがダッシュボード内に入っていますので、破損するとかなり高額な修理代が待っています。
事故をもらったときに車両の評価額が低い
長く大事に乗っられてきた愛車であっても、世間一般の目から見ればただの古いクルマです。そんな愛車が事故に巻き込まれると、相手が保険に加入していても、十分な保障が受けられないケースが多くあります。
簡単に説明すると、大切に乗ってきた愛車が登録から10年以上、走行距離も10万キロ以上になり、中古市場では数十万またはほぼ値段がつかないと判断されると、お金をできるだけ払いたくない保険会社は全損扱いにして市場価格を提示してきます。
その金額で修理費をまかなうことができればよいのですが、多くのケースでは修理費よりも低い金額となり、ユーザーは泣き寝入りするか、弁護士をつかって保険会社と戦うことになります。
保険に弁護士特約が付いていれば、費用は保険でまかなえますが、裁判になりが余計な時間と労力が奪われることになります。
安全を優先するならできるだけ新しいモデルがいい
年々進化している運転支援機能は、長時間の使用による内部の電子部品の性能低下が発生して、古いクルマでは故障なども増えてきています。修理には、エーミングと調整が必要になります。
運転支援機能は、性能進化がいちじるしいパーツなので、安全を重視する場合は、クルマの買い替えを検討したほうが良いでしょう。
特別な思い入れや趣味を除けば、古いクルマは乗り換えたほうがイイ
先手先手でメンテや修理を施しているケースを除いて、クルマは10年前後でトラブルが頻発するようになり、その都度出費を強いられることになります。
また普段から念入りに手をかけていても、部品の経年劣化は避けられず、新車時に装着した純正ナビがメーカーサポートが切れてアップデートできず、新しい道路が表示されないなどの問題も発生して買い替えを余儀なくされたりします。
余計な出費を避けるためにも、思い入れのある場合を除いて、古いクルマは乗り換えたほうが良いでしょう。




























