ダイハツ ムーヴの中古車を狙っている方へ、いま買うべきおすすめ年式を教えます。

スズキ ワゴンRに対抗するカタチで、1995年に投入されたダイハツ ムーヴ。
現在の軽自動車は、ホンダ N-BOXやダイハツ タント、スズキ スペーシアなどのスーパーハイトワゴンが主流ですが、それ以前に軽自動車市場を牽引してきたのがムーヴをはじめとした軽ハイトワゴンです。
スズキ、ダイハツの2大勢力が牽引してきた軽ハイトワゴンは、十分に広いキャビンに走りや燃費の良さが魅力です。
スズキ ワゴンRとともに「軽スーパーハイトワゴン」市場を人気クラスに

1993年に誕生したスズキ ワゴンRの大ヒットを受けて、対抗馬としてリリースされたと指摘されることも多い初代ダイハツ ムーヴ(L600系)。
1995年にミラをベースとした軽ハイトワゴン(軽トールワゴン)として登場しました。
新型車の開発には、通常3〜4年(当時)ほどかかるため、ワゴンRの登場により慌てて開発して販売したとは考えにくく、1990年2月にリリースされた三菱ミニカトッポあたりから軽トールワゴンが芽生えていて、後の大ブームにつながった、と考えるのが自然かもしれません。
初代ムーヴの特徴は、イタリアのデザイン会社であるI・DE・A(I.DE.A INSTITUTE)の手も借りた完成度の高いデザインでした。
さらに、初代に追加された「カスタム」は、ダイハツのカスタム系の元祖であり、ドレスアップが施された軽自動車のマーケットを開拓し、市場を広げた功労者です。
1998年10月に発表された2代目ムーヴ(L900系)は、新規格に移行に対応し、さらにスタイリッシュな外観が与えられています。
初代で好評だったスタイルを進化、洗練させた「エレガントスペイシャスワゴン」を掲げ、ムーヴカスタムは、力強さとスポーティ感を強調するワイド&ローフォルム「マッシブスポーティワゴン」を謳っていました。
パッケージの面でも進化を遂げ、広いキャビンやラゲッジスペースを確保。また、新しい軽規格により、安全性の向上も図られています。

3代目ムーヴ(L150系)は、2002年10月に登場。先代よりも上質な内・外装になり、レーダークルーズコントロールが設定されるなど、最新かつ豪華装備が採用されています。
ムーヴは「生活革新!エキサイティングミニバン」を掲げ、ムーヴカスタムは、「モバイル世代のラジカルボックス」がコンセプト。
リヤシートに左右一体式の250mmのロングスライドが採用されたほか、ダイハツ軽の特徴である、前後ドア(ヒンジ式ドア)の90°近い開口部が確保されています。

4代目ムーヴ(L175系)は、3代目からちょうど4年後となる2006年10月にリリースされました。
プラットフォームが一新され、タマゴ型のモノフォルムのような丸みを帯びていて、それまでの2BOX系のスクエアなフォルムとは大きくイメージを変えています。当時、軽最大級を誇った室内長と室内幅が美点でした。
また、トランスミッションにCVTが採用され、カタログ燃費の重視された時代に10・15モード燃費23.0km/Lを達成。
さらに注目なのが、わき見や居眠り運転による衝突事故に効果的なプリクラッシュセーフティシステムが軽自動車で初めて採用された点です。
加えて、車載カメラを使った車線認識により、車線からの逸脱状態を検知し、警報を発する車線逸脱警報機能も軽自動車で初採用されています。
レーダークルーズコントロールの採用もトピックで、定速走行に加えて、減速制御や先行車の追従走行などが可能になっています。
ムーヴに限らず、おもにスズキとの競争に明け暮れていたダイハツは、2000年代、2010年台にハイクオリティ化、先進装備の積極的な採用が目を惹きました。

5代目ムーヴ(LA100系)は2010年12月に発売され、当時ガソリンエンジン車トップの燃費27.0km/L(10・15モード燃費)を達成しました。
アイドリングストップが採用されるなど、売れ筋の軽ハイトワゴンも当然ながらカタログ燃費競争の渦に巻き込まれています。
エアバッグのフォルムは4代目同様に、タマゴ型の流麗なボンネット、Aピラーのラインが目を惹きます。
さらにキャビンが広くなり、当時、軽乗用車最大の室内幅(1350mm)、高い室内高(1280mm)が確保されています。
そのほか、レーダークルーズコントロールの採用やバックモニター付メモリーナビゲーションが用意されるなど、安全性の向上が図られています。

6代目ムーヴ(LA150系)は、2014年12月に登場。2023年まで生産されたロングセラーモデルです。
丸みを帯びた4代目以降の流れから、ボンネットのボリューム感のある比較的スクエアなフォルムに変身。上質感を極めた最上級グレードの「ハイパー」が新たに加わっています。
NAエンジン(2WD)は、JC08モード燃費31.0km/Lに到達し、空力性能に配慮されたエクステリアデザインを採用。「スマートアシスト」に、後退時のペダル踏み間違い事故にも対応する後方誤発進抑制制御機能が軽自動車で初採用されています。
さらに、バックカメラだけでなく、俯瞰映像を映し出すトップビュー、ワイドビューやハンドル操作と連動し、進路方向を表示するステアリング連動ガイド線機能も追加されました。
パッケージも進化していて、後席は左右別々にリクライニング、スライド(240mm)が可能になり、乗車人数や荷物に応じた積載性が確保できるようになったのも朗報です。
先進安全装備を用意する現行型がベストチョイス

7代目の登場が待ち遠しいムーヴですが、2024年10月現在、まだ新型のアナウンスはありませんので、必然的に2023年に生産を終了した6代目がもっとも新しい型式になります。
そのなかで通勤やお子さんの送り迎えなど日常使いを前提に選ぶなら、「スマートアシスト」が搭載された6代目を選ぶのがベストでしょう。価格も、100万円前後で走行距離の少ない物件がみつかります。
先述したように、6代目の「スマートアシスト」には軽初の後方誤発進抑制機能が含まれるなど、最新の安全技術が搭載されています。スマートアシストの「SA」仕様を選べば間違いありません。
街中中心であればNAでも十分。ターボ仕様は4人乗車が多かったり、高速道路も頻繁に使ったりするのであればオススメです。
ターボはその速さだけでなく、動力性能に余裕があるため、アクセルの踏み込み量も抑えられるのも利点で、高速巡航時でも静粛性が保ちやすくなります。
なお、追加設定された「ハイパー」系は、やや高値になります。

ダイハツ ムーヴのライバルは、初代からの好敵手であるスズキ ワゴンRだけでなく、ホンダ N-WGN、日産 デイズ、三菱 eKワゴンなど、いまや多くの選択肢があります。
さらに、より背が高く、両側スライドドアを備えた「軽スーパーハイトワゴン」というジャンルも人気です。
軽スーパーハイトワゴンよりも全高が抑えられているムーヴ(軽ハイトワゴン)は、高速道路や山岳路でも比較的操縦安定性が高く、燃費の面でも有利です。
自転車などの大きな荷物を頻繁に積むのであれば軽スーパーハイトワゴンにはかないませんが、普通に乗るぶんには子どもがいるファミリー層にもオススメできるのがこのクラスです。