いろいろ選べる200万円で探す中古ハイブリッドカー9選

市場のガソリン価格は、ここ数年、政府の補助金が投入されても高止まりしたまま、家計におよぼす影響も少なくありません。
愛車の買い替え時に「いまより燃費の良いクルマを」というのは多くの人が考えるところだと思います。
そこでここでは、200万円前後の予算で買えるおすすめハイブリッドカー9台をピックアップ。プリウスだけでなく、ミニバンやワゴンだって購入できます。
- Chapter
- 中古ハイブリッドカーの魅力とは
- 200万円前後で中古ハイブリッドカーを選ぶときのポイントとは?
- 200万円台の予算で狙うハイブリッドモデル5選
- 200万円以下で狙うべきハイブリッドカー4選
- 購入前にバッテリーの状態をチェックしておきたい
- 気になる車は早めにチェック!
中古ハイブリッドカーの魅力とは

燃費の良さから、いまや中古車でも人気車種の一角を占めるハイブリッドカーですが、200万円台の予算が組めれば、誰でも思いつくトヨタ プリウスや日産 セレナ e-POWERだけでなく、もっと幅広くさまざまな車種のなかから選ぶことができます。
たとえば、人気ミニバンであるトヨタ エスティマのハイブリッドモデルは、走行距離が7万キロ以下の個体が購入できますし、レクサスのハイブリッド専用モデルのHSやCTなら、走行距離3万キロから5万キロ、かつスピンドルグリルを装備した比較的新しめのモデルが視野に入ってきます。
またコンパクトカーのトヨタ アクアなどは、ほとんどが200万円以下で、ほぼ新車に近い状態の個体もあらべます。
通勤で毎日50km以上を走る人や、街乗りが多い人、燃料代を安く抑えたい人などにおすすめのハイブリッドカーを紹介します。
200万円前後で中古ハイブリッドカーを選ぶときのポイントとは?

ハイブリッドカーの魅力はなんといっても、優れた燃費性能にあります。
車体が軽く、空力性能にも優れるコンパクトなモデルなら、いまやリッターあたり30.0kmが基本。それ以上の低燃費でえれば、ガソリン代の節約も目に見えて効果があるでしょう。
いっぽうミニバンは、大きく重いボディの特性からスペック的にみればコンパクトカーに見劣りするものの、日産 セレナはガソリン車が13.4km/Lなのに対し、ハイブリッドのe-POWER車は20.6km/L、トヨタのノア/ヴォクシーはガソリン車の15.1km/Lに対し、ハイブリッド車は23.4km/Lと、ハイブリッドモデルが圧倒的に優れていることがわかります。
中古ハイブリッドカーの選び方

ハイブリッドカーといっても、さまざまなスタイルや大きさがありますから、中古車を選ぶときは自身の使い方にあったモデルを選ぶことが重要です。
たとえば、街乗り中心ならサイズの小さいコンパクトカーをメインに、アウトドアレジャーが趣味ならSUV系を、家族や大人数で移動する機会の多い人はミニバンを選ぶと良いでしょう。
年式は5年または7年以内、走行距離は5〜10万km程度なら、まだまだ現役として通用します。
200万円台の予算で狙うハイブリッドモデル5選
日産 セレナ e-POWER

日産 セレナは、先代モデル(C27型)のe-POWERが200万円台で購入できます。
e-POWERは、エンジンを発電機として使い、モーターだけで車を動かすハイブリッドシステムで、瞬時に最大トルクが立ち上がるモーターの良いところを利用した走りが魅力です。
そのため車重の重いミニバンでも発進加速は軽く、また発電を行うエンジンは効率の良い回転数で使うことができるので低燃費になるというわけです。
結果、WTLCモードで17.2km/Lの燃費を達成しています。
セレナには、2列目がベンチシートの8人乗りと、キャプテンシートの7人乗りがありますが、e-POWER車はすべて7人乗りになるので、8人フル乗車を想定している場合はガソリン車になります。
セレナ(C27型)のおすすめは、オーテックジャパンの手掛けた「AUTECH SPORTS SPEC」。
2019年のマイナーチェンジで追加されたモデルで、数々の上質な装備にくわえ、全車に9点のフロアメンバーを追加。e-POWERモデルでは、ロワアームやスタビブラケットの強化なども抜かりなく行われていて、ボディの剛性感を高めています。
また専用の17インチホイールとタイヤ(ミシュラン パイロットスポーツ4)、専用サスペンション、車速感応式電動パワーステアリングなどの採用により、高い静粛性と高速域での安定したハンドリングを両立しました。
インテリアは、ブルー/ブラックのコンビレザレットシート、ドアトリム、インストパッドを装備した専用内装で、本革3本スポーツステアリング&シフトノブも専用品。
走りをつかさどるECUも専用チューニングが行われ、スムースかつスポーティなミニバンに仕上げられています。
中古価格は200万円台後半がメインになりますが、特別なミニバンを探している方にもおすすめです。
トヨタ ハリアー ハイブリッド

大人気のクロスオーバーSUV、トヨタ ハリアーのハイブリッドモデルは、2013年から2020年まで販売された60系といわれる先代モデルがターゲットです。
現行の80系は、高値安定傾向が続いており2024年6月時点では限りなく300万円に近い200万円台が数台のみ。手ごろ感が出るのは、まだまだこれからといった状況です。
とはいえ先代の60系であっても、高級クロスオーバーを標榜するハリアーだけに、スタイリングや内装には質の高い作り込みがなされていることに変わりはありません。
2017年6月にマイナーチェンジが行われ、それより前が前期、それより後の年式が後期になります。
前後期の違いは、外装のフロントバンパー、グリル、ヘッドライト、リアコンビネーションランプのデザインと、内装の加飾がウッド&メタルとエボニーストライプから黒木目×幾何学調に変更。
インパネセンターのナビは、前期型が8インチ、後期型は9.2インチの画面。前期のオーディオレス仕様の場合は7インチに設定されています。
余談ですが、ナビ画面がすこしでも大きいとクルマは新しい雰囲気になりますし、乗っているドライバーの気分も変わります。
さらに後期型では、衝突支援回避パッケージのToyota Safety Sense Pを全車標準装備するとともに、インテリジェントクリアランスソナーの機能強化を行っています。
安全性を優先するならToyota Safety Sense Pが装備された後期型がおすすめですが、前期型でも特別仕様車などに同様の仕様を見つけることができます。
それ以外に決定的な違いはないので、「どちらか決められない」という方は、前後期を並べて好きなほうを選べば良いと思います。前後期を並べて比較検討できるのは、中古車ならではの楽しみです。
60系ハリアーの狙い目は、最上級グレードの「プログレスメタルアンドレザーパッケージ」。プレミアムナッパレザーシートや電動パワーシート、アルミ加飾シフト、18インチスーパーメタリック塗装など、見た目の豪華さは所有するだけで気分が盛りあがります。
駆動方式はすべてフルタイム4WDのE-Fourで、燃費(JC08モード)で21.4km/Lになります。
トヨタ クラウン ハイブリッド

最近はアルファードなどのラージサイズミニバンに人気が移っているものの、60代以上の方にとっては「いつかはクラウン」のキャッチコピーとともに、いまだ憧れのモデルとなっているのがトヨタ クラウンです。ハイブリッドモデルは、先代クラウンの220系が今回の予算で狙えます。
TNGAプラットホーム採用によって刷新されたボディは、ロングノーズ、6ライトウインドウの優雅な雰囲気と、FRセダンらしい伸びやかなシルエットで、高級さとスポーティさを融合。
オーナーの若返り化を考えて作られ、従来のロイヤルサルーンやアスリートというグレード名が廃止されたこともトピックでした。
なかでも「RS」グレードは、LEDシーケンシャルランプの採用、フロントグリルとサイドスポイラーのデザイン変更、さらにホイールのインセット(オフセット)を変えてタイヤ&ホイールを外側に出すなど、より低重心な印象となり素直にカッコよくなっています。
それでいてボディの全幅は1,800mmに留めるなど、日本で扱いやすいサイズも魅力です。
肝心のハイブリッドシステムは、2.5Lエンジン版と3.5Lエンジン版を用意。
3.5Lハイブリッドには、トヨタ初の「マルチステージハイブリッドシステム」を採用していて、エンジンとモーター、両方の出力を制御することにより加速がダイレクトかつシャープになっています。
駆動方式はFRのみで、燃費はWTLCモードで16.0km/L。2.5LハイブリッドはFRと4WDが用意され、FRモデルが20.0km/L、4WDモデルが18.2km/Lとなっています。
新型クラウンになったいま、最後の大排気量6気筒エンジンを搭載したFRセダンを楽しんでみるのはいかがでしょうか。
ルノー キャプチャー E-TECH HYBRID

フランスのルノーは、E-TECHフルハイブリッドという輸入車で唯一のハイブリッドシステムを採用しています。
SUVのキャプチャーに搭載されるのは、1.6LエンジンにHSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)と駆動用モーターを組み合わせ、ドグクラッチマルチモードATで繋げるという、F1からの技術を組み込んだハイブリッドシステムです。
アライアンス関係にある日産の「e-POWER」システムを使用することもできそうですが、高速道路の速度レンジが高いヨーロッパでは最高速度が足りないので、ルノー独自のシステムが導入されました。
同様のシステムは、ハッチバックのルーテシア、ひとまわり大きなSUVのアルカナにも搭載されています。
エクステリアは、国産では考えられないようなラインやCシェイプのデイライトなど、現代のルノーらしいデザインがてんこ盛りになっているところも魅力的。
駆動方式はFFのみで、WTLCモード燃費は22.8km/L。ハイウェイ&トラフィックジャムアシストや衝突軽減ブレーキ、レーンディパーチャーワーニング、360度カメラなど、基本的な安全装備も充実しています。
豪雪地帯など4WDを必須とする地域には役不足の感もありますが、乗り心地やハンドリングはフランス車のそれで、週末に長距離を走ったり、普段の通勤距離がちょっと長くて人と違う雰囲気を楽しみたい、と考えているユーザーには選択肢に入れてほしい1台です。
日産 スカイライン ハイブリッド

日産の伝統的なモデル、日産 スカイラインは2014年にデビューした13代目のV37がターゲットになります。V37型は現在も販売されていますが、ハイブリッドモデルは2020年に生産を終了しています。
日産のハイブリッド技術といえば、いまやメインのシステムとなっているe-POWERですが、スカイラインやフーガなどのFR車には、インテリジェントデュアルクラッチコントロールと呼ばれる1モーター2クラッチ方式のハイブリッドシステムが搭載されていました。
このシステムは単純に効率アップを狙ったものではなく、モーターとエンジンそれぞれの特性を最適にチューニングすることで、高いエネルギー効率とあらゆるシーンでスムースかつ力強い走りを両立しています。
発売当時、EV走行領域の拡大によって高速道路でもエンジンが休止してモーターのみで走るのは感動モノでした。フェアレディZと同じFR-Lプラットフォームを採用しているので、スポーティさも残っています。
インフィニティバッジを装着してデビューしたV37スカイラインですが、2019年の改良でVモーショングリルに日産マークが輝くフロントフェイスに替わり、同時にリアのコンビネーションランプは伝統の丸テールに変更。
さらに「プロパイロット2.0」が搭載されたことで、高速移動によるドライバーの疲労が軽減されました。
気になる燃費はWTLCモードで10.8〜12.4km/L。ライバルに比べると、やや見劣りする数値ですが、VQ35HRエンジンのサウンドと最高出力225kW(306PS)、 最大トルク350Nmがもたらす走りは、クルマ好きには贅沢なご馳走です。
200万円以下で狙うべきハイブリッドカー4選
ホンダ インサイト

ホンダ インサイトは、2022年まで販売されていたハイブリッドモデルです。
初代と2代目は、コンパクトなハッチバックスタイルだったのですが、3代目ではセダンスタイルに移行して、走りにくわえて居住性もグレードアップしています。
狙い目は、2018年から2022年まで販売された3代目ですが、それ以前のモデルなら100万円以下で手に入ります。
2代目の美点は全長が4.4m以下、全幅も5ナンバーサイズに収まる、取り回しと駐車のしやすさで、JC08モード燃費は27.2km/Lとなっています。
エクスクルーシブ系グレードは、CR-Zに搭載されていた1.5Lエンジンに専用チューニングを施してして積まれていて、上質かつスタイリッシュな雰囲気が魅力です。
日産 ノート

日産 ノートは現行型の3代目(E13型)になって、すべてのパワートレインが第2世代のe-POWERになりました。
エンジンで発電して、モーターで駆動するe-POWERの燃費性能は、WLTCモードで2WD車が28.4km/L、4WD車でも23.8km/L。
クリーンかつダイナミックなデザインのエクステリアと、先進的で快適なインテリアがポイントで、トランクスペースも十分な収納力を備えています。
オプションの「プロパイロット(ナビリンク機能付き)」は、価格の安い個体には装備されていないこともあるので事前確認が必要です。
2023年12月のマイナーチェンジでフロントにデジタルVモーションが採用され、先進イメージを高めていますが、中古車市場ではマイナーチェンジ前もモデルがメインです。
トヨタ アクア

トヨタ アクアは、従来型に比べて2倍の出力を誇るバイポーラ型ニッケル水素電池を採用した現行型の2代目(MX系)がターゲットです。
燃費(WLTCモード)は、2WD車の「B」グレードの35.8km/Lを筆頭に、「X」グレードが34.6km/L、「G」と「Z」グレードが33.6km/L。4WD車も、「B」グレードが30.1km/L、「X」「G」「Z」グレードが30.0km/Lと、いずれも高い燃費性能を誇ります。
シャシー性能も向上しており、TNGAプラットフォームの恩恵が感じられます。
予防安全パッケージであるToyota Safety Senseを標準装備するほか、駐車操作を車両が支援するトヨタチームメイトアドバンストパークも用意されています。
長期使用を前提とする場合、多少予算を超えてでも現行モデルの中古車を選ぶほうが、結果的にお得な選択となるでしょう。
ホンダ ヴェゼル

ホンダ ヴェゼルは、2013年に販売が開始されたクロスオーバーSUVです。
トヨタ C-HRの登場で、SUV売り上げランキング1位の座を一時的に明け渡しましたが、すぐに取り戻すなど人気の高かったモデルです。
同社のコンパクトカーであるフィットをベースとしたヴェゼルは、全長4,295mm×全幅1,770mm×全高1,605mmというコンパクトなボディに、大人4人が乗っても余裕のある室内が魅力です。
パワートレインは、1.5Lのガソリンとターボ、1.5Lガソリンエンジンとモーターを組みわせるハイブリッド「SPORT HYBRID i-DCD」の3タイプ。ハイブリッドのWLTCモード燃費は21.0km/L(FF)です。
中古車を狙うなら、Honda SENSING(ホンダ・センシング)が標準装備となった2018年のマイナーチェンジ後のモデルがおすすめです。
購入前にバッテリーの状態をチェックしておきたい

ハイブリッドカーの中古車購入で注意しなければならないのは、走行距離や年数に応じて駆動用バッテリーの消耗度が変わること。
消耗度が高いと、クルマを買った直後に交換しなければならないということもあり、その交換費用も結構な金額になることも多いので、それなら最初から新車か、値段が高くても状態のいい中古車を買えばよかったということになりかねません。
一般的に、駆動用バッテリーの耐用年数は5年〜8年、走行距離は10万kmと言われており、メーカーでは新車登録から5年または10万kmを保証期間としています。
ハイブリッドカーでは、年式や走行距離をよくチェックすることが上手な買い方と言えるでしょう。
気になる車は早めにチェック!

200万円前後の中古ハイブリッドカー選びは、自身の使い方と燃費のバランスを考えるとうまくゆくはず。
バッテリーの寿命が心配な方は、メーカーの手厚い保証が付いてくる認定中古車を選ぶという手もあります。
いっぽうで、手ごろな価格でお得にハイブリッドカーを手に入れたい方は、中古車販売店やネットを駆使して探すと良い出物に巡り会える確率が高まります。
いずれにしても、気になる車は早めにチェックすることがおすすめです。