中古でマツダ・RX-8を買うならこのモデルがおすすめ!

2022年12月現在、最後のロータリーエンジン搭載車であるマツダ・RX-8は、観音開きドアを採用した4ドア4シータースポーツ。
電動化時代を迎え、レンジエクステンダーとして同エンジンを使うのをのぞき、純ロータリーエンジン車の登場を望むのは現実的に厳しそうです。筆者の知人も最後の乗り時と判断し、購入しています。
中古車市場でのタマ数も比較的豊富で、かつてのマツダならではのスポーツカーの味を堪能できます。
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- 4人が乗れるピュアスポーツ
- 2008年3月にマイナーチェンジ
4人が乗れるピュアスポーツ

2003年4月に発表されたマツダ・RX-8は、1999年の東京モーターショーで披露されたコンセプトカーの「RX-EVOLV」を市販化するカタチでデビュー。
小型化、高性能化を果たしたNA(自然吸気)の新世代ロータリーエンジンである「RENESIS(レネシス)」を擁し、4ドア4シーターという実用性とスポーツカーらしい流麗なスタイルを両立しています。

観音開きドアは、後席の乗降性は良好とはいえず、前ドアを開けてから後ドアを開ける、閉める際は後ドアを閉めてから前ドアを閉める必要があります。
そうした不便な点も織り込み済みとしながらMX-30でも採用したのは、スタイリングなデザインと両立できるため。後席は低く狭い場所に収まった感が拭えません。

後席座面の後傾角(お尻の位置を低く)をきつくすることで、頭上まわりの余裕を稼いでいます。
一方で、筆者もデビュー時にチャイルドシートの装着をしたことがありますが、適合するチャイルドシートであればなんとか付けることができます。
スポーツカーに乗りたい親にとって、子どもとドライブできる(苦労はあっても)貴重なピュアスポーツでもあります。

エンジンは、654cc×2となる直列2ローターで、登場時は210PS/222Nm版、250PS/216Nm版を設定。
高出力版の「タイプS」は、6MTのみで、低出力版は5MTのほか、「アクティブマチック」と呼ぶ4ATを用意。
ロータリーエンジン車は、高回転域までスムーズに、しかも静かに粛々と回るのが特徴です。
低速トルクは薄いという印象が残っているものの、210PS版も250PS版も実用上、不足を抱かせることはあまりないでしょう。

同エンジンの回転フィールを堪能するのであればMT一択というのが大半の人の選択肢になるはず。
ただし、中古車市場には、ATモデルも1/3程度残っているようです。AT限定免許などの方でも乗ることができる選択肢があるのもうれしいところ。
また、燃費の悪さを指摘する声は当時からあり、ほかのエンジンと同様に高速道路ではそれなりに伸びるものの、街乗りではガクンと落ちてしまうようです。
2008年3月にマイナーチェンジ

2008年3月には、マイナーチェンジを受け、内外装のデザインをリフレッシュし、質感向上を果たしています。
また、スポーティグレードの「タイプRS」を追加するとともに、エンジン、トランスミッションの熟成、進化を図ることで、加速フィールを向上させ、よりスポーティな走りを獲得しています。
また、ATも6速化され、変速フィールを高めています。加えて、足まわりのアップデートにより操縦安定性や乗り心地の改善が図られるなど、マイナーチェンジ後の動的質感は着実にアップしていました。

RX-8はデビュー時に、インターネットを使った予約販売も活用するなど、販売面でも新たな試みが盛り込まれていました。
また、使おうと思えば4人が乗れるピュアスポーツというユニークなパッケージング、スタイリングも備えていました。
一方で、燃費性能の劇的な向上を図ることは難しく、スポーツカーのニーズも縮小したことで、1代限りで生産終了となっています。
趣味的な要素が濃厚なRX-8。筆者も中古車で探したことがありますが、まずは個体の良さ、できればフルノーマルであることが安心です。
走行距離が短く、後期型がベスト。とはいえ、アルミホイールなど社外パーツを付けている物件も多く、そうした選択肢の中でもできるだけ状態のいい個体から選ぶことが、リスクは少ないはずです。