3月をピークに小休止。車選びドットコム買取相場分析:2025年3月版

業者による自動車の買取価格は、同じ車種であっても年間を通じて見ると、高い時期と安い時期があることはご存知のとおりです。
「愛車はベストなタイミングを見極めて売却したい!」と考える方にとって、おおいに気になる買取の相場を、車選びドットコムが独自に収集したデータを基にレポートします。
全体的には高値傾向にあるものの今月は小休止

昨年末から急激な上昇をみせた車買取相場は、春先の需要期にむけて過去5年間でもっとも高値で推移しました。この傾向は今後も変わらず、予測では夏前にも最高値を更新しそうな雰囲気です。
要因は、近年の半導体不足やパーツ供給の遅延により、メーカーの新車生産が遅れており、納車までの期間が長引いていること。
またそれら要因にともなう新車価格の上昇があり、たとえばトヨタ ハリアーのエントリーグレードの場合、2013年に発売された先代(60系)「グランド」が272万円だったのに対し、新型(80系)では「G」が352万9000円と80万円近くアップしています。
そういった新車価格の上昇と国内経済の停滞、新型コロナウイルス感染症などの影響によって、中古車で一定の人気がある今年5年落ちとなる車両が少ないなど、数年前と比較すると下取りや買取に出される車両の台数が減少。
くわえて円安の影響で国内の中古車が海外に買われてゆくという状況があいまって、需要に対して供給が追いつかず相場は上昇傾向です。
さらに、今年はスリランカが5年ぶりに自動車輸入を再開することがアナウンスされており、最盛期にはコンパクトカーをメインに年間7万台もの高年式車が輸出されていたことから、スリランカの自動車輸入が本格的に稼働し始めると、小排気量車を中心に買取価格はもう一段上昇するかもしれません。
前月に「高年式かつ低走行車は、買取価格の上限にあるようで、いま以上の高値はあまり期待できそうにありません」とリポートしましたが、実際には国産の登録車および輸入登録車のオークション落札平均価格は上昇しています。
気になるのは、米国の金融政策や市場要因、トランプ大統領の発言によって、日々変動する為替の動きで、円安傾向が加速すれば海外からの需要は高まるいっぽうで、円高に転じれば中古車輸出が鈍化し、買取相場にも少なからず影響が出るでしょう。
2025年3月の中古車買取動向

昨年は、例年通り車両の年式が1年古くなる前に手放すユーザーが増えたことにくわえて、秋ごろから軽自動車の新車生産が回復し、市場への供給が安定したことで、12月に底を打った買取相場ですが、1月は例年通り回復しています。
その後、相場はジワジワと上昇して、2月には車選びドットコムがデータを取り始めてから最高値を記録しました。
今後は新生活需要の落ち着く3月を底に回復したあとは、夏にむけて高騰傾向となり、そのまま相場は高値で安定すると思われます。
昨年末の相場に影響を与えた軽自動車ですが、衰えを知らない輸出の活況を鑑みると今年の下落幅は小さいものになるでしょう。なかでも海外でも人気の高年式車は、新車の納期遅れが解消されていない国内の需要があわさって高値安定傾向です。
ただし2020年に新車登録された車両を所有している方は、2度目の車検を機会に手放すか、そのまま車検を通して乗り続けるか判断を迫られる年になります。とはいえ全般的に高値相場なので、金銭的に余裕があれば、乗り換えをおすすめします。
とくにトヨタ アルファード/ヴェルファイア、ノア/ヴォクシーなど、5年のあいだにモデルチェンジを受けた車種では、新型モデルの普及により相場が下落するリスクがありますから、早めの売却を検討したいところです。
買取相場は例年通り、3月、4月に一旦落ち着きますが、それ以降夏の需要期にむけて相場が上昇するでしょう。愛車の売却を考えている方は、あせらずじっくり商談をすすめると良いかもしれません。
また今年は、全体的に高値が続く見通しですが、愛車をできるだけ高値で売却したいと考える方は、複数社に依頼のできる一括査定に出してみることをおすすめします。
ボディタイプ別買取ランキング
最後に中古車情報サイト(車選びドットコム)の、最新のボディタイプ別中古車買取ランキングを紹介します。
市場で売買が盛んな人気の車はすぐに買い手がつくことから買取価格にも影響しますので、愛車の売却を検討する際には市場のトレンドもぜひ参考にしてください。
国産車ボディタイプ別買取ランキング

ボディタイプ | 割合(パーセント) | |
1位 | 軽自動車 | 30.2% |
2位 | ミニバン/ワンボックス | 17.9% |
3位 | コンパクト/ハッチバック | 16.9% |
4位 | SUV/クロカン | 8.3% |
5位 | 軽バン/軽ワゴン | 6.8% |
国産車ボディタイプ別買取ランキングの全体の順位は、前月6位の軽バン/軽ワゴンが、5位のセダン/ハードトップに代わりランクインしました。
とくに全体の30パーセント以上を占める軽自動車とは、前述したとおり新車生産が回復したことで、供給が安定、乗り換え需要によるものと考えることができます。2〜4位は前月と同様でした。
輸入車ボディタイプ別買取ランキング

ボディタイプ | 割合(パーセント) | |
1位 | SUV/クロカン | 23.8% |
2位 | コンパクト/ハッチバック | 21.4% |
3位 | セダン/ハードトップ | 19.3% |
4位 | ステーションワゴン | 11.7% |
5位 | クーペ | 9.5% |
輸入車は、前月と変わらず、SUV/クロカンをトップに、コンパクト/ハッチバック、セダン/ハードトップと続いています。国産では7位のステーションワゴン、9位のクーペが、それぞれトップ5にランクインするのは輸入車ならではの傾向です。
車のリセールバリューを気にする方は、ランキングを参考に車選びをすると良いでしょう。
高値を引き出すコツは複数業者に見積もりを依頼する
買取価格は、販売戦略や店舗ごとの在庫状況、業者の得意とする車種や顧客から要望をうけている車種など、さまざまな要因で数万円から多いときで数10万円の差が生まれます。
現在の買取相場は、高年式を中心にその他の年式も引っ張られる傾向にあり、低年式でも思わぬ高値が提示されることもあります。すこしでも高値での買取を期待するのであれば、まずは数社から見積もりを取ってみましょう。
また車の売却では、高い買取価格はもちろんですが、信頼できる店舗を見つけることも重要です。
数社の見積もりを事前にとっておくことができれば、自分の愛車の市場価値を知ることができますし、信頼できる店舗を見つけることができるかもしれません。
また提示価格が低かった場合には、他店舗の見積もりを交渉材料に使うこともできます。