納得いかない?自動車事故の過失割合について
相手がいる自動車事故に巻き込まれると、過失割合がどう判断されるか気なりますが、過失割合は過去の判例で、おおよその基本割合が決まっています。
過失割合とは何か? また、よくある車同士の事故や、駐車場内での事故の基本的な過失割合についても触れています。
- Chapter
- 過失割合とは
- 車同士の事故の過失割合
- 駐車場の事故の過失割合
- まとめ
過失割合とは
過失割合とは、相手がいる自動車事故を起こした時、自分の過失(責任)と相手の過失(責任)の割合を表したものです。
お互いに過失がある場合は、お互いの保険会社同士で過去の類似の事故の裁判例をもとに実際の事故の過失割合を個別に話し合って決めていきます。
過失割合が大きい方を加害者、少ない方は被害者とされるのが一般的です。
過失割合は、お互いの賠償責任額を決めるうえで非常に重要な情報なので、交通事故の示談交渉では争点になります。
過失相殺について
自動車事故で自分の車が100万円の損害を受けた場合、自分に全く過失がなければ全額請求可能ですが、自分にも過失がある場合は自分の過失分を差し引いて請求します。
これを過失相殺といいます。
【過失相殺の例】
自分の損害額100万円。過失割合、自分30%、相手70%。
相手に請求できる金額は100万円×70%=70万円
車同士の事故の過失割合
車同士の事故の事例をみながら、おおよその過失割合の事例をご紹介します。
交差点での直進車同士の事故
・赤信号を直進したAと青信号で直進したBとの接触。
→Aが過失100%
・AとBは信号のない同じ道幅の交差点で同じ程度のスピードでぶつかった。直進したAはBの左側にぶつかった。
→Bが過失60%、Aは過失40%
同じ道幅なら、道路交通法36条1条1項によって左側の車が優先と定められています。
なお、一時停止や優先道路、交差点の道幅が違う場合はこの限りではありません。
・交差点にてAは一時停止の標識あり、Bはなしお互い直進をして交差点で衝突した場合
この場合は一時停止のある側が交差する道路を走行する車両を妨げてはならないと定められています。したがって、このケースは一時停止の標識があったAが過失80%、Bは20%となります。
※あくまでも基本的な過失割合です。その他の要因によってはこの限りではありません。
道路外出入車と直進者の事故
・Aは、店舗の駐車場などの道路外から道路へ左折して侵入。道路を直進してきたBと衝突した。
→Aが過失80%、Bが過失20%
道路交通法によって他の車両の正常な交通を妨げてはならない【道路交通法25条の2】
しかし、直進をしてきたBにも前方不注意の過失はあるため20 %の過失となります。
駐車場の事故の過失割合
意外と多いのが駐車場を取り巻く事故です。駐車場の事故の過失割合の事例を見ていきましょう。
なお、ここで取り上げるケースもあくまでも基本割合を示したものです。その他の要素によって過失割合はこの限りではないことがあります。
・バックで車を車庫入れしようとしたAが、すでに駐車しているBの車にぶつけてしまった。
→Aが過失割合100%
・駐車スペースを出ようとしたBが、駐車スペースを探していたAと衝突したケース。
→Aが過失割合30%、Bは70%
・駐車スペースにバックで入れようとしていたAに、駐車スペースを探していたBと衝突した。
→Aが過失割合20%、Bは80%。
・駐車場内でのAとBの出会い頭の事故
→A50%、B50%
まとめ
- 過失割合とは、自分の過失と相手の過失の割合を表すものです。
- お互いの賠償責任額を決めるうえで非常に重要な情報です。
- 自動車事故の当事者同士でお互いに過失がある場合は、お互いの保険会社同士で過去の類似の事故の裁判例をもとに実際の事故の過失割合を個別に話し合って決めていきます。