中古でマツダ・ビアンテを買うならこのモデルがおすすめ!

マツダ・ビアンテは、5ナンバーサイズを超えた箱型ミニバンで、1代のみでカタログ落ちしたモデルです。
トヨタ・ノア/ヴォクシー、日産セレナ、ホンダ・ステップワゴンという5ナンバー枠を基本とした箱型ミニバンよりもワイドで、トヨタ・アルファードや日産エルグランドなどよりもひと回り以上小さく、三菱デリカD:5に近いサイズ感となっています。
5ナンバー系のライバルよりもひと回り大きなサイズが特徴

「見て、乗って、夢が拡がるZoom-Zoom Tall(ズームズームトール)」というキャッチコピーを掲げ、2008年7月に発売されたマツダ・ビアンテ。
当時、5ナンバー枠の箱型ミニバン3強(ノア/ヴォクシー、セレナ、ステップワゴン)よりもワイドなサイズが特徴でした。
ボディサイズは、全長4715×全幅1770×全高1835mm。そのボディサイズを活かし、2990mmの室内長、1545mmの室内幅、1350mmの室内高を備えていました。車内の広さは5ナンバー枠のライバルよりも余裕があり、アルファードやエルグランドなどよりも狭いというパッケージングです。

1列目、2列目、3列目と後方に行くほど着座位置が高くなるいわゆる「シアターレイアウト」による良好な視界、3列目のシートスライドによる足元スペースの調整のしやすさも含め、サードシートまで5ナンバー系よりも余裕があったのが印象的でした。
もちろん、後席は両側スライドドアで、小さな子どもやお年寄りがいるファミリーでも楽に乗降できます。

また、当時「ZOOM-ZOOM」というコピーを掲げていたマツダらしく、箱型ミニバンの中でも走りの良さも印象的でした。
ベース車が走りに定評のあったプレマシーということもあり、ワインディングなどでもストレスの少ないハンドリングを披露。
パワーユニットは、2.0L直噴と5AT(4WDは4AT)、2.3Lエンジンは2WDのみで5ATが組み合わされています。2.0L仕様の動力性能それなりというレベルでしたが、2.3Lエンジン車は、比較的余裕のある走りに貢献します。

良いことずくめに思えるビアンテでしたが、荷室は賛否両論分かれていました。サードシートは、座面を上げて背もたれを前に倒すチップアップ式。ライバルの多くが採用していた左右跳ね上げ式や床下格納式と比べて、操作性が比較的容易である一方で、奥行きが限られるというデメリットも抱えていました。
ミニバンとはいえ、サードシートまで着座する機会が少ない層(大半のユーザーがそうかもしれません)にとっては、3列目は基本的に跳ね上げるなり、床下に格納するなりしていて、広い荷室を享受するというのが普通でしょう。
そうした使い方では、少し不満を覚える層も少なくなかったと思われます。

また、1代限りで終わったのは、ミニバンから撤退するという戦略もありましたが、販売面でも大成功とはいきませんでした。
デリカD:5は、唯一無二といえる悪路走破性も備えたミニバンということで現在も健在ですが、ライバルが少なく、市場的に盛り上がらない、サイズ感が中途半端などの理由や、攻めたエクステリアデザインも好みや評価が分かれた感があります。
最後のマイナーチェンジで「スカイアクティブ」ミニバンに

誕生時から約14年が経っているビアンテ。国産ミニバンの割にタマ数は少ない印象で、年式が古く、走行距離を重ねた個体であれば30万円くらいでも買えるようです。もちろん、ビアンテに限らず、もろもろ織り込み済みで手を出す覚悟は必須でしょう。
無難なのは、当然ながら走行距離が短く、最後のマイナーチェンジ(2013年5月)後の後期型でしょう。2WDに、「スカイアクティブ」世代となる高効率直噴ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」、高効率ATの「SKYACTIV-DRIVE」が搭載され、JC08モード燃費14.8km/Lを達成しています。
ほかにも、荷室床下スペースの拡大や収納スペースを増やすなど、使い勝手の面でも改善が図られています。

新型モデルが年々、ボディサイズが拡大傾向にある中、いまとなっては1770mmのボディサイズは持て余すほど大きいとはいえません。
アルファードやエルグランド、オデッセイなどでは大きすぎるけど、5ナンバー系のライバルでは狭いかな、と考えている人には、デリカD:5あたりと比較しながら検討する価値は十分にありそうです。