【ライター解説】3代目で”本格スポーツカー”に転身したBMW・Z4。その魅力を解説!【動画あり】

初代デビューは2003年。「Z4」はBMWが製造・販売するスポーツカーです。
日本で2019年に販売を開始した新型モデルは、デビューから数えて3世代目。
高い剛性を誇るボディ構造や空力性能の向上などによって、最良のバランスを実現しています。
「車選びドットコムYouTube」では、そんな最新Z4をチェックしてみました。
▼Z4の紹介動画はこちらをチェック!
【スープラとシェア】BMW Z4 M40i を 土屋圭市と太田麻美が徹底試乗!スープラと共同開発されたZ4は、スープラとどう違う?
- Chapter
- 本格スポーツカーへ”キャラ変”
- Z4と4シリーズカブリオレ、どちらを選ぶ?
本格スポーツカーへ”キャラ変”

Z4は、BMWが販売しているオープン2シーターのスポーツカーです。
かつて販売していた「Z3」の後継モデルで、2019年に日本で販売が始まった現行型はZ4としては3世代目。
クルマに詳しい人はトヨタ「GRスープラ」の兄弟車というイメージがあるかもしれませんね。
Z4とGRスープラは、メーカーの枠を超えて基本メカニズムを共用しています。
開発はそれぞれ別のチームが行いましたが、ホイールベースやトレッドといった車両の基礎となる要素は共通で、開発の初期段階にZ4とGRスープラの開発チームが話し合って決めたそうです。

実は、このGRスープラとの共同開発がZ4のキャラクターを変えたといっていいでしょう。
Z4の先輩となるZ3は「ユーノス・ロードスター」の世界的な大ヒットを受けて企画されたもので、本格スポーツカーというよりは気軽なオープンスポーツカーでした。
そしてZ4も、初代や2代目は基本性能を高めつつもその路線を踏襲しています。

ところが現行モデルの3世代目は、本格スポーツカーへとキャラ変え。
それを具現化しているひとつがプロポーションの変化で、先代は2495mmのホイールベース(前後輪間の長さ)に対してトレッド(左右輪間の幅)はベーシックグレードでフロントが1510mm/リヤ1535mmだったのが、現行型はホイールベース4335mm、トレッドはフロント1610mm/リヤ1615mmと縦横比が大きく変わりました。
ホイールベースに対してトレッドが広ければ(左右のタイヤとタイヤが離れていれば)、曲がるときに踏ん張りが効くようになります。
つまり、曲がるときの安定性が高まって運動性能が上がるというわけ。

真実かは定かではありませんが、現行型Z4の開発にあたってBMWはどんなクルマにするかの方向性を迷っていたのだとか。
しかし、GRスープラとプラットフォームをはじめ車体の基本骨格を共用することが決まり、スポーツカーとして走りを大幅にレベルアップする道を選んだといわれています。
先代よりも短くてワイドになったプロポーションには、そんな理由があるのです。

Z4のエンジンは197psを発生する排気量2.0Lの4気筒ターボと、340ps仕様の排気量3.0Lの6気筒ターボ選べます。
前者でも動力性能は十分ですが、音やエンジンのフィーリングといった官能性では圧倒的に後者が魅力。
値段は上がりますが、クルマを楽しむなら6気筒がオススメです。
Z4と4シリーズカブリオレ、どちらを選ぶ?

ところでZ4は屋根が開くオープンカーですが、先代では開閉式ハードトップだったルーフは、新型ではソフトトップになりました。
先祖返りしたことになりますが、ソフトトップの軽さがスポーツカーには適しているし、屋根を閉じた際のスタイリングの美しさでもソフトトップのほうが魅力的。
そんな理由もあってソフトトップ化されたのです。

さて、BMWといえばZ4に近いサイズのオープンカーとして4シリーズカブリオレがあります。それとの違いはどこにあるのでしょう。
4シリーズはひとまわり車体が大きいだけでなく、後席があります。
後席は大人が座るのは厳しいとはいえ、荷物を置く場所として便利。それにトランクだって広い。だから実用性を兼ね備えたオープンカーです。

いっぽうでZ4は後席のない2シーター。トランクも4シリーズカブリオレほど広くありません。
しかし、走りがいいのに加えて見た目のスポーティな雰囲気でも4シリーズカブリオレをリードしていますよね。
実用性を求めるなら4シリーズカブリオレ、スポーツ性とスポーツカーらしさを求めるならZ4。そうやって選び分けるといいかもしれません。