維持費が安くて、荷物がたくさん載せられる 軽RVが100万円
自動車税や燃費といった維持費を節約でき、運転のしやすさと荷物をたくさん載せられるというメリットをあわせ持ったクルマが軽RVです。
RVとは「レクレーショナル・ビークル」の略で、もともとはキャンピングカーのことでした。ところが時代の変化で、RVの意味が広がり、いまではSUVと同義語のように扱われています。
そのなかから、人気のジムニー、パジェロミニについて解説します。
RVと軽自動車のいいとこどり
もともとキャンピングカーを指す用語だったRVですが、時代が変わり1980年代にはレジャー目的のクルマを指すようになりました。
つまりレジャー目的であれば、ミニバンでもSUVでも、ステーションワゴンでも良かったわけです。
しかし、ミニバンやステーションワゴンの人気が高まり独立したカテゴリーになると、RVという呼び名はすたれ、現在はSUVのなかでもクロスカントリー系に残るのみとなりました。
そんなRVは、高い車高で運転がしやすく、荷物もたくさん載せられるので、普段使いのクルマとしても人気があります。
しかしその反面、排気量の大きいクルマですと、燃料代をはじめ維持費が高くなってしまうということがあります。
そのためRV車に乗ってみたいけど、街乗りでしか使わないという方にとっては、月々の維持費がネックなっています。
そんな方にとっておすすめなのが、軽RVというカテゴリーです。
軽自動車といっても、性能を優先して設計されているため、RVの燃費は決して良いほうではありません。とはいえ、軽自動車ですので大排気量エンジンに比べれば、はるかに低燃費ですし、税金が安くなることもまた維持費の節約につながっています。
100万円の予算で軽RVを探す場合ですが、おすすめはスズキ ジムニーと三菱 パジェロミニです。どちらの車種もだいたい走行距離が5万キロ前後で、年式が5〜7年落ち程度の個体を手に入れることが可能です。
スズキ ジムニーってどんなクルマ?
スズキ ジムニーは、ラダーフレームを持つ軽自動車規格のRV車です。
その歴史は古く、1970年に初代ジムニーが登場。ラダーフレームに空冷2ストロークの360ccエンジン、副変速機つき4速MTを組み合わせた本格的な4WDは、林業や建築業といった商用ユースから一般ユーザーまで幅広く受け入れられることになりました。
その後、時代の変化に合わせ、2代目(JA12/JA22型)、3代目(JB23型)と進化。
現在のジムニーは、2018年にデビューした4代目(JB64型)で、直線基調のスクエアなデザインに強化されたラダーフレーム、現代的な電子制御システムや安全装備を備え、一時は1年以上の納車待ちになるなど、デビュー直後から大人気車種となりました。
そのなかで100万円で狙うのは、1998年から2018年まで生産された3代目ジムニーです。
モデルライフ中の大きな変更は、2004年のマイナーチェンジぐらいなので、3代目であれば年式が変わってもそれほど大きな違いはありませんが、あえて選ぶならシリンダーヘッドの改良で中低速トルクが改善された2008年型以降がおすすめです。
三菱 パジェロミニってどんなクルマ?
三菱自動車が製造・販売していた軽自動車規格のRVが、三菱 パジェロミニです。
当時の三菱自動車をけん引していた本格SUVのパジェロの弟分として1994年に登場しました。
モノコックをベースにプレス加工された部材を溶接したボディに搭載されたエンジンは、1気筒あたり5つのバルブを備える660cc4気筒で、NAとターボが用意されました。
1998年には2代目がデビュー。660cc4気筒20バルブエンジンは変わらないものの、NA、ターボともにトルクを向上するとともに、希薄燃焼によって低燃費を実現しています。
100万円で狙うのは、この2代目。1998年から最終生産の2013年までのあいだに2度のマイナーチェンジを敢行。
2008年のマイナーチェンジでは、フロントまわりがパジェロに寄せたデザインとなり、高級感が増していました。
軽RV車としては、どちらも定評のあるクルマですが、どちらかというとジムニーのほうがよりオフロード向きで、山道や雪道といった悪路を走ることが多いという方はジムニーが選ばれることが多いようです。
ただし、ジムニーのほうが全体的に高値傾向になっていますから、自身の求める用途と性能を吟味してクルマ選びをしてください。