みんな覚えてる？短命だったからこそ、中古車でおすすめのモデル5選
メーカーの思惑とは裏腹に短期間で消えていったモデルは、どのメーカーにも少なからず存在します。
それらはいわゆる不人気車と呼ばれ、人々の記憶から消えてゆく運命です。
しかし見方を変えれば、不人気ゆえに中古車ではお買い得になっているモデルが多く、ネームバリューにこだわらない、コスパ重視のユーザーにはおすすめ。
そんな短命だったおすすめ車を5台ピックアップしました。
- Chapter
- 使い勝手のいいサイズと装備：トヨタ アリオン
- 車高の高いクロスオーバーモデルも用意：日産 ステージア
- 広い室内とパワフルエンジン：ダイハツ ソニカ
- ハイブリッドセダンは後期モデルがおすすめ：ホンダ グレイス
- 欧州市場を狙ったコンパクトハッチバック：スズキ バレーノ
- みんなが忘れているモデルだから、安く手に入ることもある
使い勝手のいいサイズと装備：トヨタ アリオン
トヨタ アリオンは、カリーナの後継にあたる5ナンバーサイズのセダンとして、2001年に市場へ投入されました。同時に発売された（コロナ）プレミオは、兄妹車にあたります。
ドアモールなど比較的高めの年齢層を想定したプレミオに対して、アリオンはヘッドライト、ラジエターグリル、ヘッドランプ、テールレンズなどの意匠を変更するとともにドアモールを外したスタイルで、若年層を意識した仕上げとなっていました。
2007年にはモデルチェンジを受けて2代目へと進化しましたが、セダン販売の低迷やモデル整理の影響をうけて2021年3月に生産中止になっています。
全長4,590mm×全幅1,695mm×全高1,475mmという5ナンバー枠に収まるボディは、日本国内で非常に扱い使いやすいサイズであることにくわえ、大人4人が余裕をもって乗ることができます。
トランク容量は490Lですが、6：4分割のリアシートは、背もたれを倒すことでトランクスルーができる設計になっているので、セダンながら長尺物（1.7m程度）を載せることも可能となっています。
エンジンは、1.５L、1.８L、2.0Lガソリンの3種類。トランスミッションは全車CVT。4WDモデルは1.8Lにのみ設定されました。
アリオンを中古車で狙うなら、2016年のマイナーチェンジ以降のToyota Safety Sense Cが標準装備された2代目後期モデルがおすすめです。
車高の高いクロスオーバーモデルも用意：日産 ステージア
日産 ステージアは、プレステージツーリングワゴンをコンセプトに1996年にデビューしました。
当時のワゴンは、はじめにセダンがあり、それを設計し直すことでワゴンまたはバンとしていたなか、ステージアは純粋なステーションワゴンとして企画されたことがポイント。
大ヒットしたスバル レガシィの対抗馬としても注目された初代ステージアは、C34ローレルやR33スカイラインと共用のプラットフォームに、日産伝統のRB型直列6気筒エンジンが搭載されていたことから”スカイライン ステーションワゴンの生まれ変わり”とも言われました。
この初代には、オーテックよりスカイラインGT-Rと同じRB26DETTエンジンとアテーサE-TS（４輪駆動システム）を搭載した「260RS」が発売され、現在はコレクターズアイテムとなっています。
2代目は2001年に発売。V35スカイラインと共通のFMプラットフォームになり、エクステリアは直線的デザインから丸みをおびたスタイルに進化しました。
エンジンはV型6気筒のVQ型の2.5Lと2.5Lターボ、3.0Lでデビュー。2004年には、3.0Lが3.5Lに進化。
サスペンションは、前後マルチリンク式を採用。リアはショックアブソーバーとスプリングを別置き式として荷室の張り出しを抑えたり、リアゲートを車体構造体化するとともに樹脂素材を用いて軽量化。
さらに、車高を40mmアップするとともに樹脂製のオーバーフェンダーを装着したクロスオーバースタイル「AR-X FOUR」を用意するなど意欲作でしたが、時代はエルグランドなどのミニバンに移行しており、2007年に歴史の幕を閉じました。
広い室内とパワフルエンジン：ダイハツ ソニカ
ダイハツ ソニカは、軽自動車でも長距離移動を快適に移動することをコンセプトに設計されました。
ミラをベースにホイールベースを延長したボディの室内は、コンパクトなエンジンルームの恩恵もあり、1,915mmの室内長に、860mmの前後カップルディスタンスと、軽乗用車トップの1,320mmの室内幅により、後席でも開放的な空間を確保していました。
また低重心ボディとロングホイールベースにくわえ、前後スタビライザー(4WDはフロントのみ)装備、専用チューニングを施したサスペンションなどにより、優れた操縦性・走行安定性と、乗り心地の良い快適な走りもポイント。
エンジンは、最高出力47kW(64PS)を発生する新開発ツインカム3気筒ターボエンジン「KF-DET型」を搭載していましたが、軽自動車人気は背の高いトールワゴンやスーパーハイト系にシフトしつつあったときで、ソニカは廉価版がなかったこともあって「狭いのに価格が高い」という烙印が押されてしまいました。
とはいえ、軽自動車でも走りを楽しみたい方にはおすすめ。最上級グレードの「RS Limited」は、15インチアルミホイールをはじめ、マルチインフォメーションディスプレイ、MOMO製ステアリング、マニュアルモード付きCVT、6：4分割リアシートなど、普通車にも引けを取らない装備が魅力です。
ハイブリッドセダンは後期モデルがおすすめ：ホンダ グレイス
ホンダ グレイスは、フィットベースのセダンとして2014年から2020年まで、6年間だけ販売されました。
1.5L i-VTECと1モーターによる「SPORT HYBRID i-DCD」ハイブリッドシステムの出力は101kW（137PS）で、燃費（JC08モード）は36.４km/Lを達成。
全長4,440mm×全幅1,695mm×全高1,475mmの扱いやすいサイズに、フィットよりも高いボディ剛性を持ち、室内の静粛性にもこだわって作られていました。
エクステリアは、当時のホンダらしくシャープなデザインを採用。過剰な装飾ではなく、機能美に満ちた上質さを追求したインテリアは、ベテランドライバーも納得の質感です。
2017年モデル以降は、Honda SENSING（ホンダセンシング）が標準搭載されているので安全性の面でもおすすめです。
日本国内では販売が終了したグレイスですが、海外ではフルモデルチェンジを受けて継続販売されています。
欧州市場を狙ったコンパクトハッチバック：スズキ バレーノ
プレミアムコンパクトハッチバック、スズキ バレーノは世界戦略車として2016年にデビューしました。
ボディサイズは、全長3,995mm×全幅1,745mm×全高1,470mmに、ホイールベース2,520mm。
3ナンバー登録になりますが、サイズ的には都市部でも扱いやすい大きさにとどまっていること。また長いホイールベースにより、リアシートの足元が広く、コンパクトハッチにありがちな室内の窮屈さもありません。
パワートレインは、1.０Lターボと1.2Lガソリンで、1.0Lターボは2018年以前がハイオク仕様、以降はレギュラー仕様になっています。
スペックは2018年以前の前期1.0Lターボがもっともハイパワーで、最高出力82kW（111PS）、最大トルク160Nmを発生。トランスミッションは、1.0Lに6AT、1.2LはCVTです。
グレードは3つで、上位グレード「XT」では、メッキ、ピアノブラック塗装、シルバー加飾をほどこした内装に、4.2インチ大型カラードット液晶のマルチインフォメーションディスプレイを装備。さらにセットオプション装着車には、本革シートが装備されるなど上質な仕上げになっています。
世界戦略車だけあって、スタイリングも洗練された印象でしたが、スイフトとの棲み分けがうまくいかなかったのか、思うように人気は出ませんでした。
みんなが忘れているモデルだから、安く手に入ることもある
短命だったモデルの中古車価格は、同クラスのライバルにくらべてリーズナブルなケースがほとんどです。
ただし、タマ数が少ないので、個体ごとの差が大きく、程度を見極める目が必要になります。気になるモデルは、ネットでこまめにチェックしてみるといいかもしれません。
