200万円台の個体も増えて値ごろ感が高まってきた世界のセダン「Eクラス」はどうですか?
SUV全盛の現在にあってもメルセデス・ベンツ Eクラスは、Cクラスとともに同ブランドの中核を担うモデルです。
2024年下半期も、輸入車の新車登録台数ランキングで8位に食い込むほどの人気で、中古車市場での物件数も比較的豊富です。
そんなEクラスのなかでも、価格メリットの大きな先代の5代目(W213型)セダンをピックアップします。
5代目(W213型)で最先端の先進安全装備を採用
先代の5代目Eクラス(W213型)は、基本骨格となるプラットフォームが「MRA」になりました。「MRA」は、後輪駆動の中型車から大型車向けのプラットフォームで、Cクラス、Sクラスと共有しています。
Cクラスと同じと聞くと物足りなく感じるかもしれませんが、最上級セダンのSクラス譲りともいえます。
モジュール化が進む現在は、複数の車種やボディタイプだけでなく、車格(クラスやヒエラルキー)を超えてプラットフォームを共有化するのは、メルセデスだけでなくほかのメーカーやブランドでも行われています。
5代目Eクラスでは、上質な内外装デザインをはじめ、Sクラス譲りの先進機能も用意されています。
レベル3自動運転システムの「ドライブパイロット」は、先行車との車間距離だけでなく、周囲の車両やガードレールを検知し、ステアリングアシストが作動する領域を大幅に拡大。高速道路の渋滞時など、ドライバーの負担を大幅に削減してくれます。
さらに、自動車線変更機能である「アクティブレーンチェンジングアシスト」を初導入し、ウインカーを2秒以上点灯させると、後方など周囲の状況に応じて自動で車線変更を実施。
またドライバーの急病時などに自動で減速し、停止する「アクティブエマージェンシーストップアシスト」の世界初採用も話題になりました。
小さなSクラスともいえる上質な内外装デザイン
5代目Eクラスの外観デザインは、遠目から眺めるとSクラスとは区別がつかないほどで、クーペのような流麗なルーフラインが印象的です。
ホイールベースは、4代目よりも65mm延長。現行型である6代目(W214型)に比べると、後席足元スペースは若干狭く感じられますが、頭上空間も含めた後席の快適性は大差なく、アッパーミドルクラスセダンのお手本として、5代目である程度、完成形に近いパッケージングを実現しているともいえそうです。
それ以上の広さ感を重視するのなら、セダンではなく、SUVのGLEを指名する手もありでしょう。
いっぽう内装は、センターディスプレイとメーターパネルの2つの12.3インチディスプレイを1枚のガラスでカバーした先進的な仕立てになっています。
現行Eクラスは、助手席前にもディスプレイを配置し、3つのディスプレイが眼前に並びますが、先代でも十分に先進的で、質感の高さも享受できます。
世界初となるタッチコントロール付のステアリングスイッチ、センターコンソールのタッチパッド、音声入力システムなどを搭載。
なお、現行型は自然な対話型インフォテイメントシステム「MBUX」が搭載されていて、その完成度は同様の音声操作でもトップレベルにありますから、音声コントロール性では現行型に若干およばない印象です。
中古で狙うならタマ数の多い「E200」または「E220d」がおすすめ
5代目Eクラスは、冒頭で触れたように値ごろ感のある価格でありながら、現在でも通用する快適性や先進的で多彩な装備を備えています。
1,850mmに収まる全幅のボディサイズ(全長4,930mm×全幅1,850mm×全高1,455mm)も美点で、取り回しのしやすさも無視できない環境であれば、より魅力的な選択肢になります。
2.0Lガソリンターボの「E200」、2.0Lディーゼルターボの「E220d」のタマ数が多く、2.0Lガソリンターボの「E250」、3.5L V6の「E400」など、排気量とパワーが高まるほど物件数が減るのは、先代Eクラスに限らない傾向といえます。
市街地走行が中心であれば「E200」、高速道路も使ったロングドライブの機会が多いのなら「E220d」のトルクフルな走りが光ります。





























