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【プロ解説】オフロードも行けるミニバン「三菱 デリカD:5」がS-AWC装備でさらに進化

三菱 デリカD:5 P (2026)

2007年に登場したオールラウンドミニバン、三菱 デリカD:5

スライドドアのミニバンでありながら、本格的な悪路走破性能を備えるという三菱以外では成し得なかった発想とパッケージが魅力のロングセラーモデルが、大幅改良で現在の姿になったのは2019年のことでした。

その後、細かい仕様変更を重ね、2025年10月にエクステリアを含めた改良を実施。車両運動統合制御システム『S-AWC』を搭載した新型デリカD:5のインプレションをお届けします。

Chapter
ミニバンの利便性とクロカンSUVの走破性を合体
ダイナミックシールドの採用で一気に存在感を増した現行デリカD:5
2025年12月の改良で内外装の質感と走りを向上
S-AWC装着で走りの質感をアップした改良型

ミニバンの利便性とクロカンSUVの走破性を合体

三菱 デリカD:5 (2007)

三菱 デリカD:5は、デリカシリーズの5代目モデルとして2007年1月に初登場しました。

デリカD:5は、「さまざまな走行環境下で、多くの乗員を安全に目的地まで運ぶ」という“デリカブランド”のコンセプトをさらに発展させ、走行性能、ボディ構造、室内環境に至るまで、すべてを新設計したミニバンです。

ボディ構造には、乗員をしっかり保護する環状骨格構造の「リブボーンフレーム」を採用。直線基調の機能的で飽きのこない端正なデザインに加え、十分なグランドクリアランスを確保したボディを大径タイヤで支える独創的なフォルムが特徴です。

クリーン、ストレスフリー、安心・安全をテーマとした『ここちインテリア』を追求した室内は、全方位の窓に採用された「UV&ヒートプロテクトガラス」をはじめ、「脱臭機能付クリーンエアフィルター」や「消臭天井」を標準装備し、生活臭やタバコ臭、VOC(揮発性有機化合物)を低減。クリーンで居心地の良い室内空間を実現しています。

パワートレインには、2.4L直列4気筒MIVECエンジンを搭載。組み合わされるトランスミッションには、優れた燃費性能と滑らかで力強い加速を実現するCVT(INVECS-Ⅲ)を採用していました。

駆動方式には、走行状況に応じて前後輪へのトルク配分を最適に制御する電子制御4WDを全車に採用。ダイヤル式のドライブモードセレクターにより、2WD/4WDオート/4WDロックの3つの走行モードを切り替えることができます。

また、210mmの最低地上高にくわえ、アプローチアングル24°、ランプブレークオーバーアングル18°、デパーチャーアングル21.5°を確保。ミニバンでありながらSUVに匹敵する最低地上高と対地障害角により、高い悪路走破性を発揮します。

ダイナミックシールドの採用で一気に存在感を増した現行デリカD:5

三菱 デリカ D:5 2019

発売から12年後の2019年2月に、デリカD:5はビッグマイナーチェンジを敢行します。

外観は、三菱のフロントデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」に縦型のマルチヘッドライトをあわせることで、新型デリカD:5とわかる個性的なフロントマスクへと進化。

インテリアは、デザインを一新した水平基調のインパネが機能性と開放感を兼ね備えると同時に、全体の質感を高めました。

搭載するパワートレインは、2.2L直4ディーゼルターボエンジンと新開発の8速ATの組み合わせで、駆動方式は4WDのみ。

予防安全技術「e-Assist(イーアシスト)」は、衝突被害軽減 ブレーキシステム[FCM]や車線逸脱警報システム[LDW]、レーダークルーズコントロールシステム[ACC]などの運転支援システムにより、ドライバーのサポートそして負担を軽減します。

2019年11月の一部改良では、予防安全技術「e-Assist」に誤発進抑制機能(前進時)を追加するとともに、電動サイドステップ(LEDステップ照明付)を標準装備(GとMを除く)。またアーバンギアに最上級グレードのPエディションが追加設定されました。

2020年12月の一部改良では、雨滴感応オートワイパー、ステアリングヒーターを採用するなど利便性を向上しました。

2025年12月の改良で内外装の質感と走りを向上

今回試乗したのは、2025年12月に内外装の変更と、走行性能の向上が行われた改良型です。

外観は、フロントグリルとフロント/リアバンパーのデザイン変更、ホイールアーチモールの追加などによって、力強さと高い走破性を主張。

インテリアは、8インチカラー液晶メーターの採用をはじめ、インストルメントパネルやシート生地の変更などのより、先進性に加えてギア感とプレミアム感を向上させています。

走行性能では、三菱の四輪制御技術「S-AWC」を新たに搭載。ECO/NORMAL/GRAVEL/SNOWの4つのドライブモードを設定し、さまざまな路面での走破性・操縦安定性を実現しています。

また運転支援機能「e-Assist」は、衝突被害軽減ブレーキシステムの障害物検知が、これまでの車両と人物にくわえ、新たに自転車の検知を可能としたほか、誤発進抑制機能は、後退時のアクセルの踏み間違いに対応させています。

2023年の改良で標準装備となった「マルチアラウンドビューモニター」は、カメラ画質を約3倍に高めるとともに、両サイドビュー+フロントビュー画面やバードアイビュー+透過フロントサイドビュー画面を追加することで、視認性を大幅に向上。さらに移動物検知機能が、車庫入れや駐車場からの発進時などで安全をサポートします。

試乗車は、最上級グレードの「P」(8人乗り:車両本体価格494万4500円)です。

オプション装備として、ブラックエンブレムパッケージ(マットブラック:5万8520円)、アルパイン製11型ナビゲーション(34万4300円)、12.8型後席用モニター(14万8500円)、吸・遮音機能付きフロアーマット(10万100円)、前後ドライブレコーダー(12万6170円)、ETC2.0車載器(6万3470円)に、メーカーオプションのナビ取付パッケージII(2万2000円)と後席モニター取付パッケージ(9900円)など、合計87万6260円の装備が追加されています。

デリカD:5のステアリングを握るのは5年振りですが、乗ってすぐに進化していることがわかりました。

とくに室内の静粛性は、車外にいるとディーゼル特有のエンジン音がよく聞こえますが、車内ではエンジン音の侵入が抑えられており、質感が向上しています。

質感の向上という点では、走行性能と乗り心地も同様です。

2.2L直4ディーゼルターボエンジン+8速ATというパワートレイン自体に変更はないものの、エンジンの回転上昇が軽くなっていることにくわえて、シフトもダイレクト感が増しており、力強い加速を体感できます。

背の高いミニバンですが、左右や前後の揺れも抑えられており、お子さんが乗ってもクルマ酔いしにくいような挙動は、S-AWC装着によるもの。一般道でのコーナリング時や高速道路の直進安定性も、従来モデルと比べるともうひと段階アップした印象です。

S-AWC装着で走りの質感をアップした改良型

三菱 デリカD:5 P (2026)

SUVに匹敵するミニバンとして安定した人気を誇るデリカD:5の最新モデルを試乗して、ロングセラーの理由が垣間見れた気がします。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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