ムーヴ/ムーヴカスタムの維持費はいくらかかる?費用内訳、新車と中古車の違いを解説!

子育て世帯やママ層を中心に長年人気を集めている車の一つが、軽ハイトワゴンであるダイハツ・ムーヴ、ムーヴカスタムです。
軽自動車はセカンドカーとして購入を検討する方も多く、維持費の安さを重視して車選びをする傾向にあります。
今回はムーヴ/ムーヴカスタムにかかる維持費の内訳や新車・中古車で維持費に違いはあるのかを解説した上で、購入を考えている方におすすめのモデルの選び方を紹介します。
- Chapter
- ムーヴ、ムーヴカスタムとはどんな車?
- 新車と中古車でかかる維持費に違いはある?
- ムーヴ/ムーヴカスタムにかかる維持費の種類
- ムーヴ/ムーヴカスタムにかかる税金に、軽減措置はある?
- 中古車のムーヴ/ムーヴカスタムを選ぶ時のコツは「燃費」
ムーヴ、ムーヴカスタムとはどんな車?

ダイハツ・ムーヴが発売されたのは1995年。当時は同じく軽ハイトワゴンのスズキ・ワゴンRが先に登場しており、その対抗馬として注目を集めました。
ドレスアップモデルであるムーヴカスタムは、ノーマルモデルから遅れること2年後の一部改良の際に登場。これはダイハツのカスタム系の元祖であり、軽自動車のドレスアップモデルの市場を開拓したとも言える車でした。
現在に至るまでの約25年間で5度のフルモデルチェンジを経て、現行型は6代目。とはいえモデルライフは7年目に突入しており、そろそろ次のフルモデルチェンジが行われるのでは?と期待されている一台です。
2021年11月現在、新車で販売されているグレードラインアップは「Xターボ"SA Ⅲ"」「X"SA Ⅲ"」「特別仕様車 X"リミテッドⅡ SA Ⅲ"」「L"SA Ⅲ"」「L」。ムーヴカスタムは「特別仕様車 RS"ハイパーリミテッド SA Ⅲ"」「RS"ハイパーSA Ⅲ"」「特別仕様車 X"VS SA Ⅲ"」「X"Limited SA Ⅲ"」となっています。
新車と中古車でかかる維持費に違いはある?

ムーヴやムーヴカスタムを購入する際の選択肢としては、新車もしくは中古車があります。
中古車を購入すれば新車よりも安い価格で車を手に入れることができるので、初期費用が抑えられますが、その後の維持費にも違いはあるのでしょうか?
結論から言うと、「新車だから・中古車だから」といってかかる維持費が変わるわけではなく、あくまでモデルごとの性能や機能によって左右されます。
燃費性能が良いモデルであれば必要なガソリン代は少なくて済むでしょうし、保険料や駐車場代などは必要・不必要や条件が人によって異なるため、新車か中古車かでは費用は変わりません。
強いて言えば、軽自動車税(種別割)とメンテナンス代は注意しておきたいポイント。
軽自動車税(種別割)は、新車登録から13年以上が経過すると重課税となり、約20%増税となります。13年以上前の中古車を購入する方はほとんどいないでしょうが、新車登録から何年経過しているかは確認しておきましょう。
また、中古車は新車よりも多少劣化が進んでいる場合があるため、メンテナンスにかかる費用は新車よりも多くなる可能性があります。
ムーヴ/ムーヴカスタムにかかる維持費の種類

ここからはムーヴ/ムーヴカスタムに書かる維持費について、内訳とそれぞれにかかる具体的な費用を紹介していきます。
新車・中古車に関わらず、ムーヴやムーヴカスタムの購入を検討している方は、今後どのくらいの維持費がかかるのかの参考にご覧ください。
1:税金
車を購入し保持していると、どんな車であっても税金がかかります。2021年11月現在、タント/タントカスタムにかかる税金としては軽自動車税(種別割)と自動車重量税があります。
■軽自動車税(種別割)
軽自動車税(種別割)は排気量によって税率が定められており、軽自動車の規格は660cc以下であるため一律で10,800円/年がかかります。なお車を購入する際には、新車・中古車に関わらず、自動車取得税に代わって導入された環境性能割に応じた費用も支払う必要があります。
■自動車重量税
自動車重量税は、その名の通り重量に応じて課税される税金です。支払うタイミングは新車登録時(3年分)と車検時(2年分)となり、ムーヴ/ムーヴカスタムの場合は購入時に5,600円、その後の車検時に5,000円がかかります。
また先述したとおり、新車登録から13年以上が経つと重課税となり、かかる費用はさらに高くなります。
なお、2017年5月1日から2021年4月30日の期間に新車新規登録した自動車であればエコカー減税の対象となり、燃費基準に対する達成度によっては自動車重量税が減税されます。
出典:総務省|地方税制度|平成28年度から軽自動車税の税率が変わります
出典:中古車を購入した場合の環境性能割の計算方法
2:車検代
車検は、新車登録から3年後と、それ以降は2年に1度受ける義務があり、これを受けないと公道を走ることはできません。
車検を受ける際に必要となる車検代としては、法定費用と車検基本料がかかります。
■法定費用
法定費用は、先述した自動車重量税に加え、自賠責保険料、印紙代(検査手数料)を合計した費用です。これらは国や自治体に納める費用で、どの車検業者であっても同じ価格がかかります。
自賠責保険は、車を所有し運転する全ての人に加入が義務付けられている保険です。かかる費用は、何ヶ月分契約するかによって異なります。
印紙代としては基本的に1,100円がかかりますが、認定工場で車検を受けた場合は証紙代も必要となるため、100〜700円ほど上乗せとなる場合があります。
■車検基本料
車検基本料は、点検費用や整備費用、代行手数料など合計した費用で、車検業者に対して支払うものです。こちらは各車検業者ごとにかかる費用は大きく異なるため、見積もりをとって比較した上で業者を選ぶのがおすすめです。
おおよその傾向としては、ディーラーで車検を受けると高く、カー用品店やガソリンスタンド、車検を専門とする業者などであれば比較的安くなるケースが多いようです。
3:ガソリン代
ガソリン代が高騰している今、できるだけかかる費用は抑えたいものです。
車選びにおいても確認しておきたいのが燃費性能。ムーヴとムーヴカスタムの各グレードごとのWLTCモード燃費は以下の通りとなっています。
ムーヴとムーヴカスタムは各グレードごとに2WD、4WDのモデルを用意しており、いずれも4WDより2WDの方が燃費性能が良くなっています。また、ターボエンジンを搭載しているグレードは他のグレードに比べて出力が大きい分、燃費性能は多少落ちてしまいます。
普段の買い物や送り迎えなどといった日常使いのみであれば、2WDモデルでも十分。必要に応じて、燃費性能の良いグレードを選んでみてください。
ムーヴ グレード一覧 | 2WD | 4WD |
---|---|---|
Xターボ“SA Ⅲ” | 19.5 km/L | 18.8 km/L |
X“SA Ⅲ” | 20.7 km/L | 20.0 km/L |
特別仕様車 X“リミテッドⅡ SA Ⅲ” | 20.7 km/L | 20.0 km/L |
L“SA Ⅲ” | 20.7 km/L | 20.0 km/L |
L | 20.7 km/L | 20.0 km/L |
ムーヴカスタム グレード一覧 | 2WD | 4WD |
---|---|---|
特別仕様車 RS“ハイパーリミテッド SA Ⅲ” | 19.5 km/L | 18.8 km/L |
RS“ハイパーSA Ⅲ” | 19.5 km/L | 18.8 km/L |
特別仕様車 X“VS SA Ⅲ” | 20.7 km/L | 20.0 km/L |
X“Limited SA Ⅲ” | 20.7 km/L | 20.0 km/L |
4:自動車保険料
自動車保険には、全ての運転者に加入が義務づけられている「自賠責保険」と任意の上で加入する「任意保険」の2種類があります。
■自賠責保険
自賠責保険は車検の項目でも先述した通り、車を運転する全ての人に加入が義務付けられている保険で、加入しないと車検が受けられないほか公道を走ることもできません。かかる保険料は契約期間によって異なりますが、軽自動車は最大37か月から1か月単位で契約することができ、37か月契約の場合の保険料は27,330円となっています。
出典:自賠責保険基準料率表|損害保険料率算出機構
■任意保険
自賠責保険の補償内容は事故の被害者に対する傷害賠償のみであるため、事故を起こした側の怪我に対する補償や、対物補償、車両に対する補償などは含まれません。そのため、自賠責保険に加入しているだけでは万が一の事故の際に賠償金を賄えない事態になりかねません。
そこで各保険会社が用意しているのが任意で加入する保険(任意保険)なのです。
任意保険は、選ぶ保険商品や運転者の条件、車の種類など、さまざまな条件に基づいて保険料が算出されます。そのため、同じ補償内容であっても保険料が大きく異なる場合があります。
そのため、保険を選ぶ際には各保険会社のサービス内容の比較や相見積もりをした上で決めるのがおすすめです。
5:メンテナンス代
定期的に必要なメンテナンスとしては、エンジンオイル交換、タイヤ交換、バッテリー交換などさまざまな項目が挙げられます。また、車に長く乗っていると、エアコンやカーナビなどの内装周りからヘッドライトといった外部パーツまで、どこかしらの部品に不具合が出てくることがあります。
こういったメンテナンスは車検時に合わせて行ったり、気がついた時にお店で交換を行う必要があります。安全に車に乗るために必ず必要となるため、ケチらずきちんとメンテナンスを行いましょう。
また、プラスアルファのメンテナンスとして洗車やカーコーティングを行う方も、定期的にメンテナンス費用が必要となります。
メンテナンスにかかる費用は、選ぶパーツの価格やメンテナンスを依頼する店によって異なります。できるだけ安く済ませたい場合は自分で行うと言う方法もありますが、自身の知識や力量に応じてお店とセルフメンテナンスを使い分けましょう。
6:駐車場代
都市部で特に必要となる維持費として、駐車場代も挙げられます。
こちらはお住まいの地域や価格設定によって大きく金額が変わってきますので、周辺の駐車場の料金を確認した上で維持費の計算をしてみるとよいでしょう。
参考:月極駐車場どっとこむ 月極の駐車場検索専門サイト
ムーヴ/ムーヴカスタムにかかる税金に、軽減措置はある?

2021年11月現在、車に関する税金に対してはいくつかの軽減措置が用意されています。
ここからは、ムーヴやムーヴカスタムにおいて減税措置の対象となるグレードはどれかを詳しく紹介していきます。
出典:ムーヴ|エコカー減税車種一覧|軽自動車・エコカー・低燃費車【ダイハツ】
出典:ムーヴ カスタム|エコカー減税車種一覧|軽自動車・エコカー・低燃費車【ダイハツ】
グリーン化特例について
グリーン化特例とは、環境負荷の少ない自動車の開発や普及を進めるために、燃費性能および排出ガス量が優良な自動車に対して自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)の税率を軽減する仕組みです。
ただ、ムーヴはグリーン化特例の対象とはなっていないため、この制度による減免措置はありません。
環境性能割について
環境性能割は、自動車取得税に代わって導入された税金であることは先述した通りです。これは新車・中古車に関係なく車を購入した際にかかり、車の燃費性能に応じた税率が課せられます。
ただし、令和元年10月1日〜令和3年12月31日までの間に取得した自家用乗用車については、自動車税環境性能割の税率を1%軽減する措置が取られています。
そのため、現行型ムーヴ、ムーヴカスタムの環境性能割は、令和3年12月31日までの間はいずれも非課税となっています。
エコカー減税について
エコカー減税とは、排出ガス性能及び燃費性能に優れた自動車に対して、それらの性能に応じて自動車重量税を免税・軽減する仕組みです。
現行型のムーヴとムーヴカスタムにおいては、いずれも25%軽減の対象となるため、1,900円減額された5,600円がかかることになります。
出典:エコカー減税の概要|国土交通省
中古車のムーヴ/ムーヴカスタムを選ぶ時のコツは「燃費」

ここまでムーヴとムーヴカスタムにかかる維持費を一つ一つ確認してきましたが、税金やほとんどの項目については新車・中古車どちらであっても、またどのグレードを選んでも同じであることがお分かりいただけたかと思います。
今後、ムーヴ/ムーヴカスタムを購入する上でできるだけ維持費が安く済むものを選びたいのであれば、「燃費」に最も注目して選択するのがおすすめです。
ガソリン代が高騰している今は、ガソリン代は家計に直結する維持費の一つ。なるべく燃費性能の良いグレードを選択することで、給油の頻度が少なく済み、必要な費用も抑えることができます。
現行型モデルの中で最も燃費性能が良いグレードは、ムーヴであればターボエンジン以外の2WD車である「X“SA Ⅲ”」「特別仕様車 X“リミテッドⅡ SA Ⅲ”」「L“SA Ⅲ”」「L」。ムーヴカスタムも、同じくターボエンジン以外の2WD車の「特別仕様車 X“VS SA Ⅲ”」「X“Limited SA Ⅲ”」が燃費の良いグレードとなっているので、ここから選んでみるのがおすすめです。