自転車保険の加入義務化。注意すべきことは?
かつては乗り物の保険と言えば、自動車保険を指すことがほとんどでしたが、相次ぐ事故を受けて「自転車」についても保険加入が義務付けられるようになっています。
2025年末時点で保険加入が義務付けられているのは、35の自治体でその他の10の地域が努力義務とされています。
加入義務のある都道府県で保険に加入せずに自転車で事故を起こした場合、条例違反となり高額な賠償金が全額自己負担となるリスクがあります。
ここでは、自転車保険についての内容や注意点について、詳しく解説します。
自転車保険の義務化とは
「自転車保険の義務化」というのは、文字通り自転車に乗る際に損害保険への加入が義務付けられるというものです。
義務化の背景には、被害者が死亡したり、高度障害を負うような重大事故が相次ぎ、裁判において加害者に対して数千万円から1億円近い巨額の賠償判決が下されるケースが増えてきたという事実があります。
とくに賠償金の支払い能力がない未成年者が、歩行者にぶつかり重症や死亡させるといった事故が多発して、被害者を保護するための制度作りが急務とされたのです。
自転車事故の重大化を受けて、2015年10月に兵庫県ではじめて導入されたのが「自転車保険の義務化」です。
兵庫県での導入後、全国の数多くの自治体が追随。2025年末時点では、34の道府県と茨城県の笠間市をくわえた35の自治体で保険加入を義務付けています。
自転車保険の義務化の加入対象者は?
「自動車保険」の義務化の対象となるのは、原則として、自転車に乗るすべての人です。
自転車を利用する目的が限定されているわけではないため、通勤・通学や近所への買い物などのように日常生活で自転車を利用する場合だけでなく、義務化されているエリアを旅行や仕事などで訪れてレンタルサイクルを借りて乗るような場合にも、保険に加入している必要がある点に注意しなければなりません。
また年齢による制限は設けられていませんので、自転車に乗るのであれば、未成年者であっても加入の義務が発生。収入のない未成年者は、保護者の責任において適切な保険に加入する必要があるとされています。
未成年者であっても、事故を起こして被害者に重大な損失を与えかねないという点では成年者と違いはないため、子供が小さいので保険には加入しなくてよいだろうと早計に判断しないようにしましょう。
どんな自転車保険に入ればいいの?
損害保険には、おもに死亡や怪我のように人に生じた損害を補償する「対人賠償保険」と、物が壊れたことによる損害を補償する「対物賠償保険」の2つのタイプがあります。
自動車の任意保険では、対人・対物の両方がカバーされている保険に加入するのが一般的ですが、自転車の義務化対象となっているのは対人賠償保険についてのみです。
自動車と比べて自転車はそこまで重量があるものではないため、事故を起こしたときに発生する物の損害はそれほど大きくならないことから、対物賠償保険までは義務付けられていません。もちろん任意での加入は可能です。
保険のタイプとしては、特定の自転車に対してかける保険と、自転車を利用する人に対してかける保険の2種類があります。
いつも同じ自転車にしか乗らないというのであれば前者でもよいのですが、友人のものを借りて乗ったり、レンタサイクルを利用する機会があるという方であれば、後者のタイプの保険に加入しておいた方がよいでしょう。
ドライバーは任意保険の自転車特約を利用できる
自動車の任意保険に加入している方は、保険の特約を確認しましょう。
一般的に特約には、「個人賠償責任補償特約」と「傷害特約」があり、加入によって被保険者の家族もカバーされます。
ご自身は自転車に乗らない方でも、家族が自転車を使っている場合、任意保険の自転車特約を付けると安心です。
- 自転車の重大事故の増加がきっかけとなって、2015年10月以降、全国の自治体で自転車保険の加入義務化の動きが相次いでいます。
- 義務の対象となるのは、老若男女を問わず、自転車を利用するすべての人で、未成年については保護者が加入義務を負うことになります。
- 基本的に対人賠償保険に加入しておけばよいのですが、自転車保険には自転車を対象としたタイプとその利用者を対象としたタイプの2種類がある点に注意が必要です。

























