日産 GT-Rの維持費はいくら?節約できるポイントは?

2007年発売以来、基本設計を変えることなく進化を続けている日産 GT-R(R35)。
3.8LのV6ツインターボエンジンに日本車では珍しいトランスアクスル方式を採用するなど、メカニズム面でもおおいに気になるスーパーカーで、世界でも注目されています。
そんなGT-Rの年間維持費はどれぐらいになるのでしょうか?
税金を中心に、GT-Rを中古で購入した際の維持費について考えてみました。
- Chapter
- 初代GT-Rのデビューは2007年
- 1. 税金
- 2. 車検費用
- 3. 燃料費
- 4. 自動車保険
- 5. メンテナンス代
- 6. 駐車場代
- 新車と中古車の維持費に違いはあるの?
- GT-Rに限っては中古車を選ぶメリットが少ない
初代GT-Rのデビューは2007年

日産 GT-R(R35)は、マルチパフォーマンススーパーカーとして2007年12月に発売されました。
4輪のグリップ荷重を安定させるために、GR6デュアルクラッチトランスミッションをクラッチ、トランスファー、リアファイナルドライブと一体化させ車両後方に搭載した”独立型トランスアクスル4WD”が採用されています。
フロントに搭載された3.8LのV型6気筒ツインターボ V38DETTエンジンは、最高出力353Kw(480PS)/最大トルク588Nmをそれぞれ発生。
グレードは、「GT-R」「GT-R Black edition」「GT-R premium edition」の3グレード展開で、もっともシンプルな装備の「GT-R」の車両価格は777万円で、いま思えば破格のバーゲンプライスでした。
その後、GT-Rは毎年のように各部のブラッシュアップを続け、2024年モデルでは「GT-R」系が最高出力419kW(570PS)/最大トルク637Nm、「GT-R NISMO」にいたっては最高出力441kW(600PS)/最大トルク652Nmを発生するまでになっています。
またエクステリアやインテリアに関しても進化をしており、2024モデルは「GT-R」にカーボンルーフやセラミックブレーキを採用したT-Specをふくむ6グレード、「GT-R NISMO」にも2グレードを用意まで成長しました。
気になる価格は、もっとも安価な「GT-R Pure edition」が1375万円、もっとも高額の「GT-R NISMO Special edition」は2915万円です。
1. 税金

税金は、自動車税、車検ごとに支払う重量税があります。これらの税金は車の性能、年式によって軽減措置が取られているものもありますが、R35GT-Rの場合、軽減措置はありません。

自動車税(種別割)
自動車税は、クルマの排気量に応じて課税される税金です。
R35 GT-Rの排気量は3,799ccで、税額は年間で65,500円です。
ただし新車登録から13年以上経過したクルマには、自動車税と重量税に「重課税」が実施され、GT-Rも初期の2007年式から2009年モデルが課税対象になってます。
自動車税はグリーン化税制によって、税率が15%アップの7万6400円になります。
自動車税の納付は1年ごとで、5月末が納付期限です。納付を怠ると都道府県から延滞金や差し押さえなどがありますので、納付できない場合は都道府県の県税事務所に相談が必要です。
自動車重量税
自動車重量税は、クルマの重量に応じて課税される税金です。毎年発生する税金ですが、支払いは車検時に一括して納めます。
R35GT-Rの場合、すべてのグレードで車重が1,700キロ台なので1万6400円/年。新規登録の際は4万9200円。その後は車検ごとに3万2800円を納付します。
こちらも新車登録から13年の越えたクルマが割増となり、対象のモデルは4万5600円になるので注意が必要です。初期型のR35GT-Rが適合します。
また初年度登録より18年経過すると5万400円とさらに割増になります。
その他税金 :自動車税環境性能割
自動車税環境性能割は、普通自動車などを取得したときに価格に対して課税されます。
新車の税率は3%で、2024年モデルの場合「GT-R Pure edition」が33万8500円、「GT-R NISMO Special edition」は72万4400円です。
中古車の場合は価格や年式で変わってきますので、購入する車両が決まったら都道府県税事務所に確認することをお薦めします。
2. 車検費用
日産ディーラーには、GT-Rの販売とアフターサービスを行うハイパフォーマンスセンターがあり、GT-Rのための特別な設備と、専門の教育を受けたGT-Rマイスター、認定テクニカルスタッフがサービスを行っています。
中古でGT-Rを手に入れたら、車検や点検は日産のハイパフォーマンスセンターでお願いするのが王道です。
ただし最近ではスペシャルショップといわれる工場にも、専用の機器が導入されていますので、ディーラーは敷居が高い、GT-Rに長けたショップにお願いしてみたいという方は、近くのスペシャルショップに相談しても良いでしょう。
車検の基本費用

日本には、自動車を安全に運行するための車検制度というものがあります。車検は新車登録日から3年後に1回目、それ以降は2年ごとに車検を受ける必要があります。
この車検に合格をしなければ、日本の道路を走ることは出来ません。
車検費用は、法定費用および車検検査基本料(車検ラインを通す費用)が最低限かかります。
法定費用は以下の通りです
・自動車重量税:自動車の重量に応じてかかる費用です。
・自賠責保険料:最低限の自動車保険で人身事故のみ適応。車両に付帯される強制保険です。
・印紙代:車検証の発行や、車検場ラインの使用するための費用はこちらを購入して納めます。重量税も印紙を購入して納付します。
・検査手数料:継続検査料として2,300円かかります。
こちらは国や、都道府県に納める費用なので修理工場に預ける際には前もって準備しておきましょう。
・車検基本料
車検には、法定費用のほかに、点検費用、整備費用、車検代行手数料が掛かります。これは、車検を代行する、ディーラー、中古車店、整備工場などに払う費用です。
見積もりは簡単に出来ますので維持費を安く抑えたい場合には、事前に確認することをおすすめします。
GT-Rは、クルマの性格上、使用方法によっては車両の劣化具合が変わってきます。
消耗品も高額なので、車検の機会に全部治すよりも、こまめに点検に出すことによってその都度修理するやり方も検討したほうが良いでしょう。
3. 燃料費

大排気量かつツインターボを採用しているGT-Rの燃費は、現行モデルで7.8km/L(WLTCモード)、初期モデルはJC08モード燃費で8.2km/L。
年間1万キロを走行すると考えると、1282.1Lのガソリンが必要。燃料は無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)指定なので、燃料代は年間22万6932円になります。※6月20日現在の全国平均価格=177円/L
日産のフラッグシップスーパーカーを所有するには、それなりのガソリン代が必要ですね。
4. 自動車保険

自動車保険は、自動車所有の際に車両ごとに加入が義務付けられている「自賠責保険」と任意で好みの保証をセレクトして加入する「任意保険」の2種類があります。
自賠責保険
自賠責保険は、公道で使用するすべてのクルマに加入が義務付けられています。
自賠責保に入らないと車検にも合格できませんし、未加入の場合は無車検車になり、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金と、違反点数6点が課されます。
自家用自動車に分類されるGT-Rは、新車時に2万4190円(37ヶ月)。
継続車検の場合は、24ヶ月で1万7650円ですが、実際には1ヶ月長く加入(1万8160円)することが多いようです。
任意保険
自賠責保険は対人補償しかないため、自分の怪我、路上の看板などの破損や車両の修理などには適用されません。任意保険は、そのリスクを補って補償するための保険です。
車両の所有者の年齢や前年度までの事故料率、また日常レジャー使用、もしくは通勤通学や業務使用、自動車事故による弁護士特約など、条件によって金額が変わります。前もって確認の見積をしておくとより安心してクルマが購入できます。
ちなみに某自動車保険会社のネット上のシュミレーションでは、ドライバー年齢40代で本人限定、保険等級16等級、運転免許証の色=ブルー、日常レジャーに使用でGT-Rno中古車を購入した場合、対人対物無制限、人身傷害保険5000万円で、年間4万2440円です。
その他、GT-Rは中古車でもほとんどの車両が500万円以上という高級車ですから、任意保険に車両保険の加入も必須です。
5. メンテナンス代

GT-Rのメンテナンスは普通車とはいえ、ハイパワーかつ車両重量もそれなりに重量があるので、コンパクトカーよりも費用は掛かります。
定期的なエンジンオイル交換、タイヤはかならずチェックしておきたいポイント。メーカー指定以上のオイルやタイヤを使用しないとクルマ本来の性能を崩すことになります。
チェックは自分でできる場合もありますが、フロア下は空力を考えたアンダーカバーで覆われますので、オイル交換だけでもカバーを外す必要がありますので、ディーラーやGT-Rを得意とするスペシャルショップでの点検をお勧めします。
また専門的な知識と経験が問われるクルマですので、車検のときだけではなく普段から各部のチェックを忘れずに、自分の知識や力量に応じてクルマを管理することが大切です。
6. 駐車場代
GT-Rくらいのクルマを所有するとなると、駐車場もしっかりと考えてあげたいものです。
持ち家の場合はタダですが、賃貸物件に居住していたり駐車場のない物件の方は必要な費用です。都心部では価格設定も高めなので確認が必要です。
また場所によっては盗難対策や風雨の対策費用も必要になってきます。
新車と中古車の維持費に違いはあるの?

新車と中古車の違いは購入価格です。ただし、現在のGT-R中古車相場は高値が続いており中古車購入のメリットは薄いかもしれません。
そのいっぽうで日産自動車のウェブサイトには、“購入者が多い場合台数に限りがあり注文を受けられません”という注意書きがあり、新車が欲しくても買えないケースがあるようです。
新車にこだわる方は、問い合わせを早めにしたほうがいいでしょう。
その他の基本的な維持費は同じですが、車齢が13年を超える年式や、来年や再来年に13年目を迎える年式の個体は、自動車税と自動車重量税が割増になります。
また初期型のGT-Rは、車齢が15年になり購入時の車両価格が抑えられたとしても、その後のメンテナンスで購入価格にときにあった差額が消えてしまう可能性があります。
車検に関して言えば、新車は登録から3年後、それ以降は新車でも中古車でも2年ごとに車検が必要になってきます。
任意保険は、オーナーさんの年齢や条件によって変わってきます。
GT-Rに限っては中古車を選ぶメリットが少ない
中古車のGT-Rで維持費という観点でのおすすめグレードは残念ながらありません。
保険料をのぞいてほとんどの維持費は変わりませんし、程度のいいクルマを見つけて、メンテナンスおよびパーツ代金を工夫して大切に乗ることが一番の維持費を節減するポイントです。
GT-R というクルマの性格上、タイヤやオイルもエコカーのように格安で手に入るわけではありませんので、ちょっと古い言い方かもしれませんが、GT-Rオーナー同士または、スペシャルショップなどと綿密な打ち合わせをして大切に乗るのがコスト削減の近道になりそうです。