中古でアウディ・TTクーペを買うならこのモデルがおすすめ!
アウディTTクーペは、110年という長い歴史を誇る中でも近年の傑作といえるスポーティクーペです。初代は主にそのデザインが高く評価されました。
初代は1998年に発表され、日本には翌年10月に上陸しています。クーペのほか、ロードスターも設定され、2015年に日本でも発売された3代目が現行型になっています。
バウハウスの流れを組む初代のモダンなデザイン
初代アウディTTは、ドイツの造形学校であるバウハウス(建築など無駄を廃した機能的なデザインで世界中に影響を及ぼした)の影響を受けたといわれています。当時の自動車業界やデザイン業界に衝撃をもたらしました。
初代TTは、当初クーペタイプのみで、2000年にソフトトップを備えるロードスターが加わっています。デザインで大きな影響を与えた初代TTですが、メカニズム的にはスポーツカーの王道であるFRではなく、FFベースで、4WDも設定しています。
FRではないため、一部のスポーツカーファンからは評価されない声も聞こえてきたように思えますが、筆者が初代のステアリングを初めて握った際は、十分にスポーティカーといえる走りだと実感しました。
前後オーバーハングが短く、タイヤの位置を把握しやすいためタイトなコーナーでもボディコントロールが容易で、しかも高速域の安定性の高さはドイツ車らしい一級品といえるものでした。
1.8Lターボ車の動力性能はそれなりという印象でしたが、3.2L V6エンジン仕様は、圧倒的な速さを堪能できます。
ロードスターモデルは、オープンエアならではの高い開放感が得られる一方で、ボディの剛性感はさすがにクーペよりも大きく譲ります。
とくに初代ロードスターを購入する際は、ガタツキなども出てきそうな世代であり、注意が必要でしょう。初代の中古車は、比較的タマ数が多く残っているように思えます。デザインに惚れたのであればそろそろ乗っておきたい時期に差しかかっているといえるでしょう。
2代目からはよりスポーティな内外装にチェンジ
2代目は、初代と同じクーペフォルムではあるものの、よりスポーティ志向といえるディテールが特徴です。個人的には、意匠の面では初代ほどのインパクトを残せなかったと思います。
一方で、走りの鋭さは初代以上に増している印象を受けます。2代目は2006年10月にクーペが日本で発売され、ロードスターは翌年8月に上陸しています。さらに2008年には、クーペにTTSを追加。こちらは、ベースの2.0 TFSIから最高出力を72PS、最大トルクを70Nm増強した仕様で、TTシリーズのトップモデルにふさわしい走りを披露してくれます。
さらに、2010年には、2.5Lの直列5気筒ターボを搭載した新トップモデルであるTT RSが登場。最高出力は340PS、最大トルクは450Nmに達し、6速MTとクワトロ(AWD)が組み合わされ、0-100km/h加速は4.6秒という俊足ぶりを誇りました。
さて、2代目TTシリーズは、初代よりもタマ数が当然ながら増えていて、認定中古車も含めて低走行距離車も散見されます。また、ドレスアップ、カスタマイズ済みや走行を重ねた個体もあり、こうした仕様を選ぶ際は、記録簿の有無や確認を含めてより入念な確認が不可欠です。
衝突被害軽減ブレーキやACCなどは未設定だが、鋭い走りが魅力
2015年8月に発売された3代目となる現行型を初めてプレス向け発表会で見た際は、初代の面影はクーペらしいルーフラインくらいなか、と思えるほど新しさに満ちていました。
内装も一気に先進的になり、フルデジタルメーターのアウディバーチャルコクピットなどを備えています。
高張力鋼板とアルミにより強化、軽量化されたボディ構造や最新世代のクワトロシステムにより、2代目よりもさらにスポーティな走りに磨きが掛けられています。2.0 TFSIは230PSから286PSにまで引き上げられ、ベース仕様でも十分な速さを享受できます。
なお、アウディTTシリーズは、アダプティブクルーズコントロール、衝突被害軽減ブレーキなどは未設定です。
初代TTは、デザインの面で大きな印象を与え、2代目と3代目は、貴重なスポーティクーペとして代を重ねています。
電動化時代に存続できるかは別にして、純ガソリンエンジンの爽快な走りは今まさに乗り時といえるでしょう。