【ライター解説】マツダのコンパクトSUV・CX-30を徹底解説!デザイン・荷室・ディーゼルエンジンをチェック【動画あり】

「CX-3以上、CX-5未満」。マツダのコンパクトクロスオーバーSUVである「CX-30」を一言で表すと、そんな表現がわかりやすいかもしれません。
デザインが美しいうえに、インテリアが上質で、荷室も広めに確保。「車選びドットコムYouTube」では、CX-30をチェックしてみました。果たして、クラス唯一のディーゼルエンジンを土屋さんはどう評価するでしょうか。
▼CX-30の紹介動画はこちらをチェック!
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ボディサイズは「マツダ3」よりも小さい?

顔見知りのマツダのセールススタッフ曰く「お客様におススメしやすいボディサイズのSUVなんですよ」。それが、コンパクトクロスオーバーSUVであるマツダ「CX-30」の、“ちょうどいい”ところのひとつめ。
マツダにはコンパクトな「CX-3」やミドルクラスの「CX-5」といったSUVが用意されています(さらにラージサイズの「CX-8」もあります)が、今回紹介するCX-30はCX-3とCX-5の中間サイズ。
「CX-3だと室内も荷室も狭いけれど、CX-5だと車体が大きすぎる」という人に「ではCX-30がありますよ」とオススメしやすいサイズとパッケージングなのだそうです。

CX-30は、同社のハッチバックである「マツダ3」と並行では開発され、車体構造やパワートレインなど基本的なメカニズムを共用しています。兄弟のような存在と言っていいでしょう。
しかし、単に車高を上げてデザインを変えただけでなく、車体サイズが微妙に異なるのがポイント。
マツダ3の全長は4460mmでホイールベースは2725mm。いっぽうでCX-30は全長4395mmでホイールベースは2655mm。どちらもCX-30のほうが短いのです。
トヨタ「ヤリス」と「ヤリスクロス」のように、ハッチバックに対してメカニズムを共用するSUVのほうが車体は大きいという関係はよくあります。しかし、CX-30の場合はSUVがハッチバックよりも小さいのだから異例。その理由はどこにあるのでしょうか?
実は、使いやすさを求めているのです。
「駐車場などでの取り回しを求めて、全長は4.4m未満に抑えたかった」と開発責任者は教えてくれました。
とはいえ、このボディサイズは、トヨタ・ヤリスクロスの4180mm、日産「キックス」の4290mm、そしてホンダ「ヴェゼル」の4330mmよりも大きいもの。それらが「Bセグメント」と呼ばれるクラスなのに対して、CX-30はひとつ格上の「Cセグメント」と呼ばれます。
美しいデザインも大きな魅力

そんなCX-30には、見た瞬間に伝わってくる魅力があります。
それはデザインの美しさ。「世界一美しいクロスオーバーSUV」を作るというテーマを掲げて開発されただけあって、エレガントなデザインはなかなかのもの。動画の中では元レーシングドライバーの土屋圭市さんも「美しいデザイン。どこからみてもマツダだと分かる。芯がしっかり通っている」と高く評価しています。
どこからみてもマツダのクルマだと分かる大きな理由は顔つき。
なかでも5角形としたフロントグリルの形状は他のマツダ車とも共通のモチーフで、マツダファミリーであることを声高に主張しているといっていいでしょう。

ところでパッケージングの話をすると、CX-30はコンパクトSUVのなかでトップを誇れる部分があります。
それはラゲッジスペース。荷室容量は430Lあり、これはコンパクトSUVのなかでは最大の数値。小さな子供がいるファミリー層をターゲットのひとつとしていることもあり、「ベビーカーとスーツケースが同時に積める」ことを前提に設計されました。
荷室が広いコンパクトSUVを探しているのであれば、CX-30は魅力的な選択肢となるに違いありません。
パッケージングの美点をもうひとつ。これはCX-30だけでなく多くのコンパクトクロスオーバーSUVに共通することですが、乗り降りのしやすさは素晴らしいです。
理由は着座位置の高さ。地面に対してのシート座面の高さが、セダンやハッチバックのように低すぎず、いっぽうで背の高いミニバンのように高すぎないちょうどいい位置なのです。
だから乗り降りの際の姿勢が楽で、スッと乗り降りできる。それは、クルマに乗るたびにメリットを感じますね。

それでは乗り込んでみましょう。
自慢は、インテリアの上質さ。昨今のマツダ車のインテリアの作り込みは素晴らしく、このクラスでは最上級と断言できます。
インパネをはじめとする内装の表面の仕立ても、スイッチの緻密さや仕上げも凝っていて、その質感はまるで上級セダン。この“室内の高そうな感じ”だけで、CX-30を選びたくなってくるほどです。
運転環境は、メーター周辺が左右対称になっていて、足元はアクセルペダルが踏み続けても疲れにくいと言われるオルガン式(ペダルの下が支点になっている)です。
そして、そのアクセルペダルはドライバーに対してフットレストと左右対称の位置になっているなど、ドライバーオリエンテッドな空間作りです。
いっぽうで、後席はちょっと狭い印象。
その理由は足元スペースで、十分に確保され大人が普通に座れるレベルは保たれてはいます。しかし、ヴェゼルやキックスなど“後席の広さ自慢”のコンパクトSUVに比べると、控えめですね。
クラス唯一のディーゼルエンジンの実力

今回動画で試乗したクルマは、ディーゼル。CX-5の排気量2.2Lに比べるとひとまわり小さな、1.8Lのディーゼルエンジンを搭載しています。
マツダのディーゼルエンジンは評価が高いですが、今回のCX-30も土屋さんが最初はディーゼルだと気が付かなかったほど静粛性が高く、振動もありません。そしてエンジンのフィーリングも滑らかです。
いっぽうでトルクがあるから運転しやすいうえに、燃費がいいのも魅力。
ディーゼルエンジンを搭載するのは、このクラスの国産車ではCX-30が唯一です。そこも、CX-30のアドバンテージと言えるのではないでしょうか。
ところで、CX-30には試乗したディーゼルエンジンのほかにも、一般的なガソリン2.0L自然吸気エンジン、そして特殊な燃焼方式を採用した「スカイアクティブX」というガソリン2.0Lエンジンも設定されています。
そのうえ、北米には日本向けには設定のないガソリン2.5L自然吸気エンジンや、253psを誇る2.5Lターボエンジンも用意。つまり、パワフルな仕様があるのです。海外仕様だけにあるのはちょっとうらやましいですね。