中古でトヨタ・アイシスを買うならこのモデルがオススメ!
1代限りで終わってしまったトヨタ・アイシスは、基本的には5ナンバーサイズ枠(3ナンバーも設定)に収まるミニバンです。
全長を4.6m台に抑えながら、3列7人乗りシートという高効率パッケージング、助手席側のパノラマオープンドアを備えるなど、子育て世代にとって使いやすいモデルでした。2017年まで販売されていたため、程度のいい中古車もまだありそうです。
使い勝手に優れたジャストサイズ・ミニバン
トヨタに限らず国産ミニバンは、広い車内を確保しやすい箱型系(ボクシー系)に収斂されつつあります。
SUVブームもあり、ミニバン全盛時代は過ぎつつあるかもしれませんが、休日のサービスエリアや大型ショッピングセンターの駐車場の主役は、依然としてミニバンです。
2004年9月に発売されたトヨタ・アイシスは、ステーションワゴンの背を高くしたようなフォルム。背高系のように周囲に威圧感を与えることもなく、また横風などの外乱も背高系ほどは受けにくく、走行安定性に優れ、燃費の面でも有利という利点があります。
筆者の身内が長い間乗っていたこともあり、取材以外でもステアリングを握る機会が度々ありました。
アイシスの美点は、先述したように取り回ししやすいボディサイズでありながら、サードシートまで大人が乗れること。
身長171cmの筆者にとって3列目での長距離移動は、シートサイズも空間的にも少々厳しいものもありましたが、160cmくらいまでの方なら実用になるはず。私も短時間用としてなら十分に許容できる3列目という認識でした。
さらに、助手席側はラウムに続くセンターピラーレス(センターピラー内蔵)の「パノラマオープンドア」で大開口部を確保。良好な乗降性に寄与しているだけでなく、テールゲートを開けなくてもベビーカーなどの大きな荷物の出し入れがしやすく、急遽チャイルドシートを脱着するようなシーンでも使いやすさを実感できます。
もちろん、チャイルドシートへの子どもの乗せ降ろしも楽にできます。
2009年9月の一部改良後モデルを狙いたい
一方で、片側のみパノラマオープンドアにするため、剛性の確保やコスト高になりやすいなどのデメリットもあります。また、2004年デビューであるため、とくに前期型などは走りやボディの剛性感など、随所に古さを感じさせるはず。
中古車で購入する際は、2009年9月の一部改良で、当時、新世代のエンジン動弁機構であった「バルブマチック」が採用されたモデルがオススメ。トランスミッションがSuper CVT-iに進化したことで、燃費の向上も図られています。
スマートエントリー&スタートシステムやチルト&テレスコピックステアリングが採用されたことで、前者は利便性の向上、後者は最適なドライビングポジションに大きく貢献しています。
また、1.8Lと2.0Lエンジンを設定するアイシス。街乗り中心であれば1.8Lで不足はないものの、3列フル乗車しながら高速道路を使ってロングドライブもするのなら2.0Lを選びたいところです。
また、見た目で最も見栄えがいいのは「PLATANA(プラタナ)」です。
専用エクステリアにより全幅は1710mmと3ナンバー枠になるものの、最小回転半径は5.4mと同値(4WDは5.5m)。ただし、上から2番目の「G」グレードでも装備的にはあまり遜色がなく、状態がいい個体があれば「G」でも実用上、大差はありません。
残念ながら2代目が登場しなかったアイシス。決して不人気車ということではなく、日本専用企画(国内専用モデル)は、軽自動車をのぞき、トヨタに限らず成立しにくい時代背景もありそうです。
低走行距離の個体でも100万円を切る物件があり、これ以上年月が経ってしまうと、タマ数も減り、古さも際立ってしまうでしょうが、今ならジャストサイズのミニバンを探している方にオススメです。
ただし、衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備は未設定ですので、後付けの衝突被害軽減ブレーキなども検討したいところです。