2025年5月の買取は国内にあわせて海外需要が相場を牽引

業者による自動車の買取価格は、同じ車種であっても年間を通じて見ると、高い時期と安い時期があることはご存知のとおりです。
「愛車はベストなタイミングを見極めて売却したい!」と考える方にとって、おおいに気になる買取相場を、車選びドットコムが独自に収集したデータを基にレポートします。
円高の影響もあり4月の相場は小休止

2024年、日本国内の中古車は、国内登録が約649万台(※日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会)であったのに対し、輸出された中古車は約156万台(※日本中古車輸出業協同組合)と、全体の約20パーセントが輸出に回りました。
日本の中古車が海外で人気の理由は、車両自体の信頼性の高さにくわえて、車検制度のおかげで極端に程度が悪いクルマがない、トヨタなどは世界中どこでもパーツを手に入れやすい、また走行距離が短いなど、海外から見れば良質な車両が多いこと。くわえて現在は、円安のため国際的にみて割安感が高くなっていることも、その魅力を高めています。
日本の中古車のおもな輸出先はUAE、ロシア、モンゴルですが、ニュージーランドをはじめ、スリランカやシンガポール、バングラディシュ、アフリカのケニア、タンザニア、ザンビアなど、かつてイギリスの植民地だった国々は日本と同じ左側通行で、右ハンドル車のみ輸入可能という国も少なくなく、それら国々では程度の良い日本の中古車が人気となっています。
いっぽうで東南アジア諸国には、新車登録から3年または5年以内という年式規制を設けている国も多く、国内の高年式車の買取価格を高止まりさせているという状況です。
そのなかでも発展の著しい途上国の需要が高まっている関係で、今後も右ハンドルで高年式車の人気は変わらずに続くことが予想されます。そのため国内の買取相場が急激に下落する可能性は低いと考えています。
2025年5月:中古車買取の動向

先月の「車選びドットコム」の統計データによる予測では、春先の需要が落ち着いたあとは、4月をボトムに昨年以上の上昇率で推移するとレポートした買取相場ですが、実際には例年と異なりやや相場が下落しました。
これにはさまざまな要因が絡んでいますが、為替の変動やトランプ関税といった国際的な要因にくわえ、国内需要の変化がおおきなところだと考えています。
とくに4月の為替は円高に振れたことで、輸出需要が減った(買いを見合わせる)ことは想像に難くありません。
とはいえ、5月の速報値では高値を付けており、ここから業者の仕入れが活発になる夏のボーナス前までは、再度上昇傾向になるでしょう。
また国内メーカーの生産は正常に戻りつつあるものの、今年、初年度登録から3年または5年目を迎える2020年〜2022年式の車両が、コロナ感染症と半導体不足の影響で例年よりも少なく、全体の台数が不足しています。
新車登録から5年以内の車両に関しては、強気の売り手市場が続くでしょう。
金銭的に余裕のある方や、そろそろ買い替えをと考えている方は、積極的に買取査定に出してみることをおすすめします。
いますぐの売却を考えていなくても、自身の愛車の相場感を知っておくことは、後々に役に立ちますし、思わぬ高値が提示されることがあるかもしれません。
その際は、一括査定サービがおすすめです。車両の情報を入力することで、複数の買取業者に査定の依頼ができる一括査定は、手軽に、かつ少しでも高く車を売りたいオーナーにはとても便利なツールです。
ボディタイプ別買取ランキング

最後に中古車情報サイト(車選びドットコム)の、最新のボディタイプ別中古車買取ランキングを紹介します。市場で売買が盛んな人気の車はすぐに買い手がつくことから買取価格にも影響しますので、愛車の売却を検討する際には市場のトレンドもぜひ参考にしてください。
国産車ボディタイプ別買取ランキング

国産車ボディタイプ別買取ランキングは、軽バン/軽ワゴンが5位にランクインしました。
トップ3の軽自動車、ミニバン/ワンボックス、コンパクト/ハッチバックは、変わらず。SUV/クロカン、軽バン/軽ワゴンにセダン/ハードトップをくわえた3つのボディタイプが、それに続いています。
国内では人気の薄いセダン/ハードトップは、旺盛な海外需要を背景に積極的な買取が行われていると思われます。
順位 | ボディタイプ | 割合 |
1位 | 軽自動車 | 28.0% |
2位 | ミニバン/ワンボックス | 19.0% |
3位 | コンパクト/ハッチバック | 16.8% |
4位 | SUV/クロカン | 7.5% |
5位 | 軽バン/軽ワゴン | 6.8% |
輸入車ボディタイプ別買取ランキング

輸入車の買取に出された台数は、4月を反映して前月比90%と減少しました。
ボディタイプ別買取ランキングのトップ3は前月と変わらず、SUV/クロカン、コンパクト/ハッチバック、セダン/ハードトップの順になりました。
面白いのは、ランキングにないオープンの存在で、仮にクーペとオープンを合わせると全体の16.5パーセントを占めることになり、ステーションワゴンの人気低迷が浮き彫りになってきます。
順位 | ボディタイプ | 割合 |
1位 | SUV/クロカン | 23.8% |
2位 | コンパクト/ハッチバック | 21.4% |
3位 | セダン/ハードトップ | 19.3% |
4位 | ステーションワゴン | 11.7% |
5位 | クーペ | 9.5% |
買取価格は、販売戦略や店舗ごとの在庫状況、業者の得意とする車種、また顧客からの要望を受けている車種など、さまざまな要因によって変動します。その差は数万円から、多いときには数十万円になることもあります。
少しでも高値での買取を期待するのであれば、まずは複数の業者から見積もりを取ることが重要です。
一括査定サービスを利用して、いくつかの買取業者から見積もりを取ることで、もっとも高額をつけた店舗に売却することができますし、希望の店舗の提示価格が思ったより低かった場合でも、他店の見積もりを交渉材料に使うことができるのもメリットです。
また、車の売却においては、買取価格の高さだけでなく、信頼できる店舗を見つけることも大切です。
そんなとき一括査定サービスは、愛車の市場価値を把握できるだけでなく、信頼できる店舗を見極める手がかりにもなるかもしれません。