中古でマツダ・プレマシーを買うならこのモデルがオススメ!

ミニバンから撤退したマツダを代表するモデルだったプレマシーは、1999年にミニ(コンパクト)ミニバンとして誕生しました。非背高系ミニバンの1台として販売終了が惜しまれ、まさに傑作ミニバンといえるでしょう。
2005年登場の2代目は3ナンバー枠となり、最終世代となる3代目は2010年にリリースされ、2018年に販売を終了しています。
走りの良さや「カラクリシート」と呼ばれる多彩なシートアレンジを採用し、個性を堪能できる存在です。
コンパクトミニバンとして登場した初代

初代プレマシーは、ファミリアから派生した5ナンバーサイズのコンパクトミニバンで、1997年誕生のトヨタ・カローラスパシオとよく比較されたモデルです。筆者はRV専門誌の編集者時代に初代プレマシーが社用車でしたので、よくステアリングを握っていました。
少し大きなハッチバックモデルという感覚で、山道や高速道路でも軽快なフットワークを披露。
2列5人乗りと3列7人乗りを設定していたことからも分かるように、3列仕様のサードシートは、足元も頭上空間も狭く、シートサイズも完全にエマージェンシー用と割り切った設計でした。
いまでは、中古車市場にはほとんど出回っていないようです。
「Zoom-Zoom」の精神と両側スライドドアを両立した2代目

2005年登場の2代目は、初代のリヤヒンジ式ドアからスライドドアに変わり、ボディフォルムも初代よりもミニバンらしくなっています。
とはいっても、ステーションワゴンの背を高くしたような流れるようなシルエットで、背高系(BOX系)とは一線を画したデザインを採用しています。
マツダは2002年から「Zoom-Zoom」というブランドメッセージを使っていたこともあり、走りへのこだわりも重視していました。
また、ボンゴ・フレンディや2008年に誕生する背高系のビアンテもあり、2代目プレマシーは、ミニバンならではの居住性だけでなく、「Zoom-Zoom」の精神を注入し、走りも楽しみたい人のハートを掴んでいました。

パッケージングのコンセプトは、「6+One(シックスプラスワン)」。2代目プレマシーは、セカンドシートのアレンジがキモでした。
座面下に小物が収納できる「カラクリ収納ボックス」、普段はアームレストで、シートに展開することで7人目の乗車に対応する「カラクリ7thシート」と7thシートの背もたれとなる「センターアームレスト」が採用されるなど、アイディア満載でした。
また、2列目が横にもスライドすることに驚いた覚えがあります(センターウォークスルーにも対応)。とはいえ、サードシートや7thシートは、やはりエマージェンシー用の域を出ず、急なゲストに対応するという設計になっています。
初代よりも中古車は多く流通していますが、世代的な古さを織り込み済みで買う必要はありそうです。
2013年のマイナーチェンジ以降がオススメ

中古でプレマシーを購入するなら、世代的にもタマ数的にも2010年7月に全面改良を受けた3代目が現実的でしょう。
3代目はデザインにこだわり、自然界の水や風などの「流れ」の美しさに触発されたというコンセプトの「NAGARE(流れ)」が反映されています。
リヤスライドドアや「6+One」パッケージングコンセプトは2代目から踏襲されています。さらに、「カラクリ7thシート」は助手席後ろの2列目の座面下から座面を引き出して展開。2代目よりも大型化され、座り心地も改善していました。

中古車市場で狙い目となる3代目のパワートレーンは、2.0Lガソリンのみで、アイドリングストップ付とレス仕様がありました。
トランスミッションは5速ATでしたが、2013年1月のマイナーチェンジでミニバン初となる「SKYACTIV」テクノロジーが採用され、燃費向上や6速AT車が設定されています。走行フィールや実燃費の面でも、少なくとも同マイナーチェンジ以降を指名したいところです。
ライバルは、トヨタ・アイシスがガチンコで、日産のラフェスタ・ハイウェイスターはマツダがOEM供給していたモデルのため、基本となるエンジニアリングは同じですからこちらを狙う手もあります。