BMWのコンパクトSUV、X1を中古で買うなら、このモデルがおすすめ!

BMWのSUVシリーズのなかで、もっともコンパクトなモデルがX1です。
1999年デビューのX5に端を発するSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)に分類され、BMWらしい走りの良さを身上としています。
もちろんクロスオーバーSUVらしいユーティリティの高さも兼ね備えていて、くわえてコンパクトなボディサイズによる取り回しの良さも美点となっています。
初代はFRベースのスポーティなキャラ

BMWは、初のSUV(BMWではSAVと呼ぶ)として、X5を1999年10月に東京モーターショーでお披露目しました。その後、X3、X1、X7を展開。
さらにX2、X4、X6と偶数車名のクーペタイプのクロスオーバーモデルを追加。そこに、iX3、iXというバッテリーEVも加わっていますから、売れ筋のSUVシリーズの充実ぶりが目を惹きます。
ちなみにBMWでは、X1、X3、X5、X7をSAV(スポーティ・アクティビティ・ビークル)、X2、X4、X6をSAC(スポーティ・アクティビティ・クーペ)に分類しています。

今回、ピックアップするのは、シリーズ末弟のX1です。
初代(E84)X1は、2010年4月に日本で発売。写真を見ると分かるように、フロントノーズが長くて、全高も1,545mmに抑えられています。1,550mmの高さ制限のある機械式立体駐車場に入庫できるなど、機動力の高さが美点です。
それでいながら最低地上高は195mmあり、4WDならウインタースポーツなどを楽しむ方の相棒としても十分に実用になるはずです。

さらにライバルの多くがFFベースのなか、初代と2代目の1シリーズと同様にFRベース(FRと4WDを設定)であるのも特徴。後輪駆動ベースらしいフットワークの良さを披露してくれます。
いっぽうで、全高が抑えられているため、前後席ともに頭上空間はSUVとしては狭く、後席はそのヘッドクリアランスを確保するためもあってか、床から座面までの高さ(ヒール段差)が低め。身長171cmの筆者の場合、座り心地や快適性の面では、いま一歩という印象でした。
また前席もフロアとシートの座面が低いため、SUVに期待される視界の良さ、アイポイントの高さも、少し背の高いステーションワゴンという域から出ていないなど、パッケージングの面ではFFベースと比較すると不利な面もあります。
初代X1の中古車市場のタマ数は、輸入車としては比較的揃っている印象です。先述したようなメリット、デメリットを織り込み済みとしながら、狙う手は十分にアリでしょう。
FF化によりパッケージングが大きく進化し、全高も高まったこともありSUVらしい外観に

2015年10月にリリースされた2代目(F48)X1は、FRからFFベースに変わるとともに、全高を35mm高め、SUVらしいタフなエクステリアが与えられました。このFF化により全長は30mm短くなり、ホイールベースも100mm短縮されています。
それにも関わらず、全高が高くなったこともあり、床面と座面がより高い位置に座らせるSUVらしいアップライトな乗車姿勢により居住性も改善しています。当時、最新のパッケージングによって後席の足元(膝前)空間は、最大で66mmも広くなっています。
さらに、後席にスライド機構が備わったことで、荷物の大きさや量と乗員の空間の調整がしやすくなっています。
荷室容量も初代から85L増となる505Lにまで拡大し、4:2:4の後席分割可倒式により、中央部分を前倒しすれば4人乗車しながら長尺物の積載も可能です。

また、FF化しながらもBMWらしい爽快感のある走りが損なわれていないのも美点。4WDはオンデマンド式4WDに進化し、FFベースということもあって悪路走行時の安定性も高まっています。
さらに2代目には、衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報などの安全装備が用意されているのも見逃せないポイントです。2019年10月のマイナーチェンジでは、内外装のリフレッシュに加えて、運転支援システム「ドライビング・アシスト」の標準化やコネクティビティの強化も図られています。
予算が許せば、同マイナーチェンジ後モデルを狙うことでSUVらしい装備や機能を享受できます。

2代目は、FFレイアウト化、パッケージングの大幅な進化により、居住性、乗降性、積載性などの向上が盛り込まれています。もちろん、先進安全装備が付くのも大きなポイントです。
初代は機械式立体駐車場に入庫できるなど、取り回しのしやすさが美点で、都市型SUVとしての魅力を備えていますが、やや古めなことはいなめません。