100万円台で選べる中古ミニバン。編集部おすすめの8台を解説
いざミニバンを買おうと思っても、中古車を含めると車種が豊富で、あれこれ比べているうちにいろいろと目移りしてしまうかもしれません。
燃費のよさ、運転のしやすさ、荷物がたくさんつめるかどうかなどなど、検討する項目はたくさんありますが、優先順位をきめて、できればいろいろと試乗して、しっくりときたミニバンを選びましょう。
ここでは編集部おすすめの8台を紹介します。
- Chapter
- 100万円台の予算があれば、ミニバンはいろいろと選択肢がある
- 最優先する性能をまず考えましょう
- 100万円台で選ぶ編集部おすすめミニバン8選
- ホンダ フリード(GB3/4、GP3型)
- トヨタ ウィッシュ
- マツダ ビアンテ
- リーズナブな中古車だからこその楽しみ方もある
100万円台の予算があれば、ミニバンはいろいろと選択肢がある
ミニバンは人気カテゴリーなので、各メーカーはエントリーや女性ユーザーに向けたコンパクトなモデルから贅を尽くしたハイエンドモデルまで、幅広く市場に投入しています。
とはいえ、新車のミニバンはそれなりの価格で、限られた予算では選べる車種も少なくなってしまいます。そこで提案したいのが、中古ミニバンの購入です。
中古車なら新車以上に選択の幅は広がり、グレードやオプションなど、同じ車種であっても異なる仕様が選べます。
価格に関しても、子育てにお金のかかるファミリー層にも手の出しやすい100万円台で、さまざまな車種が見つかります。
最優先する性能をまず考えましょう
色やデザイン、室内の居住性、エンジンの性能など、さまざまな観点で多くのユーザーから検討、比較され、その結果として同じミニバンでも人気不人気が発生します。
他の車種も同じですが、ミニバンの中古車を選ぶときには、どの要素を重視するかということが重要です。
基本的には走行距離や年式を基準にクルマの状態を優先するか、それとも室内の使い勝手や燃費性能など他の要素を重視するかということになります。
例をあげれば、後席に乗る人の快適性を優先してリアモニター装着を重視して選ぶという方や、見た目重視でエアロパーツが装備されたグレードを優先するという方など、人によって重視するポイントはさまざまです。
難しいのはメーカーの上位モデルが、燃費や維持費ではミドルクラスに劣ることもあるという事実。値段が高くても、普段使いでは持て余すということがあるのです。
ざっくり100万円台で買える中古ミニバンを解説すると、走行距離5万キロ程度の状態が良い不人気車種か、7年落ち以上で走行距離は10万キロ前後の人気車種という2つのパターンがあります。
いずれにしても、ある程度の取捨選択ができますので、チェック項目を用意して、優先順をつけて選ぶようにしましょう。
100万円台で選ぶ編集部おすすめミニバン8選
トヨタ ヴォクシー(80系)
若い子育て世代を中心に人気のトヨタ ヴォクシーは、80系がターゲットです。年式や距離の違いはありますが、ほぼすべてのグレードを購入することが出来ます。
80系には、ハイブリッドとガソリンモデルがあり、ハイブリッドモデルは1.8L、ガソリンモデルは2.0Lの直列4気筒エンジンをそれぞれ搭載。
なかでもハイブリッドモデルは、WTLCモード燃費が19.0km/Lと、気になるランニングコストも安く抑えることができます。
人気の「煌」シリーズは、ドアハンドルやフロントグリルなどのメッキ加飾に、室内のセンタークラスターパネルもピアノブラック塗装になるなど、欲しい装備がてんこ盛りされた限定モデル。
最終型の「煌Ⅲ」では従来はファブリックシートだったものが、ブランノーブと合成皮革に変わり、LEDルームランプやナノイーなど、快適性がアップしています。
また「煌」シリーズはスライドドアが左右ともパワースライドドアになっているのに対し、ベースとなっている「ZS」グレードはメーカーオプション。装着されていない個体もあるので、中古車購入前には確認が必要です。
日産 セレナ(C27型)
日産 セレナは、先代モデルであるC27型がターゲットです。
e-POWERやデュアルバックドアやハンズフリースライドドア、クラスナンバーワンの低燃費など、先進の機能がてんこ盛りでデビューしたセレナは、e-POWERは前期型、ガソリンエンジン車は前後期ともに100万円台で見つかります。
全長4,690mm×全幅1,700mm×全高1,870mmと、取り回しのしやすいサイズですのでミニバン初心者でも気負うことなく運転することができます。
足を動かすだけで開閉できる「ハンズフリースライドドア」と、リアゲートがガラス部分のみとゲート全体の2種類の開き方ができる「デュアルバックドア」は、セレナならではの子育てファミリーに優しい装備です。
プロパイロットはメーカーオプション。USB電源ソケットはメーカーオプションまたはグレード別設定なので、購入前に装備の有無を確認しましょう。
ボディは標準車とエアロタイプの「ハイウェイスター」が準備され、好みや使用方法により選ぶことができます。
また中古車のタマ数は少ないものの、4WDモデルも存在しますので寒冷地などの方にもおすすめです。
トヨタ アルファード(30系)
トヨタの人気ミニバンであるアルファードは、2008年デビューで先々代の2代目にあたる20系と、2015年デビューの先代、3代目30系がターゲットです。
装備や低走行車を選ぶなら10系アルファードもアリですが、10系は各部の経年劣化が心配。新しさを求めるのであれば30系を選ぶことになります。
ただし30系は、前期モデルかつ走行距離は10万キロ前後という物件になりますから、故障などが不安という方は中古車保証がついているお店で購入すると良いでしょう。その際、中古保証はお店や代理店によっても違いがあるので、内容をよく吟味してください。
パワートレインは、20系が2.4L直列4気筒と3.5L V型6気筒のガソリンエンジンと、2.4Lハイブリッド。30系は2.5L直列4気筒と3.5L V型6気筒と、2.5Lハイブリッドというラインナップです。
20系アルファードのおすすめは、ガソリンエンジン車に用意された特別仕様車「S"type GOLD”」と「S"type GOLDⅡ"」です。
専用アルミホイールをはじめ、スモークメッキのフロントグリルとバックドアガーニッシュを備えた外観に、内装はゴールドをあしらった黒木目パネルやセンタークラスター、アルカンターラの表皮とサイドに本革とブラック人工皮革をあしらったシート、デュアルパワースライドドア、パワーバックドアなどを標準装備。
「S"type GOLDⅡ"」では、100Vのアクセサリーコンセントも用意され、ちょっとした電源確保にも使えます。
ハイブリッドモデルは20系モデルであれば100万円台で購入可能ですが、ガソリンモデルをチョイスしたほうが多くの物件から選ぶことができます。
ホンダ フリード(GB3/4、GP3型)
大人気のホンダ フリードは、初代のGB3/4型とGP3型がターゲットです。
2008年のデビューで、ライバルのトヨタ シエンタが、女性オーナーを意識して可愛らしく作られていたのに対し、フリードは上位モデルをそのままダウンサイジングをしたようなデザインがヒットにつながりました。
全長4,215mm×全幅1,695mm×全高1,715mmという5ナンバーサイズのボディは、都内の狭い駐車場や、田舎の農道を舗装したような細い道でも扱いやすくなっています。
モデルバリエーションは、フリードと2010年に追加された2列シートで5人乗りのフリード スパイクの2つで、それぞれ2011年のマイナーチェンジでハイブリッド版が追加されています。
パワートレーンは、1.5Lのi-VTECエンジンと、1.5LエンジンにIMA(インテグレーテッド・モーター・アシストシステム)を追加したハイブリッドの2種類で、駆動方式はガソリン車がFFと4WD、ハイブリッド車はFFのみ。
ガソリン車でも87kW(118PS)の最高出力を発生しているので、荷物を積んだ長距離移動もラクにこなすことができます。
気になる燃費は、ガソリン車が13.2〜16.6km/L、ハイブリッド車は21.6km/Lという低燃費です。
室内は、初期モデルが2列シートの5人乗りと3列シートの8人乗り、さらに2列目がキャプテンシートになる7人乗りの3タイプで、2011年のマイナーチェンジで3列目が3人掛けから2人掛けに変更された以降は、2列目がキャプテンシートの6人乗りとベンチシートの7人乗り、フリードスパイクの5人乗りというバリエーションにあらためられました。
反転フロアボードなど、リアのラゲッジに特化させた5人乗りのフリードスパイクをはじめ、初期の8人乗り、余裕のある6人乗りなど、室内のバリーションも豊富なフリードは、用途や普段の使い方にあわせて選ぶと良いでしょう。
トヨタ ウィッシュ
トヨタ ウィッシュは、ステーションワゴンのような使い勝手と、多人数乗車ができるミニバンの利便性をあわせ持ったミニバンです。
低い車高と室内の低い着座位置で、ミニバンの高い車高やシート座面の高さが馴染まないという方におすすめのウィッシュは、2003年に初代(10系)がデビュー。
2009年に2代目(20系)が登場し、2017年まで生産されました。どちらも100万円以下で狙えますが、ここでは新しい2代目について解説します。
2代目ウィッシュのパワートレインは、1.8Lと2.0LのガソリンエンジンにCVTの組み合わせ。
駆動方式は1.8LがFFと4WD、2.0LはFFのみのラインナップで、2015年の改良後の燃費性能は1.8Lが16.0km/L(FF)と14.4km/L(4WD)、2.0Lは14.4km/Lとなっていす。
ボディバリエーションは、ノーマルタイプの「1.8X」と「2.0G」、エアロパーツをまとった「1.8S」および「2.0Z」で、乗車定員は3列シート7人乗りを基本に、「2.0Z」のみ2列目がキャプテンシートの6人乗り。
内装は、エアロ系がスポーティ、ノーマルはシックな印象ですが、ネットだけではなく出来るだけ実車を見て確認したほうがいいかもしれません。
中古車で気になる消耗品ですが、タイヤサイズは「2.0Z」が215/50R17になるほかは、195/65R15または195/60R16が標準装着なので、タイヤが減っていても比較的安価に交換することができます。
ホンダ ステップワゴン
ホンダ ステップワゴンは、2015年から2020年まで販売された3代目のRP系がターゲットになります。
搭載される1.5L直噴VTECターボエンジンは、先代(2代目)の2.0Lエンジンと同等の110kW(150PS)のパワーと、203Nmのトルクを発生しながら、燃費を向上したダウンサイジングエンジンで、年間の自動車税も3万4500円(1.5L〜2.0Lは3万9500円)とリーズナブルなことがポイント。
いっぽう2017年9月に行われたマイナーチェンジでスパーダに搭載されたハイブリッドは、2モーターの「SPORTS HYBRID i-MDD(現e:HEV)」で、低中速ではシリーズ式、高速域ではパラレル式と使い分けることで燃費と性能を両立しています。
また跳ね上げ式のみならず横開き式にもなるリアの「わくわくゲート」など、ホンダらしい独創的な技術を搭載したミニバンです。
ボディタイプは、標準ボディとエアロタイプの「スパーダ」の2種類。ボディサイズは、全長4,690mm×全幅1,695mm×全高1,840mm(標準ボディ)というもので、5ナンバーサイズしか入庫できないという駐車場問題もクリアします。
先進安全装備のHonda SENSING(ホンダセンシング)は、当初は全グレードにメーカーオプションでしたが、2018年モデルからはHonda SENSINGを装備したグレードも用意されています。
トヨタ シエンタ
トヨタのコンパクトミニバンであるシエンタは、2017年デビューの先代モデル170系がターゲットです。
全長4,260mm×全幅1,695mm×全高1,675mmの5ナンバーサイズにきっちりと収まるシエンタの乗車定員は、3列シートの6人と7人、2列シートの5人乗り「ファンベース」の3種類。
パワートレインは、1.5Lのガソリンエンジンとハイブリッドが用意されており、WLTCモード燃費はガソリンエンジンが17.0km /L 、ハイブリッドは22.8km/L(いずれも2WD)です。
フルタイム4WDは、ガソリンモデルのみでハイブリッドにはありません。
「Activ&Fun」をコンセプトとするエクステリアデザインは、トレッキングシューズをイメージしたシャープでアクティブな造形に。可愛い路線の現行モデルがちょっと馴染まないという方は、比較的程度のいい物件が多い、いまチャンスです。
乗り降りの際に気になる地上からフロアまでの高さが2WDモデルであれば330mmという高さで、小さい子さんやお年を召した方も乗降しやすいというのも考えられているポイントです。
メーカーオプションの衝突支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」は、2018 年のマイナーチェンジでアップデート。ふみ違い防止のセンサーなども搭載されているのでこちらの装備が必要な方は年式も確認して購入しましょう。
マツダ ビアンテ
2024年現在、マツダはミニバンを生産していないので、ビアンテがマツダで作った最後のミニバンになるかもしれません。
2008年に初登場したビアンテは、コンパクトミニバンのプレマシーをベースに開発されたワンボックスタイプのミニバンです。
ライバルは、トヨタ ノア/ヴォクシーや日産 セレナで、ヘッドランプからAピラーまでシャープなラインでつながる独特なフロントデザインは、日本の伝統芸能である歌舞伎をイメージしてデザインされたもの。
サイドウインドウは下端を低くするとともにガラス面をおおきく確保。さらに大型の三角窓を採用することで、外観からでも室内の広さを感じさせます。
ボディサイズは、3ナンバー登録となる全長4,715mm×全幅1,770mm×全高1,835〜1,855mmというもので、ライバルよりも室内を広くゆったり取っていることが特徴でした。
シート配列は、シートのヒップポイントを後方に行くにしたがって高くなるように設計し、後席の開放感にも配慮。これは車酔い防止の効果もあるそうですので、お子さんのいる家庭にはおおいに気になるポイントなのではないでしょうか。
パワートレーンは、2013年までの前期が2.0Lと2.3Lのガソリンエンジンに5速ATまたは4速AT(4WDモデル)の組み合わせで、JC08モード燃費は10.0〜12.4km/L。
2013年以降の後期では、FFモデルに2.0LのSKYACTIV(スカイアクティブ)エンジンが追加され、2.3Lが消滅。トランスミッションは6速ATで、JC08モード燃費は14.8km/Lに改善されたので、予算が許せば後期型がおすすめです。
ちなみに4WDモデルは前期の2.0Lエンジン+4速ATのままで最後まで生産されました。
マツダファンには見逃せないファミリーミニバンであるビアンテは、基本設計が古いので、ACCや先進安全運転支援システムといった装備は期待できませんが、トヨタのノア/ヴォクや日産 セレナよりも不人気なので、同じ年式、走行距離で検索してみると、お買い得感はかなり高いです。
また4WDモデルも存在しますので、寒冷地などで使用する際にはこちらもおすすめ。ただし、過走行の個体が多めなので、購入前は販売店でよくチェックしましょう。
リーズナブな中古車だからこその楽しみ方もある
ファミリーで使うイメージの強いミニバンですが、ボディサイズや乗車人数だけではなく、ナビが交換できるタイプの車は最新のカーナビをインストールしてみたり、社外のシートカバーやアルミホイールなどに交換するなど、自分だけのカスタマイズミニバンに仕上げるのもありだと思います。
そんな遊び方ができるのも、リーズナブルな中古車の特権です。